マキタの電動工具を使っている方なら、「マキタ40Vに18Vのバッテリーは使えるのか?」という疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。マキタの電動工具は18Vシリーズが主流でしたが、2019年10月に発表された40Vmaxシリーズの登場により、多くのユーザーがバッテリーの互換性について悩むようになりました。
この記事では、マキタ40Vと18Vの互換性やバッテリーの特性、互換アダプターADP10の使い方について詳しく解説します。また、40V互換工具のラインナップや36Vと40Vの性能差、18Vとの比較評価なども取り上げ、実際の使用感や評判、失敗事例と回避策についても触れていきます。
40Vmaxシリーズは高性能である一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。これから電動工具を購入しようと考えている方や、すでに18Vシリーズを持っていて40Vmaxへの移行を検討している方にとって、「18Vと40Vどちらがおすすめか」という選択の参考になる情報を提供します。さらに、40Vmaxシリーズの今後の展望や新製品情報も紹介しますので、長期的な視点で工具選びを考えたい方にもお役立てください。
記事のポイント
- マキタの40V工具に18Vバッテリーは直接使用できない
- マキタの互換アダプターADP10は40V充電器で18Vバッテリーを充電するためのもの
- 40Vと18Vシリーズには互換性がなく、それぞれ別のバッテリーシステムを採用している
- DIYなら18V、プロ用途や高負荷作業には40Vが適している
マキタ40Vに18Vは使えるのか?互換性を解説

- マキタ40V互換アダプターADP10の概要と使い方
- マキタ40Vと18Vのバッテリー互換性について
- マキタ40V互換工具の特徴とラインナップ
- マキタ36Vと40Vの互換性と性能差
- マキタ40Vと18Vの性能評価と比較
マキタ40V互換アダプターADP10の概要と使い方
マキタの互換アダプターADP10(A-69967)は、40V用の充電器で18Vバッテリーを充電できるようにするためのアダプターです。このアダプターは上面が18Vと14.4Vバッテリーに対応しており、下面は40Vバッテリーと同じ形状になっています。
このアダプターを使うことで、40V用充電器に18Vバッテリーを取り付けて充電できるため、複数の充電器を持ち運ぶ必要がなくなります。使い方は非常に簡単で、まず40V用充電器に互換アダプターを取り付け、その上に18Vバッテリーをセットするだけです。
また、このアダプターにはマキタ純正品のように空気穴が続いているため、バッテリーを充電しながら冷却することも可能です。マキタの純正充電器は穴から空気を送ることでバッテリーを冷やす設計になっていますが、互換アダプターを使用してもその機能は損なわれません。
ただし、注意点としてこのアダプターは充電器での使用に限定されています。40Vの工具に18Vバッテリーを使用するためのものではないため、工具本体に取り付けても動作しません。実際に検証した結果、互換アダプターは40Vインパクトドライバーへ取り付けができない設計になっているのです。
互換アダプターADP10の価格はAmazonで3,700円程度(マキタ正規品)となっており、40V用充電器1つで14.4V、18V、40Vのバッテリーを充電できるようになるため、複数のバッテリーを使うことが多い方にとって大変便利なアイテムです。
マキタ40Vと18Vのバッテリー互換性について
マキタの40Vバッテリーと18Vバッテリーには互換性がありません。これは形状が全く異なるためで、40Vバッテリーを18V製品に使用することも、18Vバッテリーを40V製品に使用することもできない設計になっています。
この互換性のなさは、マキタが意図的に設計したものです。互換アダプターADP10を使っても、これは充電にのみ対応しており、40V工具に18Vバッテリーを取り付けて使うことはできません。実際に検証したところ、互換アダプターの赤丸部分がインパクトドライバーに引っかかるように設計されており、充電器以外には取り付けできないようになっています。
この設計には理由があります。マキタは40Vmaxシリーズを36Vバッテリーを採用した専用設計にすることで、端子接点を大きく取り、バッテリー接続時の信頼性を向上させています。また、新たに防水防じん規格IP56に適合したバッテリーを開発することで、耐久性と信頼性を高めているのです。
一方でこの互換性のなさは、すでに18Vシリーズのツールを多数持っているユーザーにとって、新たに40Vシリーズを導入する際のハードルになっています。バッテリーを別々に用意する必要があるため、コスト面でも負担が大きくなります。
今後40Vmaxシリーズの製品ラインナップが拡充されていくことが予想されますが、互換性については変わらない見込みです。そのため、工具を選ぶ際には自分の用途に合わせて、どちらのシリーズを中心に揃えるか検討することが重要になります。
マキタ40V互換工具の特徴とラインナップ
マキタの40Vmax(正確には36V)シリーズは、高電圧を活かした高出力・高耐久性が特徴の製品ラインナップです。2019年10月に発表されたこのシリーズは、現在では110製品以上(2022年4月時点)にまで拡大しています。
このシリーズの製品は、主に高負荷作業や連続作業に適しており、電圧が高いことでモーターへの電流を減らし、熱損失を抑える設計になっています。これにより、熱暴走によるモーターストップまでの時間を遅らせ、長時間の連続作業が可能になるのです。
具体的なラインナップとしては、インパクトドライバー、丸ノコ、ハンマードリル、ディスクグラインダー、草刈機など、様々な工具が揃っています。特に固着したネジの取り外し、125mmほどのコーススレッドの打ち込み、M16サイズのボルト締め、直径50mmの穴あけなど、大きな力が必要な作業に適しています。
一方で、注意点としては通常のネジ締めではパワーが強すぎるため、弱設定で使う必要があります。また、40Vmaxシリーズは18Vシリーズに比べて重量があるため、持ち運びや長時間の作業では負担が大きくなることもあります。
また、特筆すべき点として40Vmaxシリーズには「80Vmax」という拡張規格もあります。これは40Vmaxバッテリーを2本使用してさらに高出力を実現するもので、従来エンジン機器が中心だった建築分野や園芸分野での脱エンジン化を促進する可能性があります。マキタは2022年3月31日をもってエンジン製品の生産を終了しており、充電式製品へのシフトを進めています。
マキタ36Vと40Vの互換性と性能差
マキタの36Vと40Vmaxは基本的に同じバッテリーを指しています。実は、マキタの40Vmaxシリーズは厳密には40Vの電圧ではなく、3.6Vのバッテリーセルを10個使用しているため、3.6V×10=36Vとなっています。
しかし、使用しているリチウムイオンバッテリーのセルは満充電時に4.0V~4.2V近い数値になることから、「40Vmax」という表記になっているのです。つまり、満充電時には40V近い電圧を発揮することを示しています。
この表記になった理由としては、競合他社との差別化が挙げられます。特にライバル社であるHiKOKIは2017年8月の時点で「マルチボルトシリーズ」として36Vバッテリー搭載モデルを展開していました。マキタはこれに対抗するため、あえて「40Vmax」という表記を採用したと考えられます。
性能面では、同じ36Vシステムを基盤としていますが、マキタの40Vmaxシリーズは専用設計されているため、端子接点が大きく取られており、バッテリー接続の信頼性が向上しています。また、マキタの40Vmaxバッテリーは電動工具業界では初となる防水防じん規格「IP56」に適合しているという特徴もあります。
一方で、HiKOKIのマルチボルトシリーズとの大きな違いは互換性です。HiKOKIのマルチボルトバッテリーは36Vモデルと18Vモデルの両方で使用できますが、マキタの40Vmaxバッテリーは専用モデルでしか使用できません。これは専用設計による信頼性向上と引き換えに、互換性を犠牲にした結果といえるでしょう。
マキタ40Vと18Vの性能評価と比較
マキタの40Vmaxシリーズと18Vシリーズには明確な性能差があります。40Vmaxシリーズは高電圧化によって、より大きなトルクや出力を発揮でき、18Vシリーズでパワー不足を感じる場面でもスムーズに作業が行えます。
例えば、インパクトドライバーの場合、40Vmaxシリーズの最大トルクは220N・mで、18Vシリーズよりも高いパワーを発揮します。これにより、固着したネジの取り外しや太いネジの打ち込みなど、高負荷作業での性能差が顕著になります。
また、40Vmaxシリーズはモーターへの電流を減らすことで熱損失を抑える設計になっています。これにより、長時間の連続作業でも熱暴走によるモーターストップが起きにくく、安定した出力を維持できます。さらに「スマートシステム」を搭載しており、バッテリーが空になる直前までハイパワーを維持し続けるのも特徴です。
一方、18Vシリーズの強みは軽量でコンパクトな設計にあります。例えば、インパクトドライバーの比較では、40Vmaxシリーズは重量があるため長時間の使用では疲労が大きくなることがあります。また、18Vシリーズは価格が比較的手頃で、ラインナップも豊富なため、様々な用途に適したツールを選びやすいという利点があります。
注目すべき点として、バッテリーの仕事量をWh(ワットアワー)に変換すると、18V×6.0Ah=108Whに対し、36V×2.5Ah=90Whとなり、同じ容量でも18Vシリーズのほうが仕事量が多くなる場合があります。このため、一般的な作業では18Vシリーズで十分であり、特殊な高負荷作業や連続作業が必要な場合に40Vmaxシリーズが活きるといえるでしょう。
選択するポイントとしては、DIYなど一般的な使用であれば18Vシリーズ、プロユースや特に高負荷作業が多い場合は40Vmaxシリーズがおすすめです。ただし、バッテリーの互換性の問題もあるため、すでに持っている工具との兼ね合いも考慮する必要があります。
マキタ40Vmaxの電動工具は使える?18Vとの比較

- マキタ40Vmax失敗事例と回避策
- マキタ40Vのデメリットと注意点
- マキタ40Vmaxの評判と実際の使用感
- マキタ40Vmaxの今後と将来性
- マキタ40Vmax新製品情報と展望
- マキタ18Vと40Vどっちがおすすめか
マキタ40Vmax失敗事例と回避策
マキタの40Vmaxシリーズを購入して失敗したと感じる方の声は少なくありません。主な失敗事例としては、そもそも40Vmaxほどの出力が必要なかったというケースが多く見られます。
一般的な家庭でのDIYや軽作業では18V製品でも十分なパワーがあるため、40Vmaxの高出力を活かせる場面がなかったという声が聞かれます。特に通常のネジ締めではパワーが強すぎるため、ネジ頭が破損するリスクもあります。こうした状況を避けるには、購入前に自分がどのような作業に使うのかをしっかり考えることが大切です。
また、コストの高さに関する失敗も多いようです。40Vmaxシリーズは高性能である分、価格も高く設定されています。例えば、最新のインパクトドライバーTD002GRDXは税別73,000円と高額です。さらに付属するバッテリーの容量が2.5Ahと比較的小さいこともあり、コストパフォーマンスの面で不満を感じるケースがあります。
これを回避するには、まず本当に40Vmaxの性能が必要かを見極め、必要であれば長期的な視点でコストを考えることが重要です。また、初めから高容量バッテリーがセットになったモデルを選ぶことで、後から追加購入する手間やコストを減らせます。
さらに、バッテリーの互換性の問題も大きな失敗要因です。マキタの40Vmaxシリーズは同シリーズ内でしか互換性がなく、既存の18Vツールとバッテリーを共有できません。そのため、両方のシリーズを使い分ける場合、バッテリーや充電器を二重に用意する必要があります。
この問題を緩和するには、互換アダプターADP10を活用して充電器を共有化したり、まとまった作業ごとにどちらのシリーズを使うか明確に分けたりする工夫が必要です。あるいは新規に電動工具を揃える段階であれば、どちらかのシリーズに統一することも検討すべきでしょう。
マキタ40Vのデメリットと注意点
マキタの40Vmaxシリーズには多くのメリットがある一方で、いくつかの重要なデメリットも存在します。これらを理解しておくことで、購入後の後悔を防ぐことができるでしょう。
最も大きなデメリットは18Vシリーズとの互換性のなさです。マキタはあえて40Vmaxシリーズを専用設計にすることで性能向上を図りましたが、その代償として既存の18Vバッテリーや充電器が使用できなくなりました。既に多くの18V製品を持っているユーザーにとって、これは大きなハードルとなります。
例えば、現場に両方のシリーズの工具を持っていく場合、それぞれのバッテリーと充電器も持参する必要があります。これは荷物の増加と管理の煩雑さを招きます。互換アダプターADP10は充電器の共有化には役立ちますが、工具本体での互換性は解決できません。
次に注意すべき点は重量です。40Vmaxシリーズは高出力を実現するため、バッテリーも含めて全体的に重くなっています。長時間の作業や高所での作業では、この重量差が疲労につながることがあります。特に天井作業や細かい作業が多い方は、この点を考慮する必要があるでしょう。
また、バッテリーの作業量については意外な事実もあります。容量を比較すると、18V×6.0Ah=108Whに対して36V×2.5Ah=90Whとなり、同じ容量比較では18Vシリーズの方が作業量が多くなることがあります。高出力を求めるあまり、作業時間を犠牲にしてしまう可能性もあるのです。
さらに価格面では、40Vmaxシリーズは明らかに高額です。バッテリー単体でもBL4040(4.0Ah)は28,700円、高出力タイプのBL4050F(5.0Ah)になると39,200円と、18Vバッテリーに比べて1.5〜2倍程度高価になります。この初期投資の高さは、特に一般のDIY愛好家にとって大きな負担となるでしょう。
マキタ40Vmaxの評判と実際の使用感
マキタの40Vmaxシリーズに関する評判は、使用する人の環境や用途によって大きく分かれています。プロの職人や本格的なDIY愛好家からは高い評価を得ている一方、一般的な使用では過剰スペックと感じる声も少なくありません。
プロユーザーからの評価では、そのパワフルさと耐久性が特に称賛されています。40Vmaxシリーズは高電圧化によってモーターへの電流を減らし、熱損失を抑える設計になっているため、長時間の連続作業でも安定したパフォーマンスを発揮します。特に建設現場や大型DIYプロジェクトでは、この特性が大きな強みとなっています。
使用感としては、固着したネジの取り外しや太いコーススレッドの打ち込み、大径の穴あけなど、高負荷作業での性能差が顕著です。18Vシリーズでは力不足を感じる場面でも、40Vmaxシリーズならスムーズに作業が進められるという声が多く聞かれます。
また、バッテリーの持続力についても良い評判があります。「スマートシステム」を搭載しているため、バッテリー残量が少なくなっても最後まで高出力を維持できる点が実用的と評価されています。これは、作業途中でパワーが落ちることによるストレスを軽減します。
一方で、重量に関しては評価が分かれます。40Vmaxシリーズは18Vシリーズに比べて重いため、長時間の使用や細かい作業では扱いにくいと感じるユーザーもいます。特に天井作業などでは、この重量差が疲労につながることもあるようです。
草刈機などの園芸用途では、40Vmaxシリーズの評判は概ね良好です。従来のエンジン式に比べて始動の手間がなく、振動や騒音も少ないため使いやすいという声が多いです。マキタが2022年3月にエンジン製品の生産を終了したこともあり、充電式への移行を検討するユーザーにとって40Vmaxシリーズは有力な選択肢となっています。
総じて、40Vmaxシリーズは高出力が必要な作業や長時間の連続作業に適しており、そうした用途であれば投資に見合う価値があると評価されています。しかし、一般的な家庭用途やDIYでは必ずしも必要ではなく、18Vシリーズでも十分というのが多くのユーザーの実感のようです。
マキタ40Vmaxの今後と将来性
マキタの40Vmaxシリーズは2019年10月に発表されてから着実にラインナップを拡大し、2022年4月時点で110製品に達しています。これは先行していたHiKOKIのマルチボルトシリーズの69製品を上回るペースであり、マキタが40Vmaxシリーズを今後の主力製品として位置づけていることがうかがえます。
電動工具の歴史を振り返ると、主流電圧が14.4Vから18Vに移行するのに約15年かかりました。同様のペースで考えると、40V系の電圧が一般的になるまでにはまだ時間がかかるでしょうが、徐々に高電圧化は進むと予想されます。特にプロ向けの高負荷作業を前提とした製品では、40Vmaxシリーズが今後さらに普及する可能性が高いです。
マキタが2022年3月末でエンジン製品の生産を終了したことも、充電式製品、特に高出力な40Vmaxシリーズの重要性を高めています。環境問題への配慮や充電式製品の需要拡大を踏まえた戦略転換であり、今後はエンジン機器に代わる高出力電動工具として40Vmaxシリーズがさらに注目されるでしょう。
また、80Vmaxという拡張規格も注目に値します。これは40Vmaxバッテリーを2つ使用してさらなる高出力を実現するもので、従来エンジン機器しか対応できなかった分野にも電動工具が進出する可能性を示しています。特に建設現場や大規模な造園作業など、高負荷が求められる分野での活用が期待されます。
ただし、18Vシリーズが依然として多くのユーザーに支持されている現状では、当面は両シリーズが並行して発展していくと考えられます。18V製品の方が価格面でも使いやすさの面でも優位性があるため、一般的なDIYユーザーや軽作業を中心とするプロユーザーにとっては引き続き18Vシリーズが主流となるでしょう。
マキタとしては、40Vmaxシリーズと18Vシリーズの棲み分けをより明確にしながら、それぞれの特性を活かした製品開発を進めていくことが予想されます。将来的には、両シリーズの間に何らかの互換性を持たせる技術革新も期待されるところです。
マキタ40Vmax新製品情報と展望
マキタの40Vmaxシリーズは発売以来急速にラインナップを拡充しており、今後も新製品の投入が期待されています。現在の主力製品としては、インパクトドライバー、丸ノコ、ハンマードリル、ディスクグラインダー、草刈機などがありますが、さらに専門的な用途向けの製品も増えています。
最近の新製品としては、40Vmaxバッテリーを使用した集塵機能付きのブロワーや、高性能な園芸用機器が注目を集めています。マキタがエンジン製品の生産を終了したことから、これまでエンジンが主流だった分野にも40Vmaxシリーズの製品が投入されつつあります。
特に注目されているのが80Vmaxシリーズの展開です。この規格は40Vmaxバッテリーを2つ使用することで、より高い出力を実現するもので、大型の芝刈機や、これまで有線やエンジンでしか対応できなかった大型工具にも充電式の選択肢を提供しています。
バッテリー技術についても進化が期待されます。現在の主力バッテリーであるBL4040(4.0Ah)、BL4050F(5.0Ah)、BL4080F(8.0Ah)は、それぞれ異なる出力特性を持っていますが、今後はさらに高容量・高出力のバッテリーや、充電時間の短縮、自己診断機能の向上などが見込まれます。
また、スマート化も進んでいます。一部のモデルではすでにBluetoothによる工具管理機能が導入されていますが、今後はより広範な製品でこうした機能が標準化されると予想されます。これにより、バッテリー残量の遠隔確認や作業データの記録、盗難防止機能など、より便利な使用環境が実現するでしょう。
展望としては、40Vmaxシリーズと18Vシリーズの棲み分けがより明確になりつつも、何らかの形で互換性を持たせる技術的解決策が模索される可能性があります。ユーザーからの要望が高いこの点について、マキタが今後どのような対応を見せるかは大きな注目点です。
製品ラインナップとしては、特に建設・土木分野や園芸分野で40Vmaxシリーズの新製品が増えると予想されます。これまでエンジン機器が主流だった分野でも、環境配慮の観点から充電式への移行が進むことで、40Vmaxシリーズの重要性はさらに高まっていくでしょう。
マキタ18Vと40Vどっちがおすすめか
マキタの18Vシリーズと40Vmaxシリーズ、どちらを選ぶべきかは使用目的や環境によって大きく異なります。ここでは、それぞれの特性を踏まえたおすすめの選び方を解説します。
まず、DIYや一般家庭での使用であれば、18Vシリーズがおすすめです。18Vシリーズは軽量でコンパクト、価格も手頃であるため、初めて電動工具を使う方や、時々の修繕作業に使いたい方に適しています。通常の木材加工や家具の組み立て、壁への穴あけなどの一般的な作業では、18Vシリーズで十分なパワーを発揮します。
また、18Vシリーズは製品ラインナップが非常に豊富で、様々な種類の工具が揃っているのも魅力です。同じバッテリーを複数の工具で使いまわせるため、経済的にもお得です。例えば、インパクトドライバーを購入した後に、同じバッテリーで使える丸ノコやマルチツールなどを追加していくことができます。
一方、40Vmaxシリーズが真価を発揮するのは、より高負荷な作業や長時間の連続作業が必要な場合です。プロの建設業者や、大規模なDIYプロジェクトを行う方、厚い木材や硬い材料を頻繁に加工する方には40Vmaxシリーズがおすすめです。特に固着したネジの取り外しや大径の穴あけ作業では、40Vmaxシリーズの高出力が大きなアドバンテージとなります。
また、草刈りや庭木の剪定など園芸作業が多い方にも40Vmaxシリーズが向いています。従来のエンジン式に比べて始動が簡単で、振動や騒音も少ないため、使いやすさが大幅に向上します。特に広い敷地の管理や、プロの造園業者には40Vmaxシリーズの草刈機やチェーンソーなどが有用です。
予算面では、18Vシリーズが圧倒的に優位です。ただし、「安いから」という理由だけで18Vを選ぶと、使用中にパワー不足を感じて結局40Vmaxシリーズも購入することになり、トータルでは割高になる可能性もあります。そのため、最初にしっかりと自分の作業内容を見極めることが重要です。
すでにマキタの18V製品を持っている場合は、同じシリーズで揃えるほうが合理的です。バッテリーの互換性がないため、両方のシリーズを持つとバッテリー管理が煩雑になります。ただし、特定の作業には40Vmaxシリーズのパワーが必要と判断したら、互換アダプターADP10を活用して充電器は共有化するなどの工夫も考えられます。
このように、18Vと40Vどちらを選ぶかは一概には言えませんが、使用頻度、作業内容、予算などを総合的に考慮して判断することをおすすめします。どちらも優れた製品シリーズであり、用途に合わせた選択が最良の結果につながるでしょう。
マキタ40Vに18Vは使えるのか?互換性と対策のまとめ

- マキタの40Vと18Vのバッテリーには互換性がない
- 互換アダプターADP10は40V充電器で18Vバッテリーを充電するためのもの
- 40Vの工具に18Vバッテリーを使用することはできない
- 互換アダプターは充電器での使用に限定されている
- 40Vmaxの正確な電圧は36V(3.6V×10セル)である
- 40Vmaxは18Vより高トルク・高出力を実現している
- 40Vmaxシリーズは2019年10月に発表され現在110製品以上展開
- 40Vmaxは防水防じん規格IP56に適合している
- 40Vmaxには80Vmaxという拡張規格もある
- 18Vシリーズは軽量・コンパクトで価格が手頃という利点がある
- 18V×6.0Ah=108Whに対し36V×2.5Ah=90Whとなり作業量差がある
- DIYや一般家庭用途なら18Vシリーズが適している
- プロユースや高負荷作業には40Vmaxシリーズが適している
- マキタは2022年3月末でエンジン製品の生産を終了した
- 今後も両シリーズは並行して発展していく見込み