旅行や出張先でヘアスタイリングをするために、充電式ヘアアイロンを飛行機に持ち込みたいと考える方は多いでしょう。しかし、コードレスタイプのヘアアイロンには航空法に基づく厳しい持ち込み制限があります。国内線や国際線を問わず、充電式ヘアアイロンの持ち込みに関する正確な知識を持たなければ、空港の保安検査で没収される可能性があります。
実は、おすすめの充電式ヘアアイロンであっても、バッテリーの取り外しができない製品は機内持ち込みも預け入れもできません。一方で、適切な条件を満たした製品なら、国内線でも国際線でも問題なく持ち込むことができます。
記事のポイント
- 充電式ヘアアイロンの種類別持ち込みルールと制限事項
- 国内線と国際線での規則の違いと航空会社別の対応
- 安全に持ち運ぶための具体的な準備方法と注意点
- 実際の体験談から学ぶ失敗例と成功のコツ
充電式ヘアアイロンの飛行機持ち込みルール

- 国内線での持ち込み規則と注意点
- 国際線での持ち込み制限について
- 安全に持ち運ぶための重要なポイント
- 知恵袋でよくある質問と回答
- 実際の口コミ体験談から学ぶ失敗例
国内線での持ち込み規則と注意点
国内線において充電式ヘアアイロンを持ち込む際は、まずバッテリーの取り外し可否が最も重要な判断基準となります。JALやANAをはじめとする日本の航空会社では、国土交通省の基準に基づいた統一的なルールを適用しています。
バッテリーが本体から取り外せるタイプの場合、本体部分は機内持ち込みと預け入れのいずれも可能です。ただし、取り外したバッテリーについては必ず機内持ち込み手荷物として携行する必要があり、預け入れ荷物に入れることはできません。
一方、バッテリーが内蔵されており取り外せないタイプの場合は、機内持ち込みも預け入れも一切認められていません。関西国際空港では、このような取り外し不可能なコードレスヘアアイロンが1日に20個以上も保安検査で回収されているという現状があります。
国内線では、リチウムイオン電池の容量制限として160Wh以下という基準が設けられています。100Wh以下の場合は個数制限がありませんが、100Whを超え160Wh以下の場合は2個までという制限があります。一般的な充電式ヘアアイロンのバッテリー容量は15-40Wh程度であることが多く、この制限に引っかかることは稀ですが、購入前や持参前には必ず確認しておくことが大切です。
取り外したバッテリーを機内に持ち込む際は、短絡防止措置が必要になります。具体的には、バッテリーの端子部分を絶縁テープで保護するか、専用のケースに収納する必要があります。これを怠ると、バッテリーがショートして発火する危険性があるため、航空会社では厳格にチェックしています。
国際線での持ち込み制限について
国際線における充電式ヘアアイロンの持ち込みルールは、基本的に国内線と同様ですが、航空会社や渡航先の国によって細かな違いがある場合があります。国際民間航空機関(ICAO)の規定に基づき、各国の航空当局がそれぞれの基準を設けているためです。
アメリカの運輸保安庁(TSA)では、コードレスヘアアイロンは機内持ち込みのみ可能で、預け入れは禁止されています。デルタ航空やユナイテッド航空などの主要アメリカ系航空会社も、160Wh以下のリチウムイオン電池について同様の制限を設けており、バッテリーが取り外せない製品の持ち込みを一切認めていません。
ヨーロッパ系の航空会社でも、基本的にはアメリカと同様の基準を採用していますが、一部の航空会社では独自の制限を設けている場合があります。例えば、バッテリー容量の上限をより厳しく設定していたり、予備バッテリーの個数制限が異なったりする場合があります。
アジア系の航空会社についても、各国の航空当局の規定に従って対応が分かれています。中国系航空会社では特に厳格な検査が行われることが多く、取り外し不可能なバッテリーを内蔵した製品は確実に没収される傾向があります。
国際線を利用する際は、出発空港だけでなく、経由地や到着地の規定も確認しておく必要があります。乗り継ぎがある場合、経由地の空港でも同様の検査が行われるため、すべての区間で持ち込み可能な製品を選択することが求められます。
安全に持ち運ぶための重要なポイント
充電式ヘアアイロンを安全に持ち運ぶためには、まず製品選択の段階から慎重に検討する必要があります。旅行頻度が高い方は、バッテリーが取り外し可能な製品や、フライトモード機能を搭載した製品を選ぶことをおすすめします。
Dyson Corraleのように、フライトモード機能を搭載した製品では、バッテリーと発熱体を完全に分離することで航空規則に適合させることができます。ただし、この機能を使用しても、日本発着便では制限がある場合があるため、事前に航空会社への確認が必要です。
バッテリーが取り外し可能な製品を選んだ場合は、取り外し作業を事前に練習しておくことが大切です。空港の保安検査場で慌てて作業しようとすると、うまく取り外せずにトラブルになる可能性があります。また、取り外したバッテリーを収納するための専用ケースや絶縁テープも事前に準備しておく必要があります。
充電式ヘアアイロン本体についても、使用直後で熱くなっている状態で持ち運ぶのは危険です。耐熱ケースや耐熱キャップを使用し、周囲の荷物に熱によるダメージを与えないよう注意する必要があります。タオルなどの燃えやすい素材で包むことは絶対に避けてください。
海外で使用する場合は、電圧対応も確認しておく必要があります。日本の100Vに対し、海外では110V~240Vが一般的であるため、100V~240V対応の製品を選ぶか、適切な変圧器を用意する必要があります。ただし、ヘアアイロンのような高出力機器では変圧器を使用しても正常に動作しない場合があるため、海外対応製品の使用が推奨されます。
知恵袋でよくある質問と回答
インターネットの知恵袋サイトでは、充電式ヘアアイロンの持ち込みに関する質問が数多く寄せられています。最も多い質問は「バッテリーが取り外せないコードレスヘアアイロンは本当に持ち込めないのか」というものです。
この質問に対する答えは明確で、バッテリーが取り外せない充電式ヘアアイロンは機内持ち込みも預け入れも一切できません。これは国内線・国際線を問わず、また航空会社を問わず共通のルールです。知恵袋の回答の中には「小さいものなら大丈夫」「申告すれば持ち込める」といった間違った情報も見受けられますが、これらは誤解に基づくものです。
もう一つよくある質問は「USB給電式のヘアアイロンはどうなのか」というものです。USB給電式で本体にリチウムイオン電池を内蔵していないタイプの場合、制限は大幅に緩和されます。この場合、モバイルバッテリーの容量制限さえ守れば持ち込み可能となるため、旅行用としては実用的な選択肢といえるでしょう。
「ガス式ヘアアイロンとの違い」についても質問が多く見られます。炭化水素ガスを使用するガス式ヘアアイロンは、安全カバーが装着されている場合に限り、1個まで機内持ち込み・預け入れが可能です。ただし、予備のガスカートリッジは持ち込み・預け入れともに禁止されているため、現地での調達が必要になります。
バッテリー容量の計算方法についても質問が寄せられることがあります。ワット時定格量(Wh)は、定格電圧(V)×容量(Ah)で計算できます。例えば、3.7V × 10,000mAh ÷ 1,000 = 37Whという計算になります。多くの充電式ヘアアイロンは15-40Wh程度であるため、160Whの制限に引っかかることは稀ですが、高性能な製品では注意が必要です。
実際の口コミ体験談から学ぶ失敗例
実際に充電式ヘアアイロンを持参した旅行者の体験談からは、多くの教訓を得ることができます。最も多い失敗例は、バッテリーの取り外し可否を確認せずに空港に向かい、保安検査で没収されてしまうケースです。
ある女性の体験談では、人気ブランドの充電式ヘアアイロンを購入し、取扱説明書を十分に読まずに海外旅行に持参したところ、出発空港の保安検査で没収されてしまいました。後で確認すると、その製品はバッテリーが内蔵式で取り外しができないタイプだったのです。没収された製品は廃棄処分となるため、数万円の損失となってしまいました。
別の体験談では、バッテリーが取り外し可能な製品を選んだものの、短絡防止措置を怠ったために保安検査で指摘を受けたケースがあります。幸い没収には至りませんでしたが、検査場で絶縁テープでの処理を求められ、他の乗客に迷惑をかけてしまったと反省の声が聞かれました。
成功例としては、事前に製品仕様を十分に確認し、取り外し可能なバッテリーを搭載した製品を選択した方の体験談があります。この方は出発前にバッテリーの取り外し練習を行い、専用ケースと絶縁テープを準備していました。当日は保安検査もスムーズに通過でき、現地でも問題なく使用できたということです。
国際線での体験談では、日本では問題なく持ち込めた製品が、海外の空港で没収されたケースも報告されています。これは航空会社や国によって微妙にルールが異なるためで、事前の確認不足が原因でした。特にアメリカやヨーロッパの空港では、日本以上に厳格な検査が行われることが多いため、注意が必要です。
また、機内でバッテリーを再装着しようとして乗務員に注意されたという体験談もあります。機内ではバッテリーは取り外したままの状態を維持し、到着後に装着することが推奨されています。
充電式ヘアアイロンを飛行機に持ち込むコツ

- コードレスおすすめモデルの選び方
- バッテリー容量と取り外し可否の確認方法
- 没収されないための事前準備
- 航空会社別の対応の違い
- 充電式ヘアアイロンの飛行機持ち込みまとめ
コードレスおすすめモデルの選び方
旅行用の充電式ヘアアイロンを選ぶ際は、航空規則への適合性を最優先に考える必要があります。まず確認すべきは、バッテリーが本体から取り外し可能かどうかという点です。取り外しができない製品は、どれほど高性能であっても飛行機での持ち込みができないため、旅行用としては不適切です。
フライトモード機能を搭載した製品は、旅行者にとって理想的な選択肢といえます。この機能により、バッテリーと発熱体を完全に分離することで、航空規則により確実に適合させることができます。ただし、この機能を搭載した製品は現在のところ限られており、価格も高めに設定されていることが多いです。
USB給電式の製品も旅行用として注目されています。本体にリチウムイオン電池を内蔵せず、モバイルバッテリーから給電するタイプの場合、持ち込み制限が大幅に緩和されます。モバイルバッテリーの容量制限さえ守れば、比較的自由に持ち運ぶことができるため、実用性が高いといえるでしょう。
電圧対応範囲も重要な選択基準です。海外旅行を予定している場合は、100V~240V対応の製品を選ぶことで、変圧器を使用することなく世界中で使用できます。変圧器を使用した場合、正常に動作しなかったり、故障の原因となったりする可能性があるため、初めから対応電圧の広い製品を選ぶことが賢明です。
サイズと重量も考慮すべき要素です。旅行時は荷物の制限があるため、コンパクトで軽量な製品が望ましいです。ただし、あまりに小さすぎると髪の長い方には使いにくい場合があるため、バランスを考慮した選択が必要です。
温度調節機能の有無も確認しておきたいポイントです。髪質に合わせて温度を調整できる製品の方が、ダメージを抑えながら理想的なスタイリングができます。また、自動電源オフ機能があると、消し忘れによる事故を防げるため安心です。
充電時間と使用時間のバランスも重要です。旅行先では充電機会が限られる場合があるため、短時間で充電でき、長時間使用できる製品が理想的です。一般的には、30分程度の使用時間があれば十分なスタイリングが可能とされています。
バッテリー容量と取り外し可否の確認方法
充電式ヘアアイロンのバッテリー仕様を確認する際は、まず製品の取扱説明書やメーカーの公式サイトで詳細な仕様を調べることが基本です。特に重要なのは、バッテリーの取り外し可否とワット時定格量(Wh)の確認です。
バッテリーの取り外し可否については、製品によって大きく異なります。取り外し可能な製品では、通常、バッテリー部分にロック機構やスライド式の取り外しボタンが設けられています。一方、内蔵式の製品では、外観上バッテリーの存在が分からないか、分かっても取り外し用の機構が見当たりません。
実際に製品を手に取って確認する場合は、まず電源ボタン周辺やグリップ部分にバッテリー取り外し用のボタンやスライダーがないかチェックしてください。また、本体に取り外し可能な部分がないか、360度から観察することも大切です。
ワット時定格量(Wh)の確認については、バッテリー本体に記載されている場合が多いです。ただし、製品によっては取扱説明書にのみ記載されている場合もあります。Whの表示がない場合は、電圧(V)と容量(Ah)から計算することができます。
バッテリー容量 | 持ち込み制限 | 個数制限 |
---|---|---|
100Wh以下 | 機内持ち込み可 | 制限なし |
100Wh超~160Wh以下 | 機内持ち込み可 | 2個まで |
160Wh超 | 持ち込み不可 | – |
メーカーのカスタマーサポートに問い合わせることも有効な確認方法です。特に海外メーカーの製品の場合、日本語の資料では詳細が分からないことがあるため、直接問い合わせることで正確な情報を得られます。
オンラインでの確認時は、製品のレビューや質問コーナーも参考になります。実際に使用したユーザーからの情報により、取扱説明書には記載されていない詳細な情報を得られる場合があります。
購入前の確認が最も重要ですが、既に所有している製品の場合でも、旅行前には必ず再確認することをおすすめします。製品によっては、同じシリーズでもバッテリー仕様が異なる場合があるためです。
没収されないための事前準備
充電式ヘアアイロンを確実に持ち込むためには、出発前の準備が極めて重要です。まず、バッテリーが取り外し可能な製品であることを再確認し、実際に取り外し作業を練習しておく必要があります。
バッテリーの短絡防止措置として、絶縁テープまたは専用ケースを準備してください。絶縁テープを使用する場合は、バッテリーの端子部分を完全に覆うように貼り付けます。専用ケースを使用する場合は、バッテリーがしっかりと固定され、他の金属製品と接触しないことを確認してください。
航空会社の最新規定を確認することも欠かせません。航空規則は定期的に更新されるため、過去の情報に頼らず、利用する航空会社の公式サイトで最新の情報を確認してください。特に国際線の場合、経由地や到着地の規定も併せて確認する必要があります。
製品の仕様書や購入証明書を持参することも推奨されます。保安検査で詳細な説明を求められた場合、これらの書類があると説明がスムーズになります。特にバッテリー容量や取り外し可否について質問された際に、正確な情報を提示できます。
到着時刻と保安検査の混雑状況を考慮して、空港には十分な余裕を持って到着することが大切です。バッテリーの取り外しや説明に時間がかかる可能性があるため、通常より30分程度早めに空港に到着することをおすすめします。
万が一に備えて、代替案も準備しておくと安心です。例えば、宅配便で現地に送る手配をしておいたり、現地でのレンタルサービスを調べておいたりすることで、仮に持ち込みが拒否されても対応できます。
同行者がいる場合は、事前に役割分担を決めておくことも有効です。一人がバッテリーを機内持ち込み手荷物で運び、もう一人が本体を預け入れ荷物で運ぶという方法により、リスクを分散できます。
航空会社別の対応の違い
日本の主要航空会社であるJALとANAは、国土交通省の基準に基づいた統一的なルールを適用していますが、細かな運用面では若干の違いがあります。両社とも、バッテリーが取り外せない充電式ヘアアイロンの持ち込みは一切認めていませんが、検査の厳格さや説明の詳しさに差がある場合があります。
LCCと呼ばれる格安航空会社では、大手航空会社と同様の基準を適用していますが、地上係員の知識レベルにばらつきがある場合があります。ピーチ・アビエーションやジェットスター・ジャパンなどでは、保安検査時により詳細な説明を求められることがあるため、製品仕様書の持参が特に重要です。
アメリカ系航空会社では、TSAの厳格な基準に従った検査が行われます。デルタ航空、ユナイテッド航空、アメリカン航空などでは、コードレスヘアアイロンの預け入れを一切認めておらず、機内持ち込みのみ可能としています。また、バッテリー容量についても160Wh以下という制限を厳格に適用しています。
ヨーロッパ系航空会社では、各国の航空当局の規定に従って対応が分かれています。ルフトハンザ航空やエールフランス航空では、基本的にはアメリカと同様の基準を採用していますが、一部の路線では独自の制限を設けている場合があります。
中東系航空会社のエミレーツ航空やカタール航空では、より厳格な検査が行われることがあります。特にドバイやドーハを経由する場合、トランジット時にも同様の検査が実施されるため、すべての区間で持ち込み可能な製品を選択する必要があります。
アジア系航空会社では、各国の事情により対応が大きく異なります。シンガポール航空やキャセイパシフィック航空では比較的柔軟な対応を取っていますが、中国系航空会社では特に厳格な検査が行われる傾向があります。
航空会社系統 | 主な特徴 | 注意点 |
---|---|---|
日系大手 | 統一的なルール適用 | 運用面で若干の差 |
LCC | 同様の基準だが係員の知識にばらつき | 製品仕様書の持参が重要 |
アメリカ系 | TSA基準の厳格適用 | 預け入れ一切不可 |
ヨーロッパ系 | 国により異なる規定 | 路線別の確認が必要 |
中東系 | より厳格な検査 | トランジット時も同様 |
アジア系 | 国により大きく異なる | 中国系は特に厳格 |
航空会社を選択する際は、単純な料金比較だけでなく、持ち込み規則の違いも考慮することが賢明です。特に高価な充電式ヘアアイロンを持参する場合、没収リスクの低い航空会社を選ぶことで、経済的損失を避けることができます。
充電式ヘアアイロンの飛行機持ち込みまとめ

充電式ヘアアイロンの飛行機持ち込みについて、これまで解説してきた内容を以下にまとめます:
- バッテリーが取り外せる製品のみ機内持ち込みと預け入れが可能
- バッテリーが取り外せない製品は機内持ち込みも預け入れも一切不可
- 取り外したバッテリーは必ず機内持ち込み手荷物として携行する
- リチウムイオン電池の容量制限は160Wh以下
- 100Wh以下なら個数制限なし、100Wh超160Wh以下は2個まで
- バッテリー端子の短絡防止措置(絶縁テープまたは専用ケース)が必須
- 国内線と国際線で基本ルールは同じだが細かな違いがある
- 航空会社によって検査の厳格さや運用面で差がある
- アメリカ系航空会社では預け入れが一切認められない
- フライトモード機能搭載製品は航空規則により適合しやすい
- USB給電式で本体にバッテリー非内蔵の製品は制限が緩い
- 海外使用時は100V~240V対応製品が推奨される
- 関西国際空港では1日20個以上のヘアアイロンが没収されている
- 事前の製品仕様確認と取り外し練習が重要
- 製品仕様書や購入証明書の持参により検査がスムーズになる