旅行や出張の荷造りをしているとき、「普段使っている充電式髭剃りは飛行機に持ち込みできるの？」とふと疑問に思ったことはありませんか。お気に入りの道具を持って行きたいけれど、リチウムイオン電池に関する規制や航空会社のルールは意外と複雑で、もし空港で没収されてしまったらと思うと不安になりますよね。この記事では、そんな皆様の疑問を解消し、安心して空の旅へ出発できるよう、国内線や国際線での具体的な持ち込みルールと注意点をわかりやすく解説します。
記事のポイント
- 国内線と国際線での持ち込みルールの違い
- 預け荷物にする際の必須安全対策と梱包方法
- 自分の髭剃りのバッテリー容量を確認する手順
- 保安検査をトラブルなくスムーズに通過するコツ
国内線で充電式髭剃りを飛行機へ持ち込みする際のルール
まずは、私たちにとって最も身近な日本国内線での移動についてです。結論から言うと、国内のフライトでは比較的シンプルなルールで運用されており、いくつかのポイントさえ押さえておけば、愛用のシェーバーを問題なく持っていくことができます。ここでは、機内への手荷物としての持ち込みと、カウンターで預けるスーツケースへの収納、それぞれのケースにおける具体的なルールと注意点を解説します。
機内持ち込みと預け入れの可否
国内線の飛行機を利用する場合、一般的な充電式髭剃りは、「機内持ち込み手荷物」と「預け入れ荷物」のどちらでも持ち込みが可能です。これは、多くの旅行者にとって非常にありがたいルールですね。
基本的に、私たちが普段家庭で使用している電気シェーバーに搭載されているバッテリーは小容量であるため、航空法上の危険物規制の対象内ではあるものの、持ち込みが許可される範囲に収まっています。ですので、手持ちのバッグに入れて座席まで持って行っても良いですし、着替えなどと一緒にスーツケースに詰めてカウンターで預けてしまっても構いません。
互換マイスター ヒロただし、預け荷物（受託手荷物）に入れる場合は、絶対に守らなければならない「電源の完全オフ」という条件があります。
もしフライト中に振動などでスイッチが入り、勝手に作動してしまうと、摩擦熱が発生して最悪の場合は発火につながる恐れがあるからです。そのため、スリープモードではなく完全に電源を切り、さらに誤作動しないような対策を講じることが求められます。
JALやANAなど国内線の規定
日本の主要航空会社であるJAL（日本航空）やANA（全日本空輸）の規定を確認してみると、電気シェーバーの取り扱いは非常に明確です。両社ともに、リチウムイオン電池を内蔵した電子機器として扱われますが、その規制内容は私たち利用者に寄り添ったものになっています。
具体的には、一般的な電気シェーバーであれば、個数制限も特になく持ち込むことができます。スカイマークやピーチ・アビエーションなどのLCC（格安航空会社）を含め、国内の航空会社ではほぼ共通して「100Wh以下のバッテリーであれば持ち込み・預け入れ共にOK」という運用ルールになっています。
互換マイスター ヒロお使いの航空会社の公式サイトで「制限のある手荷物」のページを見ると、シェーバーは「ヘアケア製品」や「電子機器」のカテゴリで案内されていることが多いですよ。
ただし、あくまで「個人的な使用の範囲」に限られますので、販売目的で数十個持ち込むといった極端なケースはこの限りではありません。
リチウムイオン電池の容量制限
飛行機の持ち込み制限で必ず出てくるキーワードが「100Wh（ワットアワー）」や「160Wh」という数字です。これはバッテリーのエネルギー容量を示す単位ですが、安心してください。市販されている家庭用充電式髭剃りのバッテリー容量は、ほとんどが数Wh～10Wh程度です。
例えば、PanasonicのラムダッシュやBraunのSeries 9といったハイエンドモデルでも、航空会社の規制値である100Whには遠く及びません。したがって、通常のモデルを使用している限り、容量オーバーで持ち込みを拒否されることはまずないと考えて大丈夫です。
| バッテリー容量 | 機内持ち込み | 預け荷物 |
|---|---|---|
| 100Wh以下（一般的な髭剃り） | ○ 可能 | ○ 可能 |
| 100Wh超 160Wh以下 | ○ 条件付き可能 | × 不可 |
| 160Wh超 | × 不可 | × 不可 |
もし、ご自身のシェーバーが特殊な業務用モデルや、超大容量バッテリーを搭載した改造品でない限り、この「容量制限」についてはそこまで神経質になる必要はありません。
保安検査場でのスムーズな通過
空港の保安検査場では、スムーズに通過するためにちょっとしたコツがあります。シェーバーを機内持ち込み手荷物に入れている場合、パソコンやタブレットのようにカバンから取り出してトレーに出す必要があるか迷いますよね。
基本的には、電気シェーバーはカバンに入れたままでも検査を通過できることが多いです。しかし、X線検査で形状が分かりにくい場合や、バッテリーの大きさが疑わしい場合は、検査員から「カバンの中身を見せてください」と声をかけられることがあります。
そのような場合に備えて、以下の準備をしておくとスマートです。
- すぐに取り出せるよう、荷物の上の方や外側のポケットに入れておく。
- 誤作動防止のため、スイッチをロックするか、専用のハードケースに入れておく。
- 刃がむき出しにならないよう、保護キャップを必ず装着しておく。
特に、「ジジジ…」と勝手に作動してしまうと、周囲を驚かせたり、不審物として厳重なチェックを受ける原因になりますので、誤作動防止は徹底しましょう。
乾電池式やコンセント式の扱い
ここまでは充電式（リチウムイオン電池内蔵）の話が中心でしたが、乾電池式やコンセント（交流）式のシェーバーを使っている方もいらっしゃるでしょう。
乾電池式のシェーバーは、リチウムイオン電池のような厳しい規制がないため、国内線では機内持ち込み・預け入れともにほとんど制限がありません。ただし、予備の乾電池を持ち歩く場合は注意が必要です。予備電池同士が接触してショートしないよう、購入時のパッケージのまま持ち運ぶか、個別にラップや袋に入れて絶縁保護をしてください。
コンセント（コード）式のシェーバーについては、そもそもバッテリーを搭載していないため、危険物としての制限は受けません。刃物としての危険性がないようキャップをしておけば、持ち込みも預け入れも自由に行えます。
国際線で充電式髭剃りを飛行機へ持ち込みする場合の注意点
次に、海外旅行や海外出張で国際線を利用する場合について解説します。基本的には国内線と同じく持ち込み可能ですが、国や航空会社によっては規制が厳しくなることがあります。特に「預け荷物」に関するルールや、乗り継ぎ時のトラブル回避には一層の注意が必要です。
国際線での預け荷物の厳しい規制
国際線においても、ANAやJALなどの日系航空会社であれば、100Wh以下のリチウム電池内蔵機器（シェーバー含む）を預け荷物に入れることは認められています。しかし、海外の航空会社や、特定の国を出発する便では対応が異なる場合があります。
世界的なルール（IATA危険物規則）では、リチウム電池を内蔵した電子機器は「可能な限り機内持ち込みにすること」が推奨されています。貨物室での火災リスクを最小限にするためです。一部のアジア系航空会社やLCCでは、リチウム電池内蔵機器の預け入れに非常に厳しいチェックを行うところもあり、最悪の場合、スーツケースを開けられて没収されてしまうリスクもゼロではありません。
海外の空港では、預け荷物の扱いが日本よりも乱暴なことがあります。スーツケースへの衝撃でシェーバーが破損したり、スイッチが入ってしまったりするリスクを避けるためにも、私は「国際線では機内持ち込み」を強くおすすめします。
シェービングジェルなどの液体制限
髭剃り本体だけでなく、快適なシェービングに欠かせない「ジェル」や「クリーム」、あるいは洗浄液などを持ち込む場合は、液体物の持ち込み制限（LAGs）に引っかからないよう注意が必要です。
国際線の機内へ液体物を持ち込む場合、以下のルールが厳格に適用されます。
- あらゆる液体物は、100ml（g）以下の容器に入れること。
- それらの容器を、容量1リットル以下のジッパー付き透明プラスチック袋（縦横合計40cm以内）にまとめて入れること。
- 1人あたり1袋まで。
普段使っている大きなボトルのシェービングフォームや洗浄液は、そのままでは機内に持ち込めません。没収されて廃棄処分になるのを防ぐため、100ml以下のトラベルサイズを用意するか、スーツケースに入れて預け荷物にする必要があります。
誤作動防止のロックと電源オフ
長時間の国際線フライトでは、荷物が長時間揺れや圧力の変化にさらされます。そのため、国内線以上に誤作動防止対策が重要になります。
多くの最新シェーバーには、長押しなどで発動する「トラベルロック機能」がついています。出発前には必ずこの機能をオンにしてください。もしロック機能がないモデルの場合は、スイッチ部分を硬いテープで固定するか、スイッチが物理的に押されないよう専用のハードケースに収納するのが鉄則です。
「自分は大丈夫」と思っていても、荷物が積み重なった圧力でスイッチが入ってしまう事故は意外と多いものです。目的地のホテルに着いて、いざ使おうとしたら電池切れ…なんて悲劇を防ぐためにも、確実なロックを心がけましょう。
海外旅行時のバッテリーWh計算
海外の保安検査場で、ごく稀に検査官からバッテリー容量について質問されることがあります。その際、即座に説明できるよう、自分のシェーバーのバッテリー容量（Wh）を把握しておくと安心です。
本体や説明書にWhの記載がない場合、以下の計算式で算出できます。
一般的なリチウムイオン電池の電圧は3.7Vです。例えば、バッテリー容量が2000mAhと記載されていれば、
2000 × 3.7 ÷ 1000 = 7.4Wh
となります。この数値を見せれば、100Wh以下であることが証明でき、スムーズに通過できます。
より詳しいバッテリー容量のルールや、モバイルバッテリーなど他の機器の制限についても知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。他の電子機器と合わせて容量を確認しておくと完璧です。
予備バッテリーの機内持ち込み
長期の海外旅行で、シェーバー本体とは別に「予備のリチウムイオン電池」や「モバイルバッテリー」を持っていく方も多いでしょう。ここで絶対に覚えておいていただきたいのが、「予備のリチウム電池は預け荷物へのお預けが一切禁止されている」という点です。
機器に内蔵されていない単体のリチウム電池は、ショートによる発火リスクが高いため、必ず手荷物として機内に持ち込まなければなりません。もし誤ってスーツケースに入れて預けてしまうと、X線検査で発見され、館内放送で呼び出されたり、荷物を開けられたりするトラブルになります。
シェーバー本体は預けられる場合がありますが、予備バッテリーだけは絶対に機内持ち込みにしてください。
充電式髭剃りの飛行機持ち込みまとめと最終チェック
ここまで、充電式髭剃りの飛行機持ち込みルールについて解説してきました。最後に、出発前の最終チェックリストをまとめます。
- 自分の髭剃りのバッテリー容量が100Wh以下であることを確認しましたか？
- 本体の電源は完全にオフにし、トラベルロックをかけましたか？
- 誤作動防止のため、ハードケースに入れるかスイッチを固定しましたか？
- 国際線の場合、シェービングジェル等の液体物は適切にパッキングしましたか？
- 予備のバッテリーがある場合、それは必ず手荷物に入れましたか？
充電式髭剃りは、ルールさえ守れば国内線・国際線問わず問題なく持ち込めます。特に「電源オフ」と「誤作動防止」は、自分自身の安全だけでなく、航空機の安全運航に関わる重要なマナーです。
なお、航空会社の規制は情勢により変更されることがあります。最終的な判断や最新のルールについては、必ずご利用予定の航空会社の公式サイトをご確認いただくか、窓口へお問い合わせください。
しっかり準備をして、旅先でもいつもの快適なシェービングで、爽やかな朝を迎えてくださいね！