冬のバイクツーリングを快適に楽しむために欠かせない電熱グローブ。しかし、純正バッテリーだけでは長時間のツーリングには不安があったり、紛失や故障した際の交換に悩んだりすることもあるでしょう。この記事では、電熱グローブのバッテリー互換性について徹底解説します。RSタイチ、コミネ、HOMPRES、山城といった主要メーカーの電熱グローブの社外バッテリー対応状況や、互換バッテリーの種類、選び方のポイントを詳しくご紹介します。また、近年注目されているUSB給電方式や、タイチ電熱グローブのUSB変換方法、電熱グローブに必要なアンペア数についても解説。実際のユーザーによる互換バッテリーのレビュー情報も交えながら、あなたの用途に合った互換バッテリーの活用法をお伝えします。寒い季節のライディングをより快適に、より長く楽しむための情報が満載です。
記事のポイント
- 各メーカー(RSタイチ、コミネ、HOMPRES、山城)の電熱グローブバッテリーの互換性状況
- モバイルバッテリーを使った電熱グローブのUSB給電の可能性と方法
- 社外品バッテリーと純正品の性能・価格の違いと選択ポイント
- 電熱グローブに必要な電圧・アンペア数と使用時間の目安
電熱グローブのバッテリー互換性とは

- RSタイチ電熱グローブの社外バッテリー互換性
- 電熱グローブの互換バッテリーの種類
- 電熱グローブの互換バッテリー選び方
- コミネ電熱グローブバッテリーの互換性
- HOMPRESバッテリーの互換性について
RSタイチ電熱グローブの社外バッテリー互換性
RSタイチの電熱グローブ(e-HEAT)には社外品バッテリーを使用できる可能性があります。特にRSP029モデルは互換性のある社外品が市場に存在しており、純正品と比較してもほぼ同等の性能を発揮します。実際に比較検証した結果によれば、社外品バッテリーは純正品とサイズがほぼ同一で、重量も純正品が98gであるのに対し社外品は97gとわずかに軽量という特徴があります。
電圧面では、純正品が3.6Vであるのに対して社外品は3.7Vと若干高い傾向にあります。このわずかな電圧差が長期的な使用でどのような影響を及ぼすかは不明ですが、短期的には問題なく動作することが確認されています。むしろ社外品のほうがピンジャックの接続部分の品質が優れているケースもあり、純正品で接触不良が発生するような状況でも安定して使用できることがあります。
しかし注意点としては、RSタイチのe-HEATシリーズは専用の7.2V/7.4Vバッテリーシステムを採用しており、全てのモデルで社外品が使用できるわけではないことが挙げられます。また、一般的なモバイルバッテリーについては、RSタイチの電熱グローブでは動作しないという報告もあります。これはおそらくプラグの電極配置が一般的な規格と異なるためと考えられます。
互換性を確認する際は、対象のRSタイチモデルに適合するバッテリー型番を必ず確認し、電圧や端子形状が一致することを確認してから購入するようにしましょう。適合しないバッテリーを使用すると、最悪の場合グローブの故障や発火などの危険につながる可能性があります。
電熱グローブの互換バッテリーの種類
電熱グローブで使用できる互換バッテリーには大きく分けて3種類あります。まず一つ目は、専用リチウムイオンバッテリーです。これはメーカー純正またはそれと互換性のある社外品で、電圧や形状が製品専用に設計されています。RSタイチなどのバイク用電熱グローブメーカーが提供するバッテリーがこれに該当し、7.2V/7.4V規格のものが多く見られます。
二つ目は、モバイルバッテリー接続タイプです。一般的なUSB出力のモバイルバッテリーを使用するタイプで、コミネなどのメーカーが提供する変換アダプター(5V→7.4V変換など)を介して接続します。このタイプの最大のメリットは汎用性の高さにあり、家庭にあるモバイルバッテリーを流用できる点が魅力です。例えばAnkerなどの大容量バッテリーと組み合わせることで、純正バッテリーよりも長時間の使用が可能になります。
三つ目は、車両バッテリー接続タイプです。これはバイクや車のバッテリーから直接給電するシステムで、RSタイチのRSP071やコミネのEK-202、EK-216などが該当します。このタイプの最大のメリットは、バッテリー切れの心配がないことです。ただし、車両のバッテリーに接続する必要があるため、設置作業が必要となり、また乗り物から離れると電源が確保できなくなります。
これらの互換バッテリーを使用する際の注意点として、電圧の違いがあります。純正品と社外品では若干の電圧差がある場合があり、例えばRSタイチの純正品が3.6Vであるのに対し、社外品は3.7Vという例があります。また、特にUSBモバイルバッテリーを使用する場合は、1つのUSBポートの出力だけでは両手のグローブを同時に動かせないこともあるため、十分な出力を持つバッテリーを選ぶ必要があります。
電熱グローブの互換バッテリー選び方
電熱グローブの互換バッテリーを選ぶ際には、まず電圧と接続端子の互換性を確認することが最も重要です。電熱グローブは製品ごとに必要な電圧が異なり、例えばRSタイチのe-HEATシリーズは7.2V/7.4V、Therm-ic製品は3.7Vといった具合に規格が異なります。接続端子についても、USB端子、DC端子、あるいはメーカー独自の端子形状を採用している場合があり、これが合わなければ使用できません。
バッテリー容量も重要な選択ポイントです。容量が大きいほど長時間使用できますが、その分サイズや重量も増加します。例えば、5000mAhクラスのバッテリーは一般的に長時間のバイクツーリングでも十分な持続時間を提供しますが、グローブの収納ポケットに収まるサイズかどうかを事前に確認しておく必要があります。HOMPRESのような一部のグローブは比較的大きめのバッテリーも収納可能な設計になっています。
安全性の観点からは、PSEマーク取得製品を選ぶことをお勧めします。また、充電器付きのセットを選ぶことで、バッテリーの寿命を延ばし安全に使用することができます。社外品を選ぶ際には、レビューや口コミ情報も参考にすると良いでしょう。実際のユーザーが比較検証した情報によれば、純正品より社外品のほうが接続部分の品質が優れているケースもあります。
別の選択肢として、USB給電タイプへの変換も考慮できます。コミネのEK-315のようなUSB 5V-7.4V変換アダプターを使えば、一般的なモバイルバッテリーで電熱グローブを動作させることができます。これにより、汎用性が高まり、家にあるモバイルバッテリーを活用できるメリットがあります。実験結果によれば、20000mAhクラスのモバイルバッテリーを使用した場合、最高出力設定でも4時間以上、低出力設定では7時間以上の使用が可能です。
最終的には、自分のライディングスタイルや使用環境に合わせて、互換バッテリーを選択することが大切です。長距離ツーリングを頻繁に行う方は大容量バッテリーや車両バッテリー接続タイプ、短時間の街乗りが中心の方はコンパクトな専用バッテリーといったように、用途に合わせた選択が快適な使用につながります。
コミネ 電熱グローブ バッテリーの互換性
コミネの電熱グローブは、バッテリー互換性に関して比較的柔軟性の高いシステムを採用しています。コミネの7.4Vタイプの電熱グローブは、専用モバイルバッテリー、車両バッテリー接続、そして特筆すべき点として一般的なUSBモバイルバッテリーにも対応しています。これにより、ユーザーは状況に応じて電源供給方法を選択できる自由度があります。
具体的な互換性として、コミネの電熱グローブには複数の給電オプションが用意されています。例えば、専用モバイルバッテリー(EK-207)、車両シガーソケットからの給電(EK-208)、12V製品から7.4Vへの変換(EK-314)、そして一般的なモバイルバッテリーを7.4Vに昇圧する変換器(EK-315)などがあります。このように複数の選択肢があることで、バイクの種類や用途に合わせた柔軟な使用が可能となっています。
特に注目すべきはEK-315のUSBコンバーターで、これを使用することで一般的なモバイルバッテリーからコミネの電熱グローブに給電することができます。実験結果によると、Ankerなどの市販モバイルバッテリーでコミネの電熱グローブが動作することが確認されています。一般的な20000mAhクラスのモバイルバッテリーを使用した場合、最高出力(Turbo設定/70℃)でも約4時間20分、中程度の出力(Hi設定/50℃)では約5時間40分もの使用が可能です。
ただし注意点としては、一つのUSBポートだけでは出力が不足し、両手のグローブを同時に動かせない場合があります。これは、電熱グローブが必要とする電力に対して、一般的なUSBポートの出力が不足するためです。解決策としては、両手のグローブをそれぞれ別々のUSBポートに接続する方法や、高出力のモバイルバッテリーを使用することが挙げられます。
また、コミネの電熱グローブは他のブランドとの互換性も一部確認されています。例えば、中国メーカーのHompres製電熱グローブとコミネのUSBケーブル(5V USB→7.4V変換)の間には互換性があるとの報告があります。このように、コミネのシステムは比較的開かれた設計になっており、他ブランドとの互換性も期待できるポイントです。
HOMPRESバッテリーの互換性について
HOMPRESの電熱グローブは、バッテリー互換性においていくつかの興味深い特徴を持っています。まず、HOMPRESの電熱グローブはコミネのUSBケーブル(5V USB→7.4V変換)と互換性があることが確認されています。これにより、HOMPRESの電熱グローブを所有している方でも、コミネの変換ケーブルを使用することで給電オプションを拡張することが可能になります。
HOMPRESの電熱グローブのもう一つの特徴は、比較的大きめのバッテリーも収納可能な設計になっている点です。これにより、標準的なバッテリーよりも容量の大きい5000mAhクラスの互換バッテリーを使用することができ、より長時間の使用が可能になります。バイクでの長距離ツーリングを頻繁に行うライダーにとって、この特徴は非常に価値のあるものといえるでしょう。
また、HOMPRESの電熱グローブは付属バッテリーだけでなく、コミネのUSBケーブルを使用することで一般的なUSBポートからも給電可能です。これにより、モバイルバッテリーやバイクに取り付けたUSB電源アダプターなど、さまざまな電源から給電できる柔軟性があります。通常のモバイルバッテリーを使用する場合は、出力が5V/2.1A以上のものを選ぶと安定した性能を得られます。
しかし注意点としては、HOMPRESの電熱グローブとコミネの製品は互換性があるものの、RSタイチなど他のメーカーの製品との互換性は期待できません。これは、電熱グローブの接続システムがメーカーごとに異なることが主な理由です。RSタイチのような独自の接続システムを採用しているメーカーの製品とは、プラグの形状や電極の配置が異なるため接続できない場合がほとんどです。
HOMPRESバッテリーの互換性を最大限に活かすためには、同じ電圧規格(通常は7.4V)を持つ製品との組み合わせを検討することをお勧めします。また、互換性を確認する際は、電圧だけでなく接続端子の形状や極性も必ず確認してください。不適切な接続は機器の故障や安全上のリスクを伴うことがあります。
電熱グローブバッテリー互換性の注意点

- 山城電熱グローブのバッテリー互換性
- 電熱グローブのUSB給電について
- タイチ電熱グローブのUSB変換方法
- 電熱グローブに必要なアンペア数
- 電熱グローブの互換バッテリー活用法
- 電熱グローブ互換バッテリーのレビュー
山城 電熱グローブのバッテリー互換性
山城の電熱グローブはバイク乗りの間で人気のあるモデルですが、バッテリー互換性についてはいくつかの重要なポイントがあります。山城の電熱グローブは基本的に専用のバッテリーシステムを採用しており、主に専用リチウムイオンバッテリーを使用する設計になっています。多くのモデルでは独自の接続端子を使用しているため、他社製品との完全な互換性は限られています。
山城の電熱グローブのバッテリーには主に2つのタイプがあります。一つは専用のリチウムイオンバッテリーを使用するタイプで、もう一つは車両バッテリーから直接給電するタイプです。特に専用バッテリータイプでは、各モデルに合わせた電圧と容量のバッテリーが設計されていますので、互換性を検討する際には必ず対応する山城の電熱グローブモデルを確認する必要があります。
互換性の観点からは、山城の一部の電熱グローブモデルはIDEALブランドのバッテリーシステムと互換性がある場合があります。例えば、HEAT1/2/3シリーズには3,000mAhバッテリーが、HEAT4シリーズには2,200mAhバッテリーが対応している例があります。このように、同じブランドファミリー内での互換性はある程度確保されていますが、全てのモデル間で互換性があるわけではないことに注意が必要です。
また、山城の電熱グローブでも社外品バッテリーの使用は技術的には可能な場合がありますが、電圧や接続端子の互換性を慎重に確認する必要があります。不適切なバッテリーの使用はグローブの故障や安全上のリスクを伴うため、可能な限り純正品または明確に互換性が確認されている社外品を使用することをお勧めします。
山城の電熱グローブのバッテリー寿命を延ばすためには、使用後の適切な充電と保管が重要です。バッテリーは完全に放電した状態で長期保管すると劣化が進むため、使用シーズン外でも定期的に充電することが望ましいでしょう。また、予備のバッテリーを用意しておくことで、長時間のツーリングでもバッテリー切れの心配なく電熱グローブを使用することができます。
電熱グローブのUSB給電について
電熱グローブのUSB給電は、近年特に注目されている便利な電源供給方法です。このシステムの最大の特徴は、一般的なモバイルバッテリーやUSB電源から電熱グローブに給電できる点にあります。これにより、専用バッテリーを持ち歩く必要がなく、日常的に使用しているモバイルバッテリーを流用できるため、コスト面でも利便性の面でも大きなメリットがあります。
コミネのような一部メーカーは、USB給電に特化した製品ラインナップを展開しています。例えば、コミネのEK-315 USB 5V-7.4Vグローブコンバーターは、標準的なUSB出力(5V)を電熱グローブが必要とする電圧(7.4V)に変換する機能を持っています。このようなコンバーターを使用することで、Ankerなどの大容量モバイルバッテリーから電熱グローブに給電することが可能になります。
実験結果によれば、20000mAhクラスのモバイルバッテリーを使用した場合、最高出力設定(70℃)でも約4時間20分、中程度の出力設定(50℃)では約5時間40分、最低出力設定(30℃)では約7時間30分もの使用が可能です。これは日帰りのツーリングであれば十分な使用時間であり、携帯性と利便性を考慮すれば非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
ただし、USB給電にはいくつかの注意点もあります。一つは、1つのUSBポートの出力だけでは両手のグローブを同時に動かすための十分な電力が供給できない場合があることです。これは、電熱グローブが必要とする電力に対して、標準的なUSBポートの出力(通常5V/2.1A)が不足するためです。解決策としては、左右のグローブをそれぞれ別々のUSBポートに接続する方法や、QC3.0などの高出力規格に対応したモバイルバッテリーを使用することが挙げられます。
さらに、USB給電はメーカーや製品によって対応状況が異なります。コミネのような一部メーカーは積極的にUSB給電に対応していますが、RSタイチなど他のメーカーでは独自の接続システムを採用しており、USB給電に対応していない場合があります。購入前に必ず対応状況を確認し、必要に応じて変換アダプターの有無も検討しましょう。
タイチ電熱グローブのUSB変換方法
タイチの電熱グローブは、基本的に専用の7.2V/7.4Vバッテリーシステムを採用しており、標準ではUSB給電に対応していません。しかし、一部のユーザーは独自のUSB変換方法を模索しています。ここでは、タイチ電熱グローブをUSB給電に変換するための方法と注意点について説明します。
まず重要なのは、タイチの電熱グローブとUSB電源の互換性については公式に保証されていないという点です。実際に、タイチの電熱グローブでモバイルバッテリーからの給電実験を行ったところ、「電源すら入らなかった」という報告があります。これは、タイチの電熱グローブが使用するプラグの電極配置が一般的な規格と異なる可能性が高いためと考えられています。
それでも変換を試みる場合、USB 5V出力を7.2V/7.4Vに昇圧するレギュレータ付き変換ケーブルが必要になります。市販のUSB→DCプラグ変換ケーブルの中には、5Vから12V程度まで昇圧できる製品があり、これを利用する方法が考えられます。ただし、DCプラグのサイズや電極配置がタイチの製品と一致するかどうかは保証されておらず、接続できても正常に動作しない可能性があります。
もう一つの方法としては、タイチの純正バッテリーのケースを開け、内部の回路を改造してUSB入力に対応させるという方法もありますが、これは高度な電子工作の知識が必要であり、また保証対象外となるだけでなく、安全上のリスクも伴います。そのため、一般的には推奨できない方法です。
タイチの電熱グローブをどうしてもUSB給電で使用したい場合は、公式にUSB給電に対応しているコミネなどの製品を選択する方が安全かつ確実です。あるいは、タイチの車両バッテリー接続ケーブルセット(RSP071など)を使用して、バイクのバッテリーから直接給電する方法も検討できます。これなら純正品を使用するため、安全性と互換性が確保されています。
最終的には、電熱グローブのようなウェアラブル製品では安全性が最も重要です。非公式の変換方法を試す場合は、自己責任で行い、発熱や異常を感じた場合はすぐに使用を中止するようにしましょう。何よりも、メーカーが保証する使用方法に従うことが、長期的に製品を安全に使用するための基本となります。
電熱グローブに必要なアンペア数
電熱グローブを正常に動作させるためには、適切なアンペア数(電流値)の確保が不可欠です。一般的な電熱グローブが必要とする電流は、設定温度や使用環境によって変動しますが、多くの場合、最大出力時には片手のグローブあたり1.5A〜2.5A程度を消費します。つまり、両手のグローブを最大出力で使用する場合は、合計で3A〜5A程度の電流が必要になるわけです。
この必要電流値は、電熱グローブを選ぶ際や互換バッテリーを検討する際の重要な指標となります。例えば、モバイルバッテリーからUSB給電する場合、標準的なUSBポートの出力は5V/2.1A程度ですので、片手のグローブなら動作させられても、両手のグローブを最大出力で同時に動かすには出力が不足する可能性が高いです。実際、実験結果では、Ankerのモバイルバッテリーでコミネの電熱グローブを動作させた際、一つのUSBポートだけでは両手のグローブを同時に動かすことができないという報告があります。
また、アンペア数は電熱グローブの温度設定にも直接関係しています。多くの電熱グローブには複数の温度設定が用意されており、例えばコミネのEK-217では、Turbo設定(70℃)、Hi設定(50℃)、Lo設定(30℃)といった具合です。当然、設定温度が高いほど消費電流も大きくなります。Turbo設定では最大電流を消費しますが、Hi設定やLo設定では消費電流が抑えられるため、バッテリーの持続時間が延びるというメリットがあります。
さらに、電熱グローブの中には温度調整で電流が少なくなる、あるいは一時的に電流が切れるような仕組みを持つモデルもあります。このようなモデルでは、バッテリー側にも低電力モードへの対応が必要です。対応していないバッテリーを使用すると、電流の変動を異常と判断して出力が切れてしまう場合があります。
冬場のバイクツーリングでの使用を想定すると、気温が低いほど、また走行速度が速いほど体感的な風冷効果が高まるため、より高い出力設定が必要になります。そのような状況では、十分なアンペア数を供給できるバッテリーを選択することが、快適なライディングにつながります。バッテリー選択の際には、メーカーが指定する電流値を必ず確認し、それを満たすか上回る性能のものを選ぶようにしましょう。
電熱グローブの互換バッテリー活用法
電熱グローブの互換バッテリーを上手に活用することで、使用時間の延長や利便性の向上など、さまざまなメリットを享受できます。まず、互換バッテリーを活用する最も基本的な方法は、予備バッテリーとして携帯することです。長距離ツーリングなど、長時間の使用が予想される場合は、充電済みの予備バッテリーを持参しておくことで、バッテリー切れの心配なく電熱グローブを使い続けることができます。
特に社外品バッテリーは純正品よりも比較的安価に入手できる場合が多いため、複数のバッテリーを用意しておくことも経済的に現実的な選択肢となります。例えば、RSタイチの電熱グローブ用の社外品バッテリーを入手すれば、純正品のバッテリーと併用することで、バッテリー切れの際にもすぐに交換して使用を継続できます。
また、USB給電に対応した電熱グローブやUSB変換アダプターを活用する方法も効果的です。コミネのEK-315のようなUSB 5V-7.4V変換アダプターを使用すれば、一般的なモバイルバッテリーから電熱グローブに給電することができます。モバイルバッテリーは今や多くの人が所有しており、スマートフォンやタブレットなど他のデバイスとも共用できるため、専用バッテリーを別途購入する必要がなく経済的です。
さらに、近年では大容量のモバイルバッテリーが比較的安価に入手できるようになりました。20000mAhクラスのモバイルバッテリーであれば、最高出力設定でも4時間以上、低出力設定では7時間以上の使用が可能です。これは純正バッテリーの2〜3倍の容量に相当することもあり、長時間のツーリングでも安心して使用できます。
互換バッテリーを車両の電源システムと組み合わせて使用する方法も考えられます。例えば、バイクにUSB電源ポートを増設しておけば、走行中はそこから電熱グローブに給電し、バイクを離れる際は予備のバッテリーに切り替えるといった使い方ができます。これにより、限られたバッテリー容量を最大限に活用することができます。
ただし、いずれの方法でも、互換バッテリーの電圧や出力が電熱グローブの要件を満たしていることを確認することが重要です。不適切なバッテリーの使用は、グローブの性能低下や故障の原因となる可能性があります。できれば、実際に使用する前に低温環境でテストを行い、正常に動作することを確認しておくと安心です。
電熱グローブ互換バッテリーのレビュー
電熱グローブの互換バッテリーについては、ユーザーからさまざまな評価や感想が寄せられています。ここでは、実際の使用経験に基づいたレビューから、互換バッテリーの特徴や性能、使用感などを紹介します。
まず、RSタイチの電熱グローブ用の社外品バッテリーについては、純正品と詳細に比較した評価があります。あるユーザーの検証によれば、社外品バッテリーは純正品とほぼ同じ大きさで、重量も純正品が98gに対して社外品は97gとわずかに軽量であることが確認されています。電圧については、純正品が3.6Vなのに対し社外品は3.7Vと若干高めですが、実用上は問題なく動作するようです。
特筆すべき点として、社外品バッテリーの方が接続部分の品質が優れている場合があります。純正品のピンジャック部分には接触不良のような症状が見られることがありますが、社外品はしっかりと接続できるという報告があります。また、グローブへの収納性も、純正品は配線が余ってしまうのに対し、社外品は余分な配線がないため収まりが良いという評価もあります。
コミネの電熱グローブとモバイルバッテリーの組み合わせについても興味深いレビューがあります。Ankerの26800mAモバイルバッテリー(出力30W)とUSB5V→12V昇圧レギュレータ付き変換ケーブルを使用した実験では、電熱グローブが動作することが確認されています。ただし、一つのUSBポートだけでは出力不足で両手のグローブを同時に動かすことはできず、左右のグローブをそれぞれ別々のUSBポートに接続する必要があるという点には注意が必要です。
温度性能に関しては、コミネの電熱グローブをモバイルバッテリーで動作させた場合と、RSタイチの電熱グローブを純正バッテリーで動作させた場合を比較したところ、コミネの方が暖かかったという評価もあります。これは電熱グローブ自体の設計や発熱効率の違いによるものと考えられますが、互換バッテリーを使用しても十分な暖かさが得られることを示しています。
持続時間については、コミネのEK-217とEK-315(USB変換器)の組み合わせで、20000mAhのモバイルバッテリーを使用した場合、最高出力(Turbo設定/70℃)で約4時間20分、中出力(Hi設定/50℃)で約5時間40分の使用が可能だったという詳細なデータがあります。これは日帰りのツーリングであれば十分な使用時間であり、モバイルバッテリーを使用することのメリットが大きいことを示しています。
これらのレビューから、互換バッテリーは適切に選択すれば純正品と同等以上の性能を発揮できる可能性があり、特にモバイルバッテリーとの組み合わせは、容量や利便性の面で大きなメリットがあることがわかります。ただし、メーカーや製品によって互換性の状況は異なるため、購入前に十分な情報収集と検討が必要です。
電熱グローブのバッテリー互換性まとめ

- 電熱グローブのバッテリーは主に専用リチウムイオン、モバイルバッテリー接続、車両バッテリー接続の3種類がある
- RSタイチの電熱グローブには一部社外品バッテリーが使用可能
- RSタイチの純正品は3.6V、社外品は3.7Vと若干電圧差がある
- コミネの電熱グローブは様々な給電方法に対応している柔軟なシステムを採用
- EK-315 USBコンバーターで一般的なモバイルバッテリーから給電可能
- 両手のグローブを同時に動かすには1つのUSBポートでは出力不足の場合がある
- HOMPRESの電熱グローブはコミネのUSBケーブルと互換性がある
- 山城の電熱グローブは基本的に専用バッテリーシステムを採用
- 互換バッテリー選択時は電圧と接続端子の互換性確認が最重要
- 社外品バッテリーは純正品より接続部分の品質が優れているケースもある
- 電熱グローブは片手あたり1.5A~2.5A程度の電流を消費
- 温度設定が高いほど消費電流も増加しバッテリー持続時間が短くなる
- 20000mAhクラスのモバイルバッテリーで最高出力でも4時間以上使用可能
- タイチの電熱グローブはUSB給電に標準では対応していない
- 不適切なバッテリー使用はグローブの故障や発火などの危険性がある