スマートフォンやモバイルバッテリー、ゲーム機などで突然発生するバッテリー膨張は、多くの方が経験する深刻な問題です。膨張したバッテリーの捨て方を間違えると、発火や爆発といった重大な事故につながる可能性があるため、適切な知識と対処法を身につけることが重要です。
この記事では、バッテリー膨張の原因とメカニズムから始まり、バッテリー膨張で爆発の危険性がなぜ高いのかを科学的に解説します。また、「バッテリー膨張を戻すことは可能？」という疑問にお答えし、バッテリー膨張で穴あけは絶対NGである理由や、バッテリー膨張でガス抜きの危険性についても詳しく説明いたします。
実践的な内容として、バッテリー膨張の処分手順を段階的に紹介し、スマホのバッテリー膨張対処法やPSPバッテリー膨張の捨て方など、デバイス別の具体的な方法も網羅しています。特にiPhoneユーザーの方には、iPhoneバッテリー膨張の対応方法とiPhoneバッテリー膨張無償交換の条件について詳しく解説します。
さらに、お住まいの地域によって異なる自治体別バッテリー処分ルールも整理し、安全で確実な処分方法をご案内します。膨張したバッテリーの適切な処分は、あなた自身の安全だけでなく、家族や地域社会の安全を守るためにも欠かせない知識です。
記事のポイント
- バッテリー膨張の根本的な原因と発生メカニズム
- 膨張したバッテリーが持つ爆発・発火の具体的な危険性
- 穴あけやガス抜きなど自己流処理が絶対に危険な理由
- デバイス別の安全な処分手順と自治体ルールの違い
バッテリー膨張の捨て方と基本知識
- バッテリー膨張の原因とメカニズム
- バッテリー膨張で爆発の危険性
- バッテリー膨張を戻すことは可能？
- バッテリー膨張で穴あけは絶対NG
- バッテリー膨張でガス抜きの危険性
バッテリー膨張の原因とメカニズム
リチウムイオンバッテリーの膨張は、内部で発生するガスが主な原因となって起こります。この現象を理解することで、適切な処分への重要性を認識できるでしょう。
バッテリー膨張が発生するメカニズムは、主に電池内部の化学反応の変化にあります。
充電池の劣化が進行すると電解質が酸化し、この化学反応によってガスが発生する。発生したガスが内部に充満することで、充電池が物理的に膨張する現象が起こる。
引用元：EcoFlow『モバイルバッテリーが膨張する原因とは？対処法も解説』
通常であれば、これらのガスは電池内部で適切に処理されますが、劣化が進むと処理能力を超えてしまうのです。
過充電や過放電も膨張の大きな要因となります。満充電状態での長時間放置や、電池残量が極端に少ない状態での保管は、電極材料の分解を促進させます。また、高温環境下での使用や保管は、化学反応を加速させるため、ガス発生のリスクを高めてしまいます。
物理的な衝撃や圧迫も見逃せない原因です。落下や強い圧力により内部構造が損傷すると、正常な化学反応が阻害され、異常なガス発生につながります。さらに、製造段階での不良や品質の低い製品では、早期に膨張が発生する可能性が高くなります。
発生するガスの主成分について、専門的な分析が行われています。
発生するガスの主成分は、水素（H₂）、二酸化炭素（CO₂）、一酸化炭素（CO）、メタン（CH₄）、エチレン（C₂H₄）、エタン（C₂H₆）などです。
引用元：株式会社ジニー『リチウムイオンバッテリーの膨張・爆発について』
これらの気体が内部に蓄積されることで、バッテリーケースが外側に押し出され、目に見える膨張として現れます。膨張したバッテリーは内部圧力が非常に高い状態にあり、わずかな刺激でも危険な状況を招く可能性があります。
バッテリー膨張で爆発の危険性
膨張したバッテリーは、発火や爆発の重大なリスクを抱えた危険物と考える必要があります。この危険性を正しく理解することが、安全な処分への第一歩となるでしょう。
膨張バッテリーが爆発に至るメカニズムは、内部に蓄積された可燃性ガスの存在にあります。水素やメタンなどの気体は、わずかな火花や摩擦によって瞬時に燃焼します。また、内部圧力の異常な上昇により、バッテリーケースの耐圧限界を超えると、突然破裂する可能性があります。
実際の事故事例として、ごみ処理施設での火災が深刻な問題となっています。
名古屋市のごみ処理施設では、年間40件以上の火災がモバイルバッテリーを原因として発生していた。愛知県大口町では2025年4月にリチウムイオン電池の発火が原因とされる火災が発生し、ごみ処理施設の再開目途が立たない状況となった。
引用元：東海テレビ『リチウムイオン電池による火災が相次ぐ 愛知・大口町の施設火災も原因か』
このような状況を受けて、行政レベルでの対策も進められています。
爆発の引き金となる要因は多岐にわたります。物理的な衝撃や圧迫、高温環境への暴露、内部短絡、さらには充電や使用の継続などが挙げられます。特に注意すべきは、見た目には軽微な膨張でも、内部では危険な状態に達している場合があることです。
爆発時の被害は深刻です。高温の炎や破片が飛び散り、火傷や外傷のリスクがあります。また、有毒ガスの放出により呼吸器系への影響も懸念されます。周囲への延焼により、建物火災に発展する可能性も否定できません。
このような危険性から、環境省も緊急の対策を講じています。
環境省が2025年4月に全市町村に対してリチウムイオン電池の分別回収徹底を通知した。
引用元：東海テレビ『リチウムイオン電池による火災が相次ぐ 愛知・大口町の施設火災も原因か』
個人レベルでも、膨張を発見した時点で直ちに使用を中止し、適切な処分ルートを選択することが重要です。
バッテリー膨張を戻すことは可能？
膨張したバッテリーを元の状態に戻すことは、技術的にも安全上も不可能です。この事実を理解することで、適切な処分の必要性を認識できるでしょう。
バッテリーの膨張は、内部構造の不可逆的な変化によって生じます。電解質の分解や電極材料の劣化、ガスの発生といった化学的変化は、一度起こってしまうと元に戻すことができません。たとえ外見上の膨張が収まったように見えても、内部の損傷や劣化は残り続けます。
冷却による収縮を試みる方も見受けられますが、これは根本的な解決にはなりません。温度が下がることで一時的に体積が減少する可能性はありますが、内部のガスや損傷した構造は変わらないためです。むしろ、温度変化により新たな化学反応が誘発され、危険性が増す場合もあります。
圧迫によって膨張を抑えようとする行為も極めて危険です。外部からの圧力は内部圧力をさらに高め、突然の破裂や発火につながる可能性があります。また、内部の電極同士が接触することで短絡が発生し、熱暴走を引き起こすリスクもあります。
専門的な修復技術についても、現在のところ安全で確実な方法は確立されていません。修理業界の権威的なサイトでも明確な見解を示しています。
一度膨張したリチウムイオンバッテリーは、内部でガスが発生し、構造そのものが変化・劣化しているため、ガスを抜いたり冷やしたりしても安全に元通りの状態に復元することは不可能です。
引用元：ウェディング・ショーケース『膨張したリチウムイオンバッテリーの対処法』
バッテリーメーカーや修理業者も、膨張したバッテリーの修復ではなく、交換を推奨しています。これは、修復作業自体に高いリスクが伴うためです。
したがって、膨張したバッテリーに対する唯一の安全な対処法は、速やかに使用を中止し、適切な処分ルートを通じて廃棄することです。修復への期待を捨て、新しいバッテリーへの交換を検討することが、安全性と経済性の両面で最適な選択となります。
バッテリー膨張で穴あけは絶対NG
膨張したバッテリーに穴をあけてガスを抜こうとする行為は、極めて危険で絶対に避けなければならない行為です。この危険性を正しく理解することが、安全な処分への重要なポイントとなります。
穴あけが危険な理由は、複数の重大なリスクが同時に発生するためです。まず、針やドライバーなどでバッテリーケースに穴をあけた瞬間、内部の電解液が空気中の酸素や水分と急激に反応します。この化学反応により、瞬時に発熱・発火・爆発が起こる可能性があります。
実際に穴あけを行った際の危険な状況が報告されています。
実際に針などで穴を開けると、その場が真っ白になるほどの煙が一瞬で噴き出すことがあり、非常に危険です。
引用元：スマートクール伏見店『GooglePixel7aのバッテリー交換修理』
この煙には、フッ化水素などの有害ガスが含まれており、吸入すると呼吸器系に深刻な損傷を与える恐れがあります。また、皮膚や目に触れると化学熱傷を引き起こす危険性もあります。
内部構造への損傷も重大な問題です。穴あけにより電極同士が接触すると、内部短絡が発生し、大量の熱が瞬時に発生します。この熱により電解液が沸騰し、蒸気圧の急上昇によってバッテリーが破裂する可能性があります。
専門機関や修理業者も、穴あけ行為を強く禁止しています。
iFixitや修理業者、メーカーも「絶対に穴を開けてはいけない」と明言しています。
引用元：iFixit『What to do with a swollen battery』
これらの警告は、実際の事故事例や科学的根拠に基づいたものです。
一時的にガスが抜けたように見えても、根本的な問題は解決されません。内部の劣化や損傷は継続しており、時間の経過とともに新たなガスが発生する可能性があります。また、穴あけによってバッテリーの構造的強度が失われ、より予測不可能な危険状態となります。
このような理由から、膨張したバッテリーには絶対に穴をあけず、専門的な処分ルートを通じて安全に廃棄することが唯一の正しい対処法です。
バッテリー膨張でガス抜きの危険性
膨張したバッテリーの自己流ガス抜きは、発火や爆発、健康被害などの重大なリスクを伴う極めて危険な行為です。安全な処分のためには、この危険性を十分に理解する必要があります。
ガス抜きが危険な根本的理由は、リチウムイオンバッテリー内部の複雑な化学環境にあります。膨張したバッテリー内部には、水素、メタン、一酸化炭素などの可燃性ガスが高圧で蓄積されています。これらのガスは、わずかな火花や静電気によっても瞬時に燃焼し、爆発的な反応を引き起こします。
ガス抜き作業中に発生する具体的な危険として、まず発火リスクが挙げられます。ガスを放出する際の摩擦や、作業工具と金属部分の接触により火花が発生し、可燃性ガスに引火する可能性があります。また、内部圧力の急激な変化により、バッテリーケースが突然破裂し、高温の電解液や破片が飛散する危険もあります。
健康への影響も深刻です。放出されるガスには、フッ化水素酸などの有毒成分が含まれており、吸入すると肺や気道に重篤な損傷を与えます。皮膚に触れた場合も、化学熱傷を引き起こす可能性があります。これらの化学物質は、少量でも人体に深刻な影響を及ぼすため、専門的な防護設備なしでの作業は非常に危険です。
電気的な危険性も無視できません。ガス抜き作業により内部構造が変化し、予期しない箇所で短絡が発生する可能性があります。短絡により大電流が流れると、瞬時に高温となり、火災や爆発の原因となります。
専門家や関連機関も、自己流のガス抜きを強く警告しています。
専門家やメーカーは「ガス抜きは絶対にしないこと」「膨張したバッテリーは速やかに使用を中止し、適切に処分すること」を強く勧めています。
引用元：ウェディング・ショーケース『膨張したリチウムイオンバッテリーの対処法』
これは、安全な作業には特殊な設備と専門知識が必要であるためです。
仮にガス抜きが一時的に成功したとしても、根本的な問題は解決されません。バッテリー内部の劣化や損傷は継続しており、新たなガス発生や予期しない化学反応が起こる可能性があります。このため、ガス抜きを試みるのではなく、速やかに適切な処分ルートを選択することが、安全性確保の唯一の方法となります。
バッテリー膨張の捨て方と処分方法
- バッテリー膨張の処分手順
- スマホのバッテリー膨張対処法
- PSPバッテリー膨張の捨て方
- iPhoneバッテリー膨張の対応
- iPhoneバッテリー膨張無償交換
- 自治体別バッテリー処分ルール
バッテリー膨張の処分手順
膨張したバッテリーの適切な処分は、安全性を最優先とした段階的なアプローチが必要です。正しい手順を踏むことで、発火や爆発のリスクを最小限に抑えながら、環境に配慮した処分が可能となります。
まず最初に行うべきは、膨張を発見した時点での即座の使用中止です。充電や電源の接続を直ちに停止し、デバイスから安全にバッテリーを取り外します。この際、無理な力を加えることは避け、取り外しが困難な場合はそのままの状態を保持してください。
次に重要なのが絶縁処理です。
リチウムイオン電池のタイプ別絶縁方法として、角型では接続端子部分に絶縁テープを張る・巻く、円筒型では両端のプラス・マイナス極に絶縁テープを貼る・巻く、ボタン型では全体を絶縁テープで覆う方法があります。
引用元：ウェディング・ショーケース『リチウムイオンバッテリーの正しい捨て方』
絶縁処理には市販のビニールテープで十分ですが、端子部分を完全に覆うことが重要です。
安全な一時保管も欠かせません。膨張したバッテリーは金属製の容器に入れ、火気や水気から遠ざけた場所で保管します。また、他の物品との接触を避け、衝撃が加わらないよう注意深く取り扱います。
処分ルートの選択においては、複数の選択肢があります。JBRC回収協力店での処分が一般的ですが、膨張したバッテリーは受け入れを断られることが多いため、自治体の特別回収窓口や専門業者への依頼が現実的な選択肢となります。
膨張したバッテリーは一般ごみ・不燃ごみ・通常の回収ボックスには絶対に出さず、自治体やメーカー、不用品回収業者などの専門ルートで処分してください。
処分前には必ず処分先への事前確認を行います。受け入れ可能かどうか、必要な前処理があるかどうかを電話で確認することで、スムーズな処分が実現できます。これらの手順を適切に実行することで、安全かつ環境に配慮したバッテリー処分が可能となります。
スマホのバッテリー膨張対処法
スマートフォンのバッテリー膨張は、日常的に発生しうる重大な安全問題であり、適切な対処法を知ることで深刻な事故を防ぐことができます。早期発見と正しい対応が、ユーザーの安全確保において極めて重要な要素となります。
膨張の兆候を見逃さないことが第一歩です。スマートフォンの背面や画面が浮き上がる、本体が正常に閉まらない、異音や異臭がするなどの症状が現れた場合、バッテリー膨張を疑う必要があります。また、充電時の異常な発熱や充電時間の著しい延長も警告サインとなります。
膨張を確認した場合の緊急対応として、まず使用を完全に停止します。
膨張したスマートフォンは絶対にそのまま使い続けず、速やかに電源をオフにしてください。膨張したバッテリーへの充電は、さらなる膨張や発火・爆発を引き起こす恐れがあります。
電源を切った後は、充電ケーブルやアクセサリーをすべて取り外し、スマートフォンを安全な場所に移動させます。
保管時の注意点として、高温環境や直射日光を避け、できれば金属製の容器に入れて一時保管することが推奨されます。また、他の電子機器や可燃物から離し、子供やペットの手の届かない場所を選ぶことが重要です。
自己修理は絶対に行わないでください。膨張したバッテリーを自分で取り外そうとする行為は、発火や爆発の危険性を高めます。また、インターネット上で紹介される応急処置法の多くは科学的根拠に乏しく、かえって危険性を増大させる可能性があります。
専門店への相談が最も安全な選択肢です。
バッテリー膨張を発見したら、絶対に放置せず、早急に専門家へ相談してください。
引用元：スマホクリニック所沢店『スマートフォンバッテリー膨張の対処法』
正規サービスプロバイダー、信頼できる修理店に速やかに相談し、専門的な診断と対処を依頼します。多くの場合、バッテリー交換により問題は解決しますが、本体への損傷が進んでいる場合は機種変更も検討する必要があります。
予防策として、過充電の回避、純正充電器の使用、適切な温度環境での使用・保管を心がけることで、バッテリー膨張のリスクを大幅に軽減できます。
PSPバッテリー膨張の捨て方
PlayStation Portable（PSP）のバッテリー膨張は、長期間使用された機器でよく見られる現象であり、適切な処分方法を知ることで安全な廃棄が可能となります。ゲーム機特有の構造を理解した上で、正しい手順を踏むことが重要です。
PSPのバッテリー膨張は、主に経年劣化により発生します。2004年の発売から長期間が経過し、多くのPSPでバッテリーの劣化が進行しています。膨張したバッテリーは本体の変形やUMDドアの開閉不良を引き起こし、最悪の場合は発火の危険性もあります。
安全な取り外し手順として、まずPSPの電源を完全に切り、ACアダプターを取り外します。バッテリーカバーを慎重に開け、膨張したバッテリーを確認します。取り外しの際は、無理な力を加えず、バッテリーに損傷を与えないよう注意深く作業を行います。
絶縁処理は必須の作業です。
バッテリーを取り外したら、端子（金属部分）をセロハンテープやビニールテープでしっかり覆い、ショートを防止します。
この処理により、運搬中や保管中の短絡事故を防ぐことができます。
処分先として最も一般的なのは、家電量販店のリサイクルボックスです。ヤマダ電機、ビックカメラ、ケーズデンキなどで設置されている小型充電式電池回収ボックスを利用できます。ただし、膨張が激しい場合は、店員に直接相談することをお勧めします。
家電量販店やリサイクル協力店へ持ち込むのが基本です。店舗に設置されている「小型充電式電池回収ボックス」に入れてください。
引用元：Luxe Life Tech『PSPのバッテリーが膨張！原因・対処法とおすすめ』
自治体での処分も選択肢の一つです。リサイクルセンターや環境課で直接回収している自治体もあります。事前に電話で確認し、持ち込み方法や受付時間を確認することが重要です。
絶対に行ってはならない処分方法として、一般ごみや不燃ごみへの混入、自己分解、水への浸漬などがあります。これらの行為は火災や環境汚染の原因となるため、必ず適切なルートでの処分を選択してください。処分時は必ず事前に受け入れ可能かどうかを確認し、指示に従って安全に処分することが重要です。
iPhoneバッテリー膨張の対応
iPhoneのバッテリー膨張は、Apple製品特有の構造と品質管理を考慮した適切な対応が必要です。正規のサポート体制を活用することで、安全かつ確実な解決が可能となります。
iPhoneでのバッテリー膨張の兆候として、画面の浮き上がり、本体の変形、TouchIDやFace IDの動作不良などが挙げられます。これらの症状は、内部でバッテリーが膨張し、精密な内部構造を圧迫していることを示しています。
iPhoneのバッテリーが膨張した場合は、非常に危険な状態です。発火や爆発、デバイス本体や健康への悪影響が生じるリスクがありますので、すぐに使用を中止し、電源を切る必要があります。
引用元：フラッシュエージェント『iPhoneバッテリー膨張の危険性と対処法』
使用中止後の安全対策として、充電を完全に停止し、アクセサリーをすべて取り外します。また、ケースを装着している場合は慎重に取り外し、本体への圧迫を避けます。高温環境や直射日光を避け、安全な場所で一時保管することが重要です。
自己修理は絶対に避けるべき行為です。iPhoneの内部構造は非常に精密であり、素人が分解を試みることで重大な事故を引き起こす可能性があります。また、自己修理により保証が無効になるリスクもあります。
Apple正規サービスでの対応が最も安全で確実な方法です。
Apple Storeや正規サービスプロバイダ、信頼できる修理店に相談し、バッテリー交換を依頼しましょう。
引用元：乙訓スマホ修理『スマートフォンのバッテリー膨張について』
Apple Store、Apple正規サービスプロバイダー、Apple認定修理業者での診断と修理を受けることで、専門的な技術による安全な対処が可能となります。
データのバックアップも忘れてはならない重要な作業です。膨張により本体が起動しなくなる前に、iCloudやiTunesを使用して完全なバックアップを作成します。これにより、修理後や機種変更時にデータを復元できます。
修理期間中の代替機についても検討が必要です。Apple Storeやキャリアショップでは、修理期間中の代替機レンタルサービスを提供している場合があります。事前に確認し、必要に応じて利用を検討してください。処分や修理を行う前には、必ず専門店に相談し、適切な対応方法を確認することが安全確保の鍵となります。
iPhoneバッテリー膨張無償交換
iPhoneのバッテリー膨張における無償交換の適用条件と手続きについて、正確な情報を把握することで適切なサポートを受けることができます。保証制度を理解し、賢明な判断を行うことが重要です。
無償交換の基本的な適用条件として、Apple製品限定保証期間内（購入から1年以内）での自然故障が挙げられます。
購入から1年以内で自然故障やバッテリー膨張が認められた場合、無償交換の対象となります。AppleCare+に加入していて、バッテリーの最大容量が80%未満の場合は、無償でバッテリー交換が受けられます。
引用元：楽天モバイル『iPhoneのバッテリー交換について』
AppleCare+加入者には特別な優遇措置があります。通常のバッテリー劣化基準（最大容量80%未満）に加え、膨張が自然故障と判断された場合は、容量に関係なく無償交換の対象となる可能性があります。
キャリアの保証サービスも選択肢の一つです。docomo、au、SoftBankなどの大手キャリアでは、独自の保証サービスを提供しており、膨張などの不具合に対して無償または低額での交換サービスを行っている場合があります。
診断プロセスでは、Apple正規サービスにて専門的な検査が行われます。バッテリーの膨張原因が製品不良によるものか、使用者の過失によるものかが判定され、その結果に基づいて無償交換の適用が決定されます。
バッテリー膨張は安全上の問題とみなされるため、保証期間内・AppleCare+加入中であれば、最大容量にかかわらず無償交換となるケースが多いです。
引用元：ケータイWatch『AppleCare+でのバッテリー交換体験レポート』
手続きに必要な書類として、購入証明書、本人確認書類、保証書（AppleCare+の場合）を準備します。また、事前にApple IDでのサインインとデバイスの登録確認を行うことで、スムーズな手続きが可能となります。
無償交換が適用されない場合の有償交換費用についても事前に確認が必要です。モデルによって11,200円から19,400円程度の費用が発生するため、修理か機種変更かの判断材料として活用できます。申請前には必ず正規サービスで診断を受け、適用条件を満たしているかどうかを確認することが重要です。
自治体別バッテリー処分ルール
膨張したバッテリーの処分ルールは自治体により大きく異なるため、居住地域の具体的な規則を確認することが適切な処分への第一歩となります。全国的な傾向を把握しつつ、地域特有のルールに従うことが重要です。
東京都内の自治体では、区ごとに大きく異なる対応が見られます。
千代田区では月2回の蛍光管等の回収日に出すか、地域によっては燃やさないごみとして処分可能である。中央区では燃やさないごみの日に他のごみと分けて出すか、区内8か所の回収ボックスまたは土曜日の小学校回収を利用できる。
引用元：ウェディング・ショーケース『東京都内自治体のリチウムイオン電池処分方法』
一方で、港区・新宿区・文京区・世田谷区・渋谷区・豊島区・北区・板橋区・足立区・江戸川区では、自治体による回収を行っておらず、JBRC回収協力店への持ち込みが必要となります。
関東地方の他の自治体でも独自の対応が見られます。
横浜市では、リサイクルマークのある小型充電式電池は「小型充電式電池リサイクルボックス」での回収が原則だが、バッテリーの取り外しができない小型家電については例外的に「燃やすごみ」として収集を認めている。
品川区では令和6年9月から「陶器・ガラス・金属ごみ」の日にモバイルバッテリーの回収を開始し、膨張したバッテリーも戸別収集で対応しています。江東区では燃やさないごみの日に回収を行っており、膨張した電池についても「膨張電池」と記載して単体で出すことが可能です。
地方自治体の特殊な対応事例として、千葉市ではリチウムコイン電池は有害ごみとして処分可能ですが、その他のリチウムイオン電池は清掃施設への持ち込みが必要となります。市川市ではリサイクルマーク表示の有無により処分方法が異なり、表示のないものは有害ごみで処分します。
九州地方では、福岡市で7月から9月まで回収ボックスの設置を停止する期間があり、この間はJBRCの回収ボックスや販売店への相談、または福岡県産業資源循環協会を通じた産廃業者への依頼が必要となります。
沖縄県那覇市では、JBRC回収対象の充電式電池については回収協力店への持ち込みを推奨し、JBRC回収対象外の電池については製造業者または輸入販売業者への問い合わせを求めている。
引用元：那覇市『解体・有害ごみの出し方』
これらの地域差を踏まえ、処分前には必ず居住自治体の公式ウェブサイトや環境課への問い合わせを行い、最新のルールを確認することが重要です。また、転居の際は新しい自治体のルールを事前に確認し、適切な処分方法を把握しておくことをお勧めします。
バッテリー膨張の捨て方で知っておくべき基本知識
- リチウムイオンバッテリーの膨張は電解質の酸化によるガス発生が主な原因である
- 発生するガスは水素、二酸化炭素、一酸化炭素、メタンなど可燃性のものが多い
- 過充電や過放電、高温環境での使用・保管が膨張の大きな要因となる
- 物理的な衝撃や圧迫により内部構造が損傷し異常なガス発生につながる
- 製造不良や品質の低い製品では早期に膨張が発生する可能性が高い
- 膨張したバッテリーは内部に可燃性ガスが蓄積され爆発の危険性がある
- わずかな火花や摩擦によって瞬時に燃焼し爆発的な反応を引き起こす
- 名古屋市では年間40件以上の火災がモバイルバッテリーを原因として発生している
- 環境省が2025年4月に全市町村に対してリチウムイオン電池の分別回収徹底を通知した
- 膨張したバッテリーを元の状態に戻すことは技術的にも安全上も不可能である
- 冷却や圧迫による膨張抑制は根本的解決にならず危険性が増す場合がある
- 膨張したバッテリーに穴をあけてガスを抜く行為は極めて危険で絶対に避けるべきである
- 穴あけにより内部の電解液が空気と反応し瞬時に発熱・発火・爆発が起こる可能性がある
- 自己流のガス抜きは発火や爆発、健康被害などの重大なリスクを伴う
- 専門家やメーカーは膨張したバッテリーの速やかな使用中止と適切な処分を強く推奨している