コンクリートを砕いたり削ったりするはつり作業に適したハンマードリルを探している方へ。本記事では、効率的なはつり作業を実現するハンマードリルの選び方ポイントや比較方法を詳しく解説します。「打撃のみ」モードの重要性から、先端工具の選び方、さらには建築業界で使われる最強モデルの性能比較まで、幅広くカバー。マキタの最新18Vモデルなどメーカー別の特徴も紹介し、あなたの作業内容に最適なハンマードリルが見つかるよう、使い方や機能の活用法までわかりやすくガイドします。高品質なはつり作業を実現するための情報が満載ですので、ぜひ最後までお読みください。
記事のポイント
- はつり作業に最適なハンマードリルの選び方と重要な性能指標
- 主要メーカー(マキタ、HiKOKI、ボッシュ等)の特徴と機種別の性能比較
- ハンマードリルではつり作業を効率的に行うための正しい使い方と注意点
- 作業内容に応じた先端工具(ビット)の種類と適切な選択方法
はつり作業に適したハンマードリルの基本と選び方

- はつり作業に適したハンマードリルとは
- はつり作業に適したハンマードリルの選び方ポイント
- はつり作業に適したハンマードリルの比較方法
- ハンマードリルではつり作業をする際の使い方
- ハンマードリルではつり機能だけを使う方法
はつり作業に適したハンマードリルとは
はつり作業に適したハンマードリルは「打撃」に特化した電動工具です。通常のハンマードリルでも軽いはつり作業は可能ですが、本格的なはつり作業を行うためには専用の機能を備えたモデルを選ぶことが重要となります。
はつり作業とは、コンクリートや石材などの硬い素材を砕いたり削ったりする作業のことを指します。建築現場やリフォーム工事などで頻繁に必要とされる基本的な作業の一つです。特に、壁や床のコンクリートを部分的に取り除く場合や、配管・配線のスペースを確保するための溝を作る際に欠かせません。
はつり作業に適したハンマードリルには、主に「打撃のみ」モードが搭載されています。このモードでは回転せずに打撃だけを加えることができるため、コンクリートを効率的に破砕することが可能です。通常のドリルモードやハンマードリルモード(回転+打撃)だけでなく、この「打撃のみ」モードが備わっているかどうかが、はつり作業に適したハンマードリルの大きな特徴となります。
一方で、はつりに特化した電動ハンマー(はつりハンマー)と比べると、ハンマードリルははつり作業と穴あけ作業の両方ができる兼用機という位置づけです。電動ハンマーは「硬いものを砕いて壊す」ことに特化した専用機で、高負荷作業にも耐えられる構造になっており、発熱にも強いという特徴があります。
ただし、軽度から中程度のはつり作業であれば、「打撃のみ」モードを搭載したハンマードリルでも十分対応可能です。また、穴あけ作業も必要な場合は、1台で両方の作業ができるハンマードリルの方が作業効率や経済性の面で優れていると言えます。
ハンマードリルではつり作業を行う際は、専用のはつりビット(ブルポイントやチゼルなど)を取り付けて使用します。これにより、コンクリートを効率よく破砕したり、タイルを剥がしたりすることができるのです。
はつり作業に適したハンマードリルの選び方ポイント
はつり作業に適したハンマードリルを選ぶ際のポイントは、まず「打撃力」です。打撃力が大きいほど効率的にはつり作業を行うことができます。打撃力は「J(ジュール)」という単位で表され、数値が大きいほど強力な打撃を与えられます。軽いはつり作業なら7J〜15Jクラスの中型ハンマードリル、本格的なはつり作業には16J以上のモデルが適しています。
次に重要なのは「シャンクの種類」です。シャンクとは工具の取り付け部分の形状のことで、SDSプラス、SDS-max、六角軸などがあります。これらには互換性がないため、お手持ちの先端工具と合うシャンクのハンマードリルを選ぶ必要があります。一般的に中・大型のはつり作業にはSDS-maxや六角軸のモデルが使われることが多いです。
また、「モード切替」も重要な選択ポイントです。はつり作業には「打撃のみ」モードが必須となりますが、穴あけ作業も行う場合は「回転+打撃」モードも搭載されているモデルを選びましょう。さらに木材や金属への穴あけにも対応したい場合は、「回転のみ」モードも備わったモデルがおすすめです。
「本体のサイズと重量」も選択の際に考慮すべき要素です。大型で重いモデルはパワーがある反面、長時間の使用や高所での作業時に負担がかかります。特に壁面のはつり作業では、軽量・コンパクトなモデルの方が扱いやすい場合があります。ただし、軽量モデルはパワーが劣る傾向にあるため、作業内容に合わせて選ぶことが重要です。
「電源方式」も選択肢の一つです。AC電源式と充電式があり、それぞれ特徴が異なります。AC電源式は安定した出力が得られますが、コードの制約があります。一方、充電式は機動性に優れていますが、バッテリーの持続時間や出力に制限があります。近年は40Vmaxなど高電圧のバッテリーを搭載した充電式モデルも登場し、AC機並みのパワーを発揮するものもあります。
最後に「振動対策」も見逃せないポイントです。はつり作業は強い振動を伴うため、長時間の作業では身体への負担が大きくなります。マキタのAVT技術やHiKOKIの低振動機構など、メーカー各社が振動を軽減する技術を搭載しているモデルを選ぶことで、作業時の疲労を軽減することができます。
はつり作業に適したハンマードリルの比較方法
はつり作業に適したハンマードリルを比較する際は、まず「打撃力」を確認しましょう。打撃力はジュール(J)という単位で表され、数値が大きいほど強力です。例えば、HiKOKIのH90SGは70J、マキタのHM1812は62Jという強力な打撃力を持っています。ただし、メーカーによって測定基準が異なる場合があるため、単純な数値比較だけでなく、実際の性能評価も参考にすることが大切です。
打撃数(1分間あたりの打撃回数)も重要な比較ポイントです。打撃数は「min-1」で表され、一般的に1,000〜3,000min-1の範囲にあります。打撃数が多いほど短時間で多くの打撃を与えられますが、硬い材料に対しては打撃力との組み合わせが重要となります。
実際の比較では、同クラスの機種同士を比べることが大切です。例えば、16J〜70Jの大型電動ハンマー、7J〜15Jの中型ハンマー、6J以下の電動ケレンというように、用途に合わせたクラス分けがされています。自分の作業内容に合ったクラスの中で比較することで、より適切な選択ができます。
また、電源方式による比較も重要です。AC電源式と充電式では、それぞれ特性が異なります。AC電源式は安定した出力が特徴ですが、コードの制約があります。充電式は機動性に優れていますが、連続使用時間やパワーの持続性が課題となることがあります。ただし、近年は40Vmax・80Vmaxなどの高電圧バッテリーを採用した充電式モデルも登場し、AC機に迫る性能を持つものもあります。
メーカーごとの特徴も比較ポイントです。マキタはAVT技術による低振動、HiKOKIはマルチボルトバッテリーによる高出力と軽量化、ボッシュはバイブレーションコントロールによる振動低減など、各メーカーが独自の技術を持っています。これらの特徴を自分の作業環境や好みに合わせて比較することも大切です。
価格面の比較も忘れてはいけません。一般的に、高性能なモデルほど価格は高くなりますが、単純な価格比較だけでなく、コストパフォーマンスや耐久性も考慮する必要があります。特に業務用として使用する場合は、初期投資が高くても長期的な使用に耐える高品質なモデルを選ぶことがおすすめです。
最後に、実際の使用感や口コミ評価も参考にしましょう。製品スペックだけでなく、実際に使用した人の意見を参考にすることで、カタログだけでは分からない使いやすさや耐久性などの情報を得ることができます。ただし、個人の使用環境や好みによって評価は異なるため、複数の情報源から総合的に判断することが重要です。
ハンマードリルではつり作業をする際の使い方
ハンマードリルではつり作業をする場合、まず適切な先端工具(はつりビット)を選ぶことが重要です。はつり作業には主に「ブルポイント」と呼ばれる尖った形状のビットや「コールドチゼル」と呼ばれる平らな刃先のビットを使用します。これらは作業内容によって使い分けるのが基本です。
はつり作業を始める前に、ハンマードリルのモード切替レバーを「打撃のみ」または「はつりモード」に設定します。一般的なハンマードリルには「回転+打撃」「回転のみ」「打撃のみ」の3つのモードがありますが、はつり作業では「打撃のみ」モードを選択します。このモードでは回転せずに打撃だけを加えるため、コンクリートを効率よく破砕できます。
実際の作業では、まずハンマードリルを両手でしっかり握り、安定した姿勢を取ります。片手で本体を、もう片手でサイドハンドルを握ることで、振動に対する抵抗力が高まり、作業精度も向上します。特に壁面でのはつり作業では、安定した姿勢が重要になってきます。
ビットを壁や床に対して垂直に当て、軽く押し付けながらスイッチを入れます。この時、強く押し付けすぎると打撃力が吸収されてしまい、効率が下がるので注意が必要です。適度な圧力を保ちつつ、ハンマードリルを少しずつ移動させながら作業を進めると良いでしょう。
大きな面積をはつる場合は、まず外周部に沿って溝を作り、その後内側を少しずつはつっていく方法が効率的です。また、深い箇所をはつる場合は、層を少しずつ削っていくように作業すると、作業負荷を分散できて効率的です。
作業中は定期的に休憩を取ることも大切です。ハンマードリルは振動が大きく、長時間の連続使用は身体への負担が大きいため、30分程度の作業ごとに小休憩を入れると良いでしょう。
また、はつり作業では多量の粉じんが発生するため、防じんマスクや保護メガネの着用が必須です。最近のモデルでは集じん機能を搭載したものもあり、これを利用すれば作業環境を清潔に保つことができます。
作業終了後は、ビットに付着したコンクリート粉などを清掃し、本体も軽く清掃しておくと、次回の作業がスムーズに行えます。特にビットの取り付け部分(シャンク)はしっかり清掃し、適宜グリスを塗布することで、工具の寿命を延ばすことができます。
ハンマードリルではつり機能だけを使う方法
ハンマードリルではつり機能だけを使用するには、まず本体のモード切替レバーを「打撃のみ」または「はつりモード」に設定します。このモードでは回転機能がオフになり、打撃機能のみが作動するため、純粋なはつり作業に適しています。機種によってはモード切替の方法が異なるため、取扱説明書を確認すると確実です。
はつり機能を最大限に活用するためには、適切な先端工具の選択も重要です。はつり作業に適した先端工具には主に以下のものがあります。
ブルポイント(尖ったタイプのビット)は、コンクリートの破砕や厚い壁の解体に最適です。集中的に力を加えることができるため、硬い素材を効率よく破砕することができます。
コールドチゼル(平らな刃先のビット)は、表面を削ったり、タイルを剥がしたりするのに適しています。面を均一に削る作業や精密な作業に向いています。
ワイドチゼル(幅広の刃先)は、広い面積を均一に削る場合に効果的です。床面の薄いコンクリート層を剥がす作業などに適しています。
また、パナソニック製品などの一部のハンマードリルでは、はつり専用のアタッチメントが用意されています。例えば、パナソニックのEZ1HD1、EZ7881、EZ7880、EZ6813などのモデルでは、はつりアタッチメント(EZ9HX402)を装着することで、回転動作が先端工具に伝わらなくなり、純粋なはつり作業が可能になります。
はつり機能だけを使用する際のコツとしては、作業対象に対して工具を垂直に当てることが重要です。また、強く押し付けすぎず、ハンマードリル自体の重量と適度な押し付け力で作業すると効率的です。強すぎる押し付けは打撃力を吸収してしまい、効率が下がるだけでなく、工具への負担も大きくなります。
特に注意が必要なのは連続使用時間です。ハンマードリルは本来穴あけとはつりの兼用機であるため、長時間連続してはつり作業を行うと、モーターのオーバーヒートを引き起こす可能性があります。このため、30分程度の作業ごとに休憩を取ることをおすすめします。
もし大規模なはつり作業や長時間の作業が予定されている場合は、ハンマードリルよりも「はつりハンマー」と呼ばれるはつり専用機の使用を検討することも一案です。はつりハンマーは打撃力が強く、連続使用にも耐える設計になっているため、大規模なはつり作業に適しています。
最後に、安全面での注意点として、はつり作業時には保護メガネ、防じんマスク、耳栓または防音イヤーマフ、作業手袋の着用が推奨されます。特に目の保護は非常に重要で、コンクリートの破片が飛散して目に入らないよう、必ず保護メガネを着用しましょう。
はつり作業に適したハンマードリルのおすすめ製品

- はつり作業に適したハンマードリルのおすすめメーカー
- はつり作業に適したマキタのハンマードリル
- マキタのハンマードリル18v最新モデル
- はつり作業に適したハンマードリルの先端工具選び
- 建築業界で使うはつり作業に適したハンマードリル
- 最強のハンマードリル性能比較
はつり作業に適したハンマードリルのおすすめメーカー
はつり作業に適したハンマードリルは、主に日本を代表する電動工具メーカーのマキタやHiKOKI(旧日立工機)、海外メーカーのボッシュやパナソニックなどから多様なラインナップが提供されています。これらのメーカーはそれぞれ独自の特徴を持ち、用途に応じた選択が可能です。
マキタは低振動技術「AVT」を搭載したモデルが豊富で、長時間の作業でも疲労を軽減できる点が大きな魅力です。特に防振二重構造や防振スプリングによる振動吸収機能は、はつり作業時の作業者への負担を大幅に軽減します。また、40Vmaxシリーズやバッテリー2個使用の80Vmaxシリーズなど、AC機並みのパワーを持つコードレスモデルも充実しています。
HiKOKIは、マルチボルトバッテリーシステムを採用した製品が特徴的です。このシステムにより、18Vクラスの軽さで36Vのパワーを発揮することができ、機動性とパワーを両立しています。また、高効率なブラシレスモーターを搭載した機種が多く、耐久性と作業効率の面で優れています。打撃力の大きい製品も豊富で、例えばH90SGは70Jという強力な打撃力を持っています。
ボッシュは、バイブレーションコントロール技術による低振動設計が特徴です。特にキックバック防止機構を搭載した機種が多く、安全面にも配慮されています。また、18Vと36Vのコードレスモデルのラインナップも充実しており、中でもGBH18V-36CはコンパクトながらSDS-maxシャンクを採用した強力なモデルです。
パナソニックは、デュアル対応(18Vと14.4V両対応)モデルが特徴的で、1台で異なる電圧のバッテリーを使い分けられる柔軟性があります。また、集じん機能を内蔵したモデルも充実しており、クリーンな作業環境を維持できる点が強みです。例えば、EZ1HD1はHEPAフィルターを搭載し、粒子捕集率99.97%以上を実現しています。
これらのメーカーに加えて、マックスやミルウォーキーなども高品質なハンマードリルを提供しています。マックスの25.2V充電式ブラシレスハンマードリルは、防じん防滴機能と強力な打撃力が特徴です。ミルウォーキーのMXF DH2528H-0G0 JPは充電式ながら62Jものハイパワーを発揮し、市場に新たな選択肢を提供しています。
メーカー選択の際は、使用目的や頻度、予算などを考慮することが重要です。専門的なはつり作業が多い場合は、打撃力の大きいHiKOKIやマキタの上位モデルがおすすめです。一方、DIYや軽作業が中心なら、扱いやすさを重視したパナソニックやボッシュの中小型モデルが適しています。また、長時間の連続作業を行う場合は、低振動設計のモデルを選ぶことで作業者の負担を軽減できます。
どのメーカーを選ぶにしても、アフターサービスや部品の入手のしやすさも重要な要素です。国内メーカーであるマキタやHiKOKIは、サービス網が充実しており、長期間の使用を前提とした場合に安心感があります。このように、作業内容や使用環境に合わせて最適なメーカーを選ぶことが、効率的なはつり作業につながります。
はつり作業に適したマキタのハンマードリル
マキタのハンマードリルは、はつり作業に適した様々な機能と特徴を備えています。特に注目すべきは「打撃のみ」モードを搭載したモデルで、これによりハンマードリルながら本格的なはつり作業が可能となります。
マキタのハンマードリルでは、モード切替レバーを「打撃のみ」または「はつりモード」に設定することで、回転せずに打撃だけが加わる状態になります。これにより、コンクリートの破砕やタイルの剥がしといったはつり作業を効率的に行うことができます。特にHR244DシリーズやHR282DPG2などの中型モデルは、適度な打撃力と取り回しの良さを兼ね備え、一般的なはつり作業に最適です。
マキタの最大の強みは、独自の低振動技術「AVT」を搭載している点です。AVTはActive Vibration Technologyの略で、アクティブ動吸振器と防振二重構造、防振スプリングによって振動を大幅に低減します。例えば、HR2631Fでは従来機種と比較して振動値が約46%低減されており、長時間のはつり作業でも疲労を軽減できます。
また、マキタのハンマードリルは、はつり作業に適した先端工具も豊富に取り揃えています。ブルポイント(先の尖ったタイプ)は破砕作業に、コールドチゼル(平らな刃先)は溝掘りや剥がし作業に、そしてスケーリングチゼル(複数の刃先)は表面処理に最適です。これらの先端工具はSDSプラスやSDS-maxなど、使用するハンマードリルの軸形状に合わせて選ぶ必要があります。
マキタのハンマードリルではつり作業を行う際のコツとしては、まず適切な打撃力のモデルを選ぶことが重要です。軽いはつり作業なら18mmクラスのHR171Dなどでも対応可能ですが、本格的なはつり作業には24mm以上のHR244Dや28mmのHR001Gなどがおすすめです。特に40Vmaxを搭載したHR001Gは、同クラスのAC機比で約30%の穴あけスピードアップを実現しており、はつり作業でも高い効率を発揮します。
作業時の姿勢も重要なポイントです。マキタのハンマードリルは、重心とハンドルの位置関係が最適化されており、特に上向き作業での負担が軽減されています。例えばHR001Gでは、軽量化と優れた製品バランスにより、製品の重心とハンドルが近く上向き作業も操作しやすい設計となっています。
さらに、マキタの多くのモデルにはAFT(Active Feedback sensing Technology)機能が搭載されています。これは、ビットロック時の本体振り回されを加速度センサーが感知してモーターを自動停止させる安全機能です。はつり作業時に鉄筋などに当たった際の反動から作業者を守り、安全性を高めています。
マキタのハンマードリルではつり作業を行う際の注意点としては、連続使用時間があります。ハンマードリルは兼用機のため、長時間連続してはつり作業を行うとオーバーヒートの可能性があります。特に大規模なはつり作業を行う場合は、専用のはつりハンマー(電気ハンマー)の使用も検討すべきでしょう。マキタのHM0830やHM1201などのはつりハンマーは、はつり作業に特化した設計となっています。
このように、マキタのハンマードリルは低振動性能や安全機能、最適な重量バランスなど、はつり作業を効率的かつ快適に行うための様々な特徴を備えています。作業内容や頻度に合わせて最適なモデルを選ぶことで、プロフェッショナルな作業が可能となります。
マキタのハンマードリル18V最新モデル
マキタのハンマードリル18Vシリーズは、近年さらに進化を遂げており、特に最新モデルは高い性能と利便性を兼ね備えています。これらのモデルは、従来の18V機と比較してパワーアップし、はつり作業においても高い効率性を発揮します。
代表的な最新モデルとして、HR171DRGXが挙げられます。この機種は17mmの穴あけ能力を持ち、全長273mm、質量2.1kgという小型・軽量設計が特徴です。パワフル・高耐久なブラシレスモーターを搭載し、従来の14.4V/18V機(HR164D/165D)と比較して約3倍の作業量を実現しています。また、防振ハウジングにより手元に伝わる振動を低減し、小型D型ハンドルによって重心が手元に近くなるため、腕への負担が軽減されます。
HR244DRGXも注目の最新モデルです。24mmの穴あけ能力を持ち、ブラシレスモーターの採用により、従来機より1回の充電あたりの作業量が約2.5倍まで向上しています。重心が手元に近いことで、先端が安定しやすく狙いやすいという優れた作業性・操作性を実現。さらに、突然の雨や粉じんにも対応する「APT」仕様となっており、過酷な現場環境でも安心して使用できます。
HR182Dシリーズは、自己集じん率95%以上という高い集じん能力が特徴です。捕集率の高いHEPAフィルタを採用し、粉じんをしっかり捕集。フィルタクリーニング機能により、ダイヤルを回すとフィルタからチリが落ち、集じん性能を維持できます。また、無線連動集じんに対応しており、対応の集じん機と合わせて使用すれば、ホース以外完全コードレス化が可能です。はつり作業時に発生する粉じんを効果的に抑制し、クリーンな作業環境を維持できる点が魅力です。
これらの最新モデルに共通する特徴として、ブラシレスモーターの採用が挙げられます。ブラシレスモーターは従来のブラシ付きモーターと比較して、高効率・高出力・高耐久性を実現し、1回の充電での作業量が大幅に向上しています。また、メンテナンスフリーである点も大きなメリットです。
さらに、防じん・防滴機能(APT仕様)も多くの最新モデルに搭載されています。これにより、粉じんの多い環境や急な雨に見舞われる屋外作業でも、工具の信頼性が維持されます。特にはつり作業では大量の粉じんが発生するため、この機能は工具の寿命を延ばす重要な要素となります。
モード切替機能も進化しており、多くのモデルが「回転+打撃」「回転のみ」「打撃のみ」の3モードを搭載しています。特に「打撃のみ」モードは、はつり作業に必須の機能です。HR182DやHR244Dなどの最新モデルでは、この切替が簡単に行えるよう設計されています。
バッテリー性能も大幅に向上しており、最新の18V-6.0Ahバッテリーを搭載したモデルでは、長時間の連続作業が可能になっています。また、互換性も確保されており、同じマキタの18Vシリーズの他の工具とバッテリーを共有できる利点もあります。
ただし、18Vシリーズにも限界はあります。大規模なはつり作業や非常に硬い素材に対しては、より高電圧の40Vmaxシリーズや、はつり専用機の使用も検討すべきでしょう。18Vシリーズは中小規模のはつり作業や、穴あけ作業とはつり作業を両方行う現場に最適です。
マキタの18V最新ハンマードリルは、進化したパワー、優れた操作性、充実した安全機能により、プロフェッショナルからDIYユーザーまで幅広いニーズに応える高性能ツールとなっています。用途に合わせて最適なモデルを選ぶことで、効率的かつ快適な作業が可能となる
はつり作業に適したハンマードリルの先端工具選び
はつり作業に適したハンマードリルの先端工具は、作業内容や対象物によって適切なものを選ぶことが重要です。主な先端工具(ビット)には、ブルポイント、コールドチゼル、ワイドチゼル、スケーリングチゼルなどがあり、それぞれ異なる用途に最適化されています。
ブルポイントは先端が尖った形状をしており、コンクリートの破砕や解体作業に適しています。集中的に力を加えることができるため、硬い素材を効率的に砕く作業に向いています。特に厚いコンクリートを破砕する場合や、最初に穴を開ける際に有効です。コンクリートの内部に鉄筋が入っている場合でも、効果的にはつることができます。
コールドチゼルは平らな刃先を持ち、溝掘りや角出し、はがし作業などに適しています。タイルの剥がしや、床面・壁面のコンクリートを均一に削る作業に向いており、比較的精密な作業が可能です。刃先の幅によって作業効率が変わるため、作業内容に合わせて適切な幅のものを選ぶと良いでしょう。
ワイドチゼルは、コールドチゼルよりも幅広の刃先を持ち、広い面積を一度に削る作業に適しています。床面のコンクリートを薄く削る場合や、タイル張りの下地処理などに効果的です。一度に広い面積を処理できるため、大規模な作業では作業効率が大幅に向上します。
スケーリングチゼルは複数の刃先を持ち、表面処理や仕上げ作業に向いています。コンクリート表面の粗削りや、古いモルタルの除去などに効果的です。表面の凹凸を均一にする作業や、美観を重視する仕上げ作業に適しています。
これらの先端工具を選ぶ際には、ハンマードリルのシャンク形状に合ったものを選ぶ必要があります。主なシャンク形状にはSDSプラス、SDS-max、六角軸などがあり、それぞれ互換性がないため注意が必要です。例えば、SDSプラスのハンマードリルには必ずSDSプラスのビットを使用する必要があります。
また、先端工具の品質も重要な要素です。安価な汎用品から高品質なプロ用まで様々な製品がありますが、はつり作業では大きな負荷がかかるため、可能な限り高品質なものを選ぶことが長期的にはコスト効率が良いでしょう。特に頻繁に使用する場合は、マキタやHiKOKIなどの信頼性の高いメーカーの純正品を選ぶことをおすすめします。
先端工具の長さも選択の重要なポイントです。狭い場所での作業や、深い箇所をはつる場合には長めのビットが必要になる場合があります。一方、天井面など上向きの作業では短めのビットの方が扱いやすいことが多いです。作業環境に合わせて適切な長さのビットを選びましょう。
メンテナンスの面でも、先端工具は定期的な手入れが必要です。使用後はコンクリート粉などを清掃し、必要に応じて研磨することで、切れ味と耐久性を維持できます。特に刃先が摩耗すると作業効率が大幅に低下するため、定期的な点検と交換が重要です。
実際の作業では、複数の先端工具を使い分けることで効率が上がることが多いです。例えば、まずブルポイントで破砕した後、コールドチゼルで形を整えるといった使い方です。作業内容に合わせて適切な先端工具を選び、効率的なはつり作業を行いましょう。
建築業界で使うはつり作業に適したハンマードリル
建築業界では、様々な場面ではつり作業が必要となり、その用途に適したハンマードリルが重要なツールとなっています。建築現場でのはつり作業は、配管や配線のための溝作り、床や壁の一部解体、タイルの剥がしなど多岐にわたります。
建設業界において、中規模の現場で重宝されるのは中型クラス(7J~15J)のハンマードリルです。例えば、HiKOKIのH45MEYは13.5Jの打撃力を持ち、低振動設計により作業者の負担を軽減します。また、マキタのHM1201は14.2Jの打撃力を持ち、配管工事などの際の壁はつりに適しています。これらの機種は持ち運びもしやすく、一日中使用しても疲労が少ないのが特徴です。
大規模な建築現場や解体工事では、より強力な大型クラス(16J~70J)のハンマードリルが活躍します。HiKOKIのH90SGは70Jという強力な打撃力を持ち、厚いコンクリート壁のはつりや床の解体作業に威力を発揮します。マキタのHM1812も62Jの打撃力を持ち、200V電源にも対応しているため、大規模な現場での長時間使用にも耐えうる設計となっています。
近年の建築業界では、労働環境の改善や作業効率の向上が課題となっており、低振動技術を搭載したモデルの需要が高まっています。マキタのAVT技術やHiKOKIの動吸振器などを搭載したモデルは、振動による作業者の疲労を大幅に軽減し、一日の作業量を増やすことができます。
また、粉じん対策も重要な要素です。近年の建築現場では作業環境の改善が求められており、集じん機能を内蔵したハンマードリルや、集じん機と連動するモデルが注目されています。マキタのHR182DやパナソニックのEZ1HD1などは高性能なHEPAフィルターを搭載し、作業中の粉じんを効果的に捕集します。
さらに、建築業界では工期短縮のプレッシャーも大きく、作業効率の高いモデルが求められています。従来は電源が取れない場所ではつり作業を行う際には発電機が必要でしたが、マキタの40Vmaxシリーズやマルチボルトバッテリーを採用したHiKOKIのモデルなど、高性能なコードレスタイプの登場により、機動力が大幅に向上しています。
ただし、充電式モデルにも限界があります。例えば、マキタの40V/80Vmaxモデルでも、フル充電で15分前後しか使用できないため、長時間の連続作業には電源式モデルの方が適していることが多いです。建築現場の状況に応じて、電源式と充電式を使い分けることが効率的です。
建築業界特有の要件として、耐久性も重要な要素です。日々の過酷な使用に耐えうる堅牢な構造や、防塵防水機能を持ったモデルが好まれます。例えば、マキタのHR001GやHR005Gは本体だけでなくバッテリーも防じん・防水保護等級「IP56」に対応しており、屋外の建築現場でも安心して使用できます。
安全性の面でも、建築業界では重要視されています。ビットロック時に自動的にモーターを停止させるマキタのAFT機能やHiKOKIのRFC機能などは、作業者の安全を確保するために有効です。特に高所作業や足場の不安定な場所での作業では、こうした安全機能が事故防止に貢献します。
このように、建築業界ではつり作業に適したハンマードリルを選ぶ際には、打撃力や振動対策、粉じん対策、機動性、耐久性、安全性など様々な要素を総合的に判断することが重要です。現場の規模や作業内容に応じて最適なモデルを選ぶことで、作業効率の向上と労働環境の改善につながります。
「最強」のハンマードリル性能比較
ハンマードリルの性能を比較する際、「最強」と呼べるモデルは主に打撃力、穴あけスピード、耐久性などの要素から評価されます。ここでは、現在市場で最高クラスの性能を持つハンマードリルを比較してみましょう。
打撃力の観点から見ると、最強クラスのモデルは電動タイプの大型ハンマードリルです。HiKOKIのH90SGは打撃エネルギー70Jという圧倒的なパワーを持ち、現在市販されているハンマードリルの中でトップクラスの打撃力を誇ります。次いでマキタのHM1812が62Jで2位、ミルウォーキーのMXF DH2528H-0G0 JPも62J(EPTA基準)の打撃力を持っています。これらの超強力モデルは特に厚いコンクリートの破砕や、大規模な解体作業に適しています。
充電式モデルに限ると、マキタの40Vmax HR005GRMXが40mmのコンクリートに対応する強力なパワーを持ち、AC機同等の性能を発揮します。また、マキタの80Vmax(40V+40V)HR006GZKはさらに上をいく52mmの穴あけ能力を持ち、AC100V機のHR5212Cと比較して、穴あけ能率約27%、ハツリ能率約20%アップという驚異的な性能を誇ります。
HiKOKIのマルチボルトシリーズもパワフルで、DH36DMAは40mmクラスのAC100V機並みの穿孔速度とハツリ性能を実現しています。このように、最新の高電圧バッテリー技術の進化により、充電式モデルでもAC電源式に匹敵する、あるいは凌駕する性能を発揮するモデルが登場しています。
振動対策の面では、マキタのAVT技術搭載モデルが優れています。特にHR006GZKなどの最新モデルは、防振二重構造・アクティブ動吸振器・防振スプリングとソフトノーロード機能を組み合わせることで、圧倒的な低振動性能を実現しています。これにより、パワフルな打撃力を持ちながらも作業者の疲労を大幅に軽減しています。
HiKOKIも独自の低振動技術を持ち、例えばH90SGHやH65SB3などの低振動モデルは、強力な打撃力と低振動を両立させています。ボッシュのGSH11VCもバイブレーションコントロール機能により、長時間の作業でも疲れにくい設計となっています。
耐久性の面では、ブラシレスモーターを採用したモデルが優位です。例えばHiKOKIのDH40MEYやDH52MEYは、ブラシレスモーターの採用により過酷な環境でのトラブルを大幅に軽減し、製品寿命を延ばしています。マキタの最新モデルも多くがブラシレスモーターを採用しており、メンテナンスフリーで長寿命という特徴を持っています。
使いやすさという観点では、重量やバランスも重要です。例えば、マキタのHR001Gは3.7kgという軽量さながら28mmの穴あけ能力を持ち、軽量化と優れた製品バランスにより操作性が高いという特徴があります。HiKOKIのDH36DPAも3.9kgと軽量で、マルチボルト蓄電池の採用により従来機と比較して大幅なサイズダウンを実現しています。
安全機能の面では、マキタのAFT機能やHiKOKIのRFC機能、ボッシュのキックバック防止機構などが搭載されたモデルが優れています。これらの機能はビットロック時の振り回しを防止し、作業者を保護します。また、防じん・防水性能(IP56など)を持つモデルも、過酷な現場での信頼性が高いと言えます。
価格面では、最強クラスのモデルは当然ながら高価です。例えばミルウォーキーのMXF DH2528H-0G0 JPは41万円を超える高価格ですが、充電式ながら62Jのハイパワーという他に類を見ない性能を持っています。用途や予算に応じて最適なモデルを選ぶことが重要です。
このように、「最強」のハンマードリルは一概に決められるものではなく、打撃力、穴あけスピード、振動対策、耐久性、使いやすさ、安全機能など多角的な観点から評価する必要があります。作業内容や環境に応じて、これらの要素のバランスが取れたモデルを選ぶことが、効率的な作業につながります。
はつり作業に適したハンマードリルの総括ポイント

- はつり作業に適したハンマードリルは「打撃のみ」モードが必須である
- 打撃力が大きいほど効率的なはつり作業が可能となる
- シャンク形状はSDS-maxや六角軸が中・大型はつり作業に適している
- 軽いはつり作業には7J〜15Jの中型ハンマードリルが最適である
- 本格的なはつり作業には16J以上の大型モデルが必要である
- マキタのAVT技術は低振動ではつり作業の疲労を軽減する
- HiKOKIのマルチボルトは18V軽量モデルで36Vのパワーを発揮する
- 充電式は機動性に優れるが連続使用時間に制限がある
- AC電源式は安定した出力が得られるがコードの制約がある
- 先端工具はブルポイント・コールドチゼル・ワイドチゼルで用途が異なる
- 建築現場では粉じん対策として集じん機能付きモデルが重宝される
- 40Vmax/80Vmaxモデルは充電式ながらAC機並みのパワーを持つ
- 最強クラスはHiKOKI H90SG(70J)、マキタHM1812(62J)である
- ブラシレスモーター搭載モデルは高効率・高耐久・メンテナンスフリーである
- 作業内容や頻度に合わせた最適なモデル選択が効率的な作業につながる