マキタの電動工具は高い性能と信頼性で多くのプロや趣味のDIY愛好家に愛用されていますが、バッテリーの充電トラブルに悩まされることがあります。ある日突然、充電器に接続しても赤や青のランプが左右に点滅して「ピーピーピー」と警告音が鳴り、充電ができなくなってしまった経験はありませんか?
本記事では、マキタバッテリーが充電できない原因から、充電不可の点滅パターンの解読方法、さらには基盤リセットの手順まで詳しく解説します。リチウムイオン電池の過放電状態からの復活方法や、バッテリー故障の主な原因についても触れ、寿命確認の方法や修理の費用相場についても調査しました。
自分でバッテリーを修理する際の安全性と注意点も忘れずに解説し、充電不可トラブルの具体的な直し方から長持ちさせるための対策まで網羅的にご紹介します。高価なマキタバッテリーの買い替えを避け、可能な限り復活させる方法を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
記事のポイント
- マキタバッテリーが充電できなくなる主な原因と充電器の点滅パターンが示す意味
- 1日中充電し続ける方法や接点復活スプレーの使用など、自分でできる復活方法
- バッテリーを長持ちさせるための適切な充電習慣と保管方法
- リサイクルバッテリーの利用や専門業者への修理依頼のメリットとコスト相場
マキタバッテリー復活方法:3つのテクニック

- マキタバッテリー|充電できない原因
- マキタバッテリー|充電不可の点滅パターンを解読
- マキタバッテリー|左右点滅からの復活術
- マキタバッテリー|基盤リセットの手順
- リチウムイオン電池過放電からの復活方法
マキタバッテリー|充電できない原因
マキタバッテリーが充電できない主な原因は、過放電状態の長期化、セルアンバランス、経年劣化、そして衝撃による物理的損傷です。バッテリーの状態を早期に適切に診断することで、修理や復活の可能性が高まります。
過放電とは、バッテリーが完全に放電された状態を長期間放置することで発生します。このような状態が続くと、バッテリー本体を正常に稼働させるために必要な電圧を下回り、充電ができなくなります。例えば、電源が入ったままの状態で長時間放置した場合や、電池残量が少ない状態で保管してしまった場合に起こりやすいのです。
また、セルアンバランス状態も充電不可の原因となります。これはバッテリー内部の電圧バランスが崩れている状態を指します。リチウムイオン電池は充電するたびに少しずつバッテリーの劣化が進行し、内部セルの電圧にばらつきが生じることがあります。このバランスの崩れをバッテリーの保護回路が検知すると、過放電や過充電を防ぐためにバッテリーが一時的に停止し、充電ができなくなるのです。
さらに、バッテリー本体の経年劣化も見逃せません。一般的なリチウムイオン電池は、充電と放電を約500回繰り返すと機能面に支障が出始めるとされています。長期間使用しているバッテリーが急に充電できなくなった場合は、この経年劣化が原因かもしれません。
最後に、工具や掃除機などの使用中に落下させたり、強い衝撃を与えたりした場合も、バッテリーが物理的に損傷して充電できなくなることがあります。特に、バッテリーの接点部分や内部基板が損傷すると復旧が困難になります。
このように、マキタバッテリーが充電できなくなる原因はいくつか考えられますが、適切な対処法を知っておくことで、バッテリーの寿命を延ばしたり、状況によっては復活させたりすることができるかもしれません。
マキタバッテリー|充電不可の点滅パターンを解読
マキタの充電器に表示される点滅パターンは、バッテリーの状態を示す重要なサインです。赤と青の交互点滅や左右の点滅など、それぞれのパターンが示す意味を理解することで、バッテリーの問題を適切に診断できます。
充電器にバッテリーを接続したときに「ピーピーピー」という警告音とともに赤と青のランプが交互に点滅する場合、これは「充電不可」の状態を示しています。マキタの取扱説明書によると、この状態はバッテリーの寿命が尽きているか、ゴミが詰まっていることを意味します。まずは、バッテリーと充電器の接点部分にほこりや汚れがついていないか確認し、エアダスターなどで清掃してみましょう。
一方、充電器の緑と赤が同時に点滅するパターンも「充電できません」という表示です。この状態も基本的にはバッテリーの寿命や故障を示唆しています。多くの場合、バッテリー内部の過放電やセルアンバランスが原因となっています。
また、充電を始めて数分後に充電不可の点滅表示に変わる場合は、バッテリー内部のセルの一部が充電を受け付けなくなっている可能性があります。リチウムイオン電池はセルごとに充電状態が異なり、一部のセルが著しく劣化していると、他のセルが充電できても全体としては充電不可と判断されてしまいます。
充電器の表示が正常に点灯しても、バッテリー側の残量表示ランプが点滅または点灯しない場合は、バッテリー内部の基板に問題がある可能性があります。特に互換バッテリーを使用している場合、純正品に比べて基板の品質が劣ることがあるため、このような症状が現れることがあります。
これらの点滅パターンを正確に解読することで、バッテリーの状態を把握し、適切な対処法を選ぶことができます。単なる接点の汚れであれば清掃で解決できますが、内部セルや基板の故障であれば、後述する復活方法を試すか、最終的には新しいバッテリーの購入を検討する必要があるでしょう。
マキタバッテリー|左右点滅からの復活術
マキタバッテリーの充電器で左右の点滅(赤と青の交互点滅)が発生した場合、いくつかの復活方法を試すことができます。全ての方法が必ず成功するわけではありませんが、新品購入前に試す価値はあります。
最も簡単に試せる方法は、バッテリーを1日中充電し続けることです。バッテリーの残量表示が少なくなる前に「継ぎ足し充電」を繰り返していると、実際には十分な電力が残っているにもかかわらず、バッテリーが電池残量不足と誤認識してしまうことがあります。1日中充電を続けることで、この誤認識が解消され、正常に充電できるようになる可能性があります。充電完了後もすぐに電源プラグを抜かず、しっかりと満充電の状態になるまでしばらく充電を続けることがポイントです。
また、バッテリーと充電器の接点部分に接点復活スプレーを使用する方法も効果的です。時間が経つと接点部分に酸化物や汚れが付着し、電気の流れが悪くなることがあります。接点復活スプレーを接触部分に吹きかけ、ティッシュなどで余分な液体を拭き取ってから再度充電を試みると、接触不良が改善されることがあります。
前述の方法で復活しない場合は、リサイクルバッテリーの利用も検討できます。リサイクルバッテリーとは、消耗したバッテリーパックの中身(セル)を新品に交換して再生したものです。通常、バッテリー本体を業者に送付し、中身を交換してもらうサービスを利用します。新品のバッテリーを購入するよりも安価に済み、環境にも優しい選択肢といえるでしょう。
さらに、互換バッテリーを購入する方法もあります。純正のマキタバッテリーは高価ですが、互換品は比較的安価で入手できます。ただし、互換品は品質にばらつきがあり、安全性や寿命が純正品に劣る場合があるため、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。
いずれの方法も、バッテリーの状態や故障の原因によって効果が異なります。完全に寿命を迎えたバッテリーを復活させることは難しいですが、少なくともこれらの方法を試してみることで、新しいバッテリーの購入を一時的に回避できる可能性があります。
マキタバッテリー|基盤リセットの手順
マキタバッテリーの基板リセット(リセット)は、充電不可の状態から復活させる可能性のある手法です。この方法は全てのバッテリーで効果があるわけではありませんが、基板の誤作動が原因の場合に有効です。
まず基板リセットを行う前に、バッテリーと充電器の接点部分をきれいに清掃しておきましょう。時間が経つと接点部分に酸化物や汚れが付着することがあります。エアダスターや乾いた布で丁寧に拭き取ってください。
基板リセットの基本的な手順は以下の通りです。バッテリーをマキタの充電器に装着し、充電不可のエラー表示が出ても、そのまま10秒ほど待ちます。次に、バッテリーを取り外し、再度装着する操作を3回ほど繰り返します。この操作により、基板の保護回路がリセットされることがあります。
もう一つの方法として、バッテリーを充電器に接続した状態で、充電器の電源プラグを抜き差しする方法もあります。電源プラグを抜いた状態で10秒ほど待ってから再度差し込み、このサイクルを2〜3回繰り返すことで、基板がリセットされる場合があります。
また、バッテリーを完全に放電させてからリセットを試みる方法もあります。バッテリーを電動工具に装着し、モーターが完全に停止するまで動かし続け、その後24時間放置します。これにより内部回路が完全にリセットされることがあり、その後で充電を試みると復活する可能性があります。
ただし、これらの方法を試しても復活しない場合は、基板そのものが故障している可能性が高いです。特に互換バッテリーを使用している場合、基板の品質が純正品より劣ることがあり、短期間で故障することがあります。
基板が故障している場合、自分で基板を交換することも技術的には可能ですが、専門知識と工具が必要であり、安全上のリスクもあるため、一般的にはお勧めできません。リチウムイオン電池は取り扱いを誤ると発火や爆発の危険があるからです。
このように、マキタバッテリーの基板リセットはいくつかの方法がありますが、どの方法も必ず成功するというわけではありません。安全を最優先に考え、専門知識がない場合は無理に分解などを行わず、最終的には新しいバッテリーの購入を検討することも重要です。
リチウムイオン電池過放電からの復活方法
リチウムイオン電池の過放電状態からの復活は可能な場合がありますが、方法によっては危険を伴うことがあるため注意が必要です。まず過放電とは、バッテリーの電圧が安全動作範囲を下回った状態を指し、一般的には長期間使わずに放置したり、電源が入ったままで長時間放置したりすることで発生します。
過放電状態のリチウムイオン電池を復活させる最も安全な方法は、専用の充電器による低電流充電です。通常、リチウムイオン電池の充電器には過放電保護機能が組み込まれており、バッテリー電圧が一定値以下になると充電を拒否します。しかし、一部の充電器には「リカバリーモード」や「トリクル充電」機能があり、これらを使うと過放電状態からでも充電を行うことができる場合があります。
例えばマキタの場合、充電器に過放電状態のバッテリーを接続し、1日ほど継続して充電することで復活する可能性があります。充電器が「充電不可」のエラーを表示しても、そのまま接続状態を維持することで、微弱な電流が流れ、バッテリーが徐々に復活することがあるのです。
別の方法として、健全な同型バッテリーを使った「ジャンプスタート」法があります。これは正常なバッテリーと過放電バッテリーのプラス端子同士、マイナス端子同士を短時間(数秒程度)接続し、最低限の電圧を与える方法です。ただし、この方法は非常に危険性が高く、発火や爆発のリスクがあるため、専門知識がない方には絶対にお勧めできません。
また、自動車用バッテリー充電器を使用する方法も一部で紹介されていますが、これも同様に危険です。リチウムイオン電池は電圧や充電電流の管理が非常にシビアで、適切な管理なしに充電を行うと、発熱、発火、爆発のリスクがあります。
一方、過放電状態のバッテリーを復活させても、内部のセルにはすでにダメージが蓄積されている可能性が高いです。復活しても容量や出力が大幅に低下していたり、使用可能時間が短くなったりすることがあります。また、安全性も低下している可能性があるため、復活後も異常な発熱や膨張がないか注意深く観察する必要があります。
過放電状態からの復活は必ずしも成功するとは限らず、また成功したとしても元の性能を取り戻せるわけではありません。安全を最優先に考え、専門知識がない場合は無理に復活を試みず、新しいバッテリーの購入を検討することも賢明な選択です。予防策として、使用しないバッテリーは30〜50%程度充電した状態で保管し、数ヶ月に一度は充電状態を確認するようにしましょう。再試行
マキタバッテリー復活方法と長持ち対策

- マキタバッテリー|故障の主な原因
- マキタバッテリー|寿命確認の方法
- マキタバッテリー|修理の費用相場
- マキタバッテリー|修理の安全性と注意点
- マキタバッテリー|長持ちのための対策
マキタバッテリー|故障の主な原因
マキタバッテリーの故障には主に5つの原因があります。過放電、過充電、セルアンバランス、物理的損傷、そして経年劣化です。これらの原因を理解することで、バッテリーの寿命を延ばすための対策を取ることができます。
過放電はバッテリーが完全に放電された状態が長く続くことで発生します。例えば、電源が入ったままで工具を長時間放置したり、バッテリー残量がゼロの状態で保管したりすると起こりやすくなります。マキタのインパクトドライバーなどでトリガーを引いた状態で放置すると、たとえバッテリー残量が空になっても微量の電流が流れ続け、過放電状態に陥ることがあるのです。
過充電も同様にバッテリーにダメージを与えます。リチウムイオン電池は100%まで充電すると自動的に給電がストップする仕様になっていますが、充電満タン状態で再度充電をしようとしたり、高温環境で充電したりすると過充電になりやすく、バッテリーの劣化を早めてしまいます。
また、セルアンバランスという状態も故障の原因となります。これはバッテリー内部の複数のセル間で電圧バランスが崩れた状態を指します。マキタの互換バッテリーなどでは、各セル間の電圧バランスを管理する回路が十分でない場合があり、使用するほどにセルアンバランスが進行してしまうことがあります。
物理的損傷も見逃せない原因です。工具の使用中に落下させたり、強い衝撃を与えたりすることで、バッテリー内部のセルや基板が損傷することがあります。特に現場での使用では、落下や衝撃が避けられないことも多いでしょう。また水濡れもバッテリーの大敵です。内部に水分が入り込むとトラッキング現象が発生し、発火の原因となることがあります。
最後に経年劣化も避けられない原因の一つです。マキタバッテリーに使われているリチウムイオン電池は、充電と放電を繰り返すごとに徐々に劣化します。一般的に充電回数は300〜800回程度で、500回を超えるとバッテリー容量が当初の50%程度まで低下するとされています。
これらの原因を理解し、適切な使用方法と保管方法を実践することで、マキタバッテリーの寿命を延ばし、故障のリスクを低減させることができます。特に高温環境での使用・保管を避け、適切な充電習慣を身につけることが重要です。
マキタバッテリー|寿命確認の方法
マキタバッテリーの寿命を確認する方法はいくつかありますが、最も簡単なのは使用時間と充電回数をチェックすることです。リチウムイオンバッテリーの寿命は一般的に約500回の充電サイクルが目安とされており、この回数に達すると本来の性能を発揮できなくなることが多いです。
まず、バッテリーの使用時間をチェックしましょう。フル充電したバッテリーで、以前と比べて明らかに使用可能時間が短くなっている場合は、寿命が近づいている可能性があります。例えば、新品時には30分以上使えていたのに、最近では10分程度しか使えないといった状況です。このような場合、バッテリー容量が当初の50〜60%程度まで低下していると考えられます。
また、充電の様子も重要な手がかりになります。正常なバッテリーであれば、充電開始から完了まで一定のパターンで充電器のランプが点灯・点滅します。しかし、充電を始めてすぐに充電完了のランプが点灯する、あるいは逆に異常に長時間充電が続くといった場合は、バッテリーの状態に問題がある可能性が高いです。
さらに、バッテリー本体の状態も確認しましょう。バッテリーケースの膨らみや変形、異常な発熱、異臭などがある場合は、内部のセルに重大な問題が発生している可能性があります。特に膨らみがあるバッテリーは安全上のリスクがあるため、直ちに使用を中止すべきです。
テスターを使った電圧測定も効果的な方法です。マキタの18Vバッテリーの場合、フル充電時の電圧は約20V程度あるはずです。しかし、フル充電しても18V以下しか出ない場合は、バッテリーの容量低下が進んでいると判断できます。ただし、この方法は一定の電気知識と測定器が必要になります。
最後に、マキタバッテリーに搭載されている残量表示機能を活用する方法もあります。バッテリー上部にある残量表示ボタンを押すと、LEDランプで残量が表示されます。フル充電したはずなのにLEDが全て点灯しない、あるいは点灯してもすぐに消えてしまう場合は、バッテリーの劣化が進んでいると考えられます。
これらの方法を組み合わせることで、マキタバッテリーの寿命状況をより正確に把握できます。寿命が近づいていると判断した場合は、安全のためにも新しいバッテリーへの交換を検討しましょう。ただし、一部の症状は単なる接触不良などが原因の場合もあるため、まずは接点の清掃などの簡単なメンテナンスを試してみることをお勧めします。
マキタバッテリー|修理の費用相場
マキタバッテリーの修理費用は、修理方法や依頼先によって大きく異なります。一般的には、純正バッテリーの新品購入よりは安価に済むことが多いですが、修理内容や保証の有無によっては新品に近い費用がかかることもあります。
専門業者によるリサイクルバッテリー(再生バッテリー)の費用相場は、18Vの一般的なモデルで約8,000円前後です。これは内部のバッテリーセルを新品に交換する作業が主となります。ただし、バッテリーの型番や容量(Ah)によって費用は変動します。例えば、高容量の5.0Ahモデルや最新の40Vmaxシリーズでは、より高額になる傾向があります。
また、バッテリーの状態によっても修理費用は変わります。単にセルの一部が劣化している場合は比較的安価に修理できますが、基板にも損傷がある場合は追加費用が発生することがあります。一般的に、バッテリーの劣化が極端に進んでいる場合や、強い衝撃で物理的に損傷している場合は、修理費用が高くなりやすいです。
自分でバッテリーを修理する場合の材料費は、使用するセルの品質にもよりますが、18650型セルが10本程度必要で、1本あたり500〜1,000円程度、合計で5,000〜10,000円ほどになります。ただし、これには専用工具や技術的なスキルが必要であり、素人が行うと発火や爆発などのリスクがあることを忘れてはいけません。
一方、新品のマキタ純正バッテリーの価格は、18V/3.0Ahモデルで約15,000円、5.0Ahモデルで約20,000円程度です。互換バッテリーであれば、同等の容量で5,000〜10,000円程度で購入できます。このため、修理費用が10,000円を超える場合は、新しい互換バッテリーの購入を検討した方が経済的な場合もあります。
修理を依頼する際は、いくつかの業者から見積もりを取り、保証期間や修理後のサポート内容もしっかり確認することが重要です。多くのリサイクルバッテリー業者では、3ヶ月〜1年程度の保証期間を設けています。また、修理不可能と判断された場合の返送料やキャンセル料についても事前に確認しておくと安心です。
マキタ純正バッテリーのメーカー修理については、実は選択肢として存在しません。マキタでは基本的にバッテリーの修理サービスを提供しておらず、故障した場合は新品購入を推奨しています。このため、修理を希望する場合は、サードパーティの専門業者に依頼するか、ある程度の知識と技術がある方は自己責任での修理を検討することになります。
マキタバッテリー|修理の安全性と注意点
マキタバッテリーの修理は、専門知識がない場合、非常に危険を伴う作業です。リチウムイオン電池は不適切な取り扱いによって発火や爆発のリスクがあるため、修理を検討する際には安全性を最優先に考える必要があります。
まず、バッテリーの分解自体が危険な作業です。マキタバッテリーは一般的にトルクスビス(T10サイズ)で固定されていますが、単に分解するだけでなく、内部には高電圧が流れる部分があります。金属製の工具で誤って端子間をショートさせると、スパークが発生し発火する可能性があります。実際に分解中に端子がショートしてスパークが発生したという報告も数多くあります。
また、バッテリーセルの取り外しも危険を伴います。通常、セルはスポット溶接で接続されているため、無理に外そうとすると損傷やショートの危険があります。さらに、バッテリーセルには可燃性の電解液が含まれており、セルを損傷させると液漏れや発火の原因となります。特に過放電状態のセルは、再充電しようとすると異常発熱や膨張を起こす危険性が高まります。
自分でバッテリーを修理する場合は、必ず以下の注意点を守るべきです。まず、作業前にバッテリーを完全に放電させておくこと。次に、絶縁手袋や保護メガネなどの安全装備を着用すること。そして、金属製の道具による作業は極力避け、端子部分にはテープなどで絶縁処理を施すことが重要です。
さらに、交換用のセルを選ぶ際も注意が必要です。品質の低いセルを使用すると、容量不足だけでなく安全性も低下します。特に格安の互換セルの中には、表示容量が実際よりも誇張されているケースもあります。品質が保証されたメーカー製のセルを選ぶことが安全のためには重要です。
セルの接続方法もリスクを伴います。一般家庭ではスポット溶接機を持っていないことが多いため、はんだ付けで代用するケースがありますが、はんだ付けの熱でセルを傷める可能性があります。また、接続の強度が不足すると使用中に断線や接触不良を起こす恐れがあります。
これらのリスクを考慮すると、専門知識や適切な設備がない場合は、自分でのバッテリー修理は避け、専門業者に依頼するか、新しいバッテリーを購入する方が賢明です。特に日常的に使用する工具のバッテリーであれば、安全性を最優先に考えるべきでしょう。修理費用を節約するために安全をおろそかにすることは、長い目で見れば大きなリスクとなり得ます。
もし専門業者に修理を依頼する場合も、信頼できる業者を選ぶことが重要です。実績や口コミ、保証内容などをしっかり確認し、適切な技術と設備を持った業者に依頼しましょう。アフターサポートが充実している業者であれば、万が一の不具合にも対応してもらえる安心感があります。
マキタバッテリー|長持ちのための対策
マキタバッテリーを長持ちさせるためには、日常的な使用方法と保管方法に注意を払うことが重要です。適切なケアを行うことで、バッテリーの寿命を最大限に延ばし、コストパフォーマンスを向上させることができます。
まず、バッテリーの充電習慣を見直しましょう。マキタバッテリーを含むリチウムイオン電池は、満充電と完全放電を繰り返すと寿命が短くなります。理想的には、バッテリー残量が20〜30%程度になったところで充電を開始し、80%程度で充電を終了させるのがベストです。マキタの充電器には「実用充電」モードがあるモデルもあり、これを活用すると過充電を防げます。
また、頻繁な継ぎ足し充電も避けるべきです。バッテリーにはメモリー効果はありませんが、充電回数自体がバッテリー寿命に影響します。使用後すぐに充電するのではなく、ある程度使用してから充電するようにすれば、充電サイクル数を減らすことができます。
温度管理も非常に重要です。リチウムイオン電池は高温下での使用・保管に弱く、30℃を超える環境では劣化が加速します。特に直射日光の当たる場所や、夏場の車内など高温になりやすい場所での保管は避けましょう。逆に極端な低温環境も避けるべきで、マキタバッテリーの推奨使用温度範囲は10〜40℃です。
水濡れにも十分注意が必要です。バッテリー内部に水分が入り込むと、トラッキング現象により発火の危険性があります。雨の日の屋外作業や、水辺での作業時には特に注意し、バッテリーが濡れた場合はすぐに乾かしてから使用しましょう。
物理的な衝撃からもバッテリーを守ることが大切です。落下や強い振動はバッテリー内部のセルや基板を損傷させる原因となります。工具を使用する際は、バッテリーが安全に固定されているか確認し、使用後は専用ケースや安全な場所に保管しましょう。
さらに、バッテリーの負荷にも注意が必要です。マキタ製品の中でも丸ノコなど高負荷がかかる工具では、バッテリーにかなりの負担がかかります。可能であれば、高負荷の作業は有線式の工具を使用し、バッテリー式は軽作業に使い分けることで、バッテリーの寿命を延ばすことができます。
長期間使用しない場合の保管方法も重要です。バッテリーを長期間放置する場合は、30〜50%程度充電した状態で、涼しく乾燥した場所に保管するのが理想的です。完全放電状態や満充電状態での長期保管は、バッテリーの劣化を早めてしまいます。また、3ヶ月に一度程度は充電状態を確認し、必要に応じて充電することをお勧めします。
これらの対策を日常的に実践することで、マキタバッテリーの寿命を大幅に延ばすことができます。バッテリーは消耗品ですが、適切なケアと使用方法を心がければ、期待寿命を超えて長く使用することも可能です。初期投資はかかりますが、長期的に見れば経済的にも環境的にもメリットがあることを忘れないでください。
マキタバッテリー復活方法まとめ:試す価値アリな対策法

- 1日中バッテリーを充電し続けると誤認識が解消される可能性がある
- 接点復活スプレーを接触部分に吹きかけ接触不良を改善する
- バッテリーと充電器の接点部分の汚れをエアダスターで清掃する
- 充電器からバッテリーを抜き差しする操作を繰り返し保護回路をリセットする
- バッテリーを完全放電させてから24時間放置後に充電を試みる
- 充電器の電源プラグを抜き差しして基板をリセットする
- 過放電状態から専用充電器による低電流充電で復活を試みる
- リサイクルバッテリー(再生バッテリー)サービスを利用する
- 信頼できるメーカーの互換バッテリーを購入する
- 10℃~40℃の適切な温度環境で使用・保管する
- バッテリー残量を20~80%の範囲で使用し極端な充放電を避ける
- 高負荷の作業は有線式工具を使用しバッテリーへの負担を軽減する
- 長期保管時は30~50%充電状態で涼しく乾燥した場所に保管する
- 水濡れや物理的衝撃からバッテリーを保護する
- 専門知識のない場合は無理な分解修理を避け安全性を最優先する