マキタ36Vチェーンソー比較!赤と青の違いと選ぶポイント解説

マキタ36Vチェーンソー比較!赤と青の違いと選ぶポイント解説

マキタ36Vチェーンソーは、エンジン式30mLクラスと同等の切断能力を持ちながら、バッテリー駆動の利便性を兼ね備えた人気の電動工具です。18Vバッテリーを2本使用して駆動する仕組みで、既存のマキタ製品とのバッテリー互換性も魅力の一つです。本記事では、マキタ36Vチェーンソーの性能評価、18Vモデルとの違い、さらに上位機種である40Vmaxとの比較、そして赤色と青色のボディカラーの違いまで詳しく解説します。

また、他メーカーのチェーンソーとの性能比較や、用途別におすすめのモデルもご紹介。初めて購入を検討される方のために正しい操作方法や替え刃の選び方、メンテナンス情報も盛り込みました。さらに、充電式チェーンソーのデメリットやエンジン式との違いについても触れ、実際の使用レビューと評価をもとに、あなたに最適なマキタ36Vチェーンソーの選び方をご案内します。DIY愛好家からプロまで、様々なニーズに応える情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

記事のポイント

  • マキタ36Vチェーンソーの性能と特徴(エンジン式30mL相当の高性能)
  • 18Vモデルや40Vモデルとの違いと選び方の基準
  • 赤色と青色のボディの違い(チェーン形式の違い)
  • 充電式の利点とデメリット(静音性や手軽さと保護機能による停止など)
目次

マキタ36Vチェーンソーの特徴と基本情報

マキタ36Vチェーンソーの特徴と基本情報
  • マキタチェーンソー|36Vの性能評価
  • マキタチェーンソー|18Vと36Vの違い
  • マキタチェーンソー|40Vとの比較
  • マキタチェーンソー|赤と青の違い
  • マキタチェーンソー|他モデルとの比較

マキタチェーンソー|36Vの性能評価

マキタの36Vチェーンソーは、30mLクラスのエンジン式と同等のパワーを持ち、プロの現場でも十分活用できる性能を備えています。スプロケットノーズバー仕様で先端部のスプロケット(歯車)がチェーンの回転抵抗を減らし、パワーを最大限に伝達する設計になっています。

ブラシレスモーター(アウタロータ)とダイレクトドライブの組み合わせにより、外側のモーターが回転する仕組みで極めて高いトルクを実現しています。これにより、エンジン式に匹敵する高回転を達成し、木材の切断作業をスムーズに行えます。

チェーンスピードは最大20m/s(1200m/分)で、1充電あたりの作業量は杉丸太(直径200mm)約54本、杉角材(50mm)約650本を切断できます。これだけの作業量があれば、一般的な作業現場での使用にも十分対応できるでしょう。

ただし、硬い木材や太い丸太の連続切断では、保護機能が働いてモーターが停止することがあります。これは、バッテリーやモーターの故障を防ぐための機能ですが、作業効率が落ちる要因になることもあります。そのため、高負荷の作業では、引金を緩めたり引いたりを繰り返しながら調整する技術が必要です。

重量面では、バッテリーを含めて約5.2kg(350mmモデル)と、エンジン式と比較しても遜色ない軽さです。この軽量設計により、長時間の作業でも疲労を軽減できます。

マキタチェーンソー|18Vと36Vの違い

マキタのチェーンソーには18Vと36Vのモデルがありますが、最も大きな違いは出力とガイドバーの長さです。18Vモデルは単一バッテリーで動作する軽量タイプで、排気量23mL相当のパワーを持ちます。一方、36Vモデルは18Vのバッテリーを2本使用して駆動し、排気量30mL相当の高出力を実現しています。

ガイドバーの長さは、18Vモデルが100mm~125mm程度であるのに対し、36Vモデルは250mm~400mm程度と長くなっています。この違いにより、切断できる木材の太さが大きく変わります。18Vモデルは細い枝や小径木の切断に向いているのに対し、36Vモデルはより太い木材や丸太の切断が可能です。

重量面では、18Vモデルがバッテリー込みで約3.0kgと軽量なのに対し、36Vモデルは約4.5kg~5.2kgとやや重くなります。このため、18Vモデルは高所作業や細かい作業に適している一方、36Vモデルはより本格的な地上での切断作業に向いています。

チェーンスピードも異なり、18Vモデルは最大22.5m/s(1,350m/分)と高速である一方、36Vモデルは最大20m/s(1,200m/分)とやや遅めです。しかし、36Vモデルは高トルクなため、硬い木材の切断でもパワーが落ちにくい特徴があります。

バッテリーの互換性という点では、36Vモデルは18Vシリーズと同じバッテリーを2本使用するため、すでに18V機種の電動工具を持っている方にとっては、バッテリーを共用できる大きなメリットがあります。このように、用途や作業環境に応じて最適なモデルを選ぶことが重要です。

マキタチェーンソー|40Vとの比較

マキタの40Vmaxチェーンソーは、36Vモデルよりさらに高性能な位置づけとなっています。排気量相当で見ると、36Vモデルが30mL相当であるのに対し、40Vmaxモデルは30~42mL相当とパワフルで、より高負荷の作業に適しています。

チェーンスピードも40Vmaxモデルは最大25.5m/s(1,530m/分)と、36Vモデルの20m/s(1,200m/分)より高速です。この高速回転により、切断効率が向上し、より短時間で作業を完了できます。

マキタ独自のスマートシステムを採用した40Vmaxシリーズは、最適給電と最適充電を実現し、パワーを最大限に引き出しています。この技術により、高負荷時の作業時間が延長され、連続作業性が向上しています。

耐久性にも大きな差があり、40Vmaxバッテリーは従来バッテリーと比べて耐衝撃性が約40%アップしています。さらに、IP56対応の防じん・防水仕様で、チェーンソー本体もIPX4対応の防水仕様となっているため、雨天時の作業でも安心して使用できます。

一方で、40Vmaxのデメリットとして、バッテリーの互換性が挙げられます。40Vmaxのバッテリーは40Vmaxシリーズにしか使用できず、36Vや18V機では使えません。このため、すでに36Vや18Vのマキタ製品を多く所有している場合、バッテリーを別途購入する必要があります。

重量面では、40Vmaxモデルはバッテリー込みで約6.3kgと、36Vモデルの5.2kgよりやや重くなっています。この重量差は長時間の作業では疲労につながる可能性があるため、作業内容や時間によって選択する必要があるでしょう。

価格については、標準的な40Vmaxモデル(本体のみ)が約75,300円と、36Vモデルの113,700円より安価に設定されていますが、バッテリーと充電器を含めた完全セットでは差が縮まります。作業量や頻度、予算に応じて適切なモデルを選ぶことが重要です。

マキタチェーンソー|赤と青の違い

マキタの充電式チェーンソーには赤色と青色のモデルがありますが、この色の違いは単なるデザインの差ではありません。実は使用するソーチェン(チェーン刃)の形式によって色分けされています。

青色のボディは「91PX-52E」というチェーン形式を採用しています。このタイプは刃数が比較的少なく、キックバック(チェーンソーが作業者に向かって跳ね返る現象)が起こりにくい設計が特徴です。そのため安全性が高く、初心者からベテランまで幅広いユーザーが使いやすいモデルとなっています。また、メンテナンスも比較的簡単で、一般的な用途に適しています。

一方、赤色のボディは「25AP-76E」というチェーン形式を採用しています。このタイプは刃数が多く、より滑らかで繊細な切れ味が特徴です。耐久性にも優れており、プロやセミプロユーザーのハードな作業に最適とされています。ただし、刃が多い分、メンテナンス時に研ぐ回数が増えるというデメリットもあります。

マキタの営業所に確認したところ、DIYモデルとプロ用モデルというような明確な区分けではなく、あくまでチェーン形式の違いによる色分けとのことです。そのため、自分の使用目的や経験に合わせて選ぶとよいでしょう。

刃数の違いを具体的に見てみると、例えば350mmガイドバーモデルの場合、青色の91PX仕様では研がなければならない刃の数が26回であるのに対し、赤色の25AP仕様では38回と約1.5倍になります。現場で毎日複数台のチェーンソーをメンテナンスするプロにとっては、この差は作業効率に大きく影響します。

なお、一般的な使用であれば、どちらのモデルも十分な性能を発揮します。選択の際は、ご自身の使用頻度や作業内容、メンテナンスにかけられる時間なども考慮して決めるとよいでしょう。

マキタチェーンソー|他モデルとの比較

マキタの充電式チェーンソーは、同クラスの他メーカー製品と比較しても高い競争力を持っています。特に36Vモデルの特徴を他社製品と比較しながら見ていきましょう。

まず操作性については、マキタの36Vチェーンソーはワンタッチで電源ONになるため、エンジン式のような始動の手間がありません。変速トリガースイッチを採用しており、引き具合で簡単にスピード調整ができるのも大きな特徴です。これは他メーカーの製品にも見られる機能ですが、マキタの場合は反応が良く、細かな調整がしやすい設計になっています。

金属製スパイクバンパーを装備している点も注目すべき特徴で、木材にしっかり噛み込ませることで本体を安定させられます。また、チェーンオイル残量が一目で確認できる窓や、工具なしでチェーン調整ができる機構も搭載し、現場での使いやすさを追求しています。

パワー面では、マキタの36Vモデルは30mLエンジン式と同等の切断能力を持ち、最大20m/s(1,200m/分)のチェーンスピードを実現しています。これは同クラスの他社製品と比較しても遜色ない性能です。さらに、定回転制御搭載により負荷がかかってもチェーンスピードが落ちにくいという特長があります。

バッテリー性能に関しては、18Vのバッテリーを2本使用する方式を採用しているため、すでにマキタの18V製品を持っている場合は互換性があるというメリットがあります。これは他メーカーにはない強みと言えるでしょう。

安全面でも、キックバックブレーキの搭載や、使用せずに1分経過すると自動的に電源がOFFになる機能など、使用者の安全を考慮した設計になっています。この点は各メーカーとも注力している部分ですが、マキタの場合はフロントハンドガードの形状や反応の良さに定評があります。

ただし、高負荷時の保護機能による自動停止は、マキタに限らず充電式チェーンソー全般の課題です。連続的な高負荷作業では、エンジン式に比べると効率が落ちる可能性があることを念頭に置く必要があります。

マキタ36Vチェーンソーの選び方と活用法

マキタ36Vチェーンソーの選び方と活用法
  • マキタチェーンソー|充電式のおすすめモデル
  • マキタ36Vチェーンソーの正しい操作方法
  • マキタチェーンソーの替え刃情報
  • 充電式チェーンソーのデメリットとは
  • マキタチェーンソー|エンジン式との違い
  • マキタ36Vチェーンソー|使用レビューと評価

マキタチェーンソー|充電式のおすすめモデル

マキタの充電式チェーンソーには様々なモデルがありますが、用途に応じて最適なものを選ぶことが重要です。一般的な庭木の剪定や薪づくりには、MUC353DZ(青色・91PX仕様)がバランスの良いモデルとしておすすめです。このモデルは350mmのガイドバーを装備し、取り回しのしやすさとパワーのバランスが優れています。

より軽量なモデルを求める方には、MUC303DZがぴったりでしょう。300mmのガイドバーで本体重量が軽く、俊足高トルク仕様となっているため、細かい作業や高所での使用に適しています。刃を研ぐ回数も23回と少なめで、メンテナンスの手間も軽減できます。

プロの現場で使用する方には、MUC353DGFR(赤色・25AP仕様)が最適です。このモデルは刃数が多く、滑らかな切れ味と高い耐久性を兼ね備えています。ただし、連続負荷をかけるような作業では、モーター加熱やバッテリー加熱が早く発生する点に注意が必要です。

より太い木材を切断する機会が多い方には、ガイドバーが最長のMUC400DZFがおすすめです。400mmのガイドバーを備え、一度に切断できる範囲が広がります。ただし、長いガイドバーはスピードやパワー、トルクと引き換えになる面もあるため、用途に合わせて選択しましょう。

また、最新鋭のモデルとして、40Vmaxシリーズの「MUC018GZR1」も注目に値します。エンジン式30~42mL相当のハイパワーと、最大25.5m/s(1,530m/分)の高速チェーンスピードを備え、プロの現場でのハードな使用にも対応します。

どのモデルを選ぶ際も、バッテリーと充電器が付属するセット品(型番の末尾がPG2やDGFRなど)と、本体のみの製品(型番の末尾がZやDZなど)があるので、すでにマキタの製品を持っている方は本体のみの購入も検討するとコスト面で有利になるでしょう。

マキタ36Vチェーンソーの正しい操作方法

マキタ36Vチェーンソーを安全に使用するためには、正しい操作方法を理解することが重要です。まず使用前に、2つの18Vバッテリーを左右のバッテリーボックスにしっかりと装着します。カチッと音がするまで差し込み、確実にロックされたことを確認しましょう。

使用開始時は、電源スイッチを長押しして電源を入れます。電源ランプが点灯したら準備完了です。次に、ロックオフレバーを握りながら引金を引くとチェーンソーが作動します。この2段階の操作は安全のための機構で、誤って作動させてしまうことを防ぎます。

チェーンソーを使用する際は、両手でしっかりと握り、安定した姿勢を保つことが基本です。フロントハンドルを左手で、リアハンドルを右手で握り、チェーンソーが体から離れた位置になるようにします。切断時は、本体のスパイクバンパーを木材に当て、支点として使うとより安定した作業ができます。

作業中に注意すべき点として、ガイドバーの先端部を木材や障害物に当てないようにすることが挙げられます。先端部が触れるとキックバック(チェーンソーが作業者に向かって跳ね返る現象)が発生し、大変危険です。万が一キックバックが発生した場合は、フロントハンドガードが前方に倒れてキックバックブレーキが作動し、ソーチェンの回転が停止します。

また、チェーンオイルの確認も重要です。オイルタンク部は半透明になっているので、残量を目視で確認できます。オイルが不足すると、ガイドバーやソーチェンの焼き付きの原因となるため、作業前に必ず確認し、必要に応じて補充しましょう。

ソーチェンの張り具合も定期的に確認します。緩すぎるとガイドバーから外れる危険があり、逆に張りすぎると摩擦が増してバッテリーの消耗が早まります。ガイドバーとソーチェン底面が軽く触れる程度の張り具合が適切です。

使用後は電源スイッチをオフにし、バッテリーを取り外して保管します。なお、電源を入れてから1分間操作がないと自動的に電源が切れる機能も備わっていますが、安全のため意識的に電源を切る習慣をつけましょう。

マキタチェーンソーの替え刃情報

マキタのチェーンソーの刃(ソーチェン)は消耗品であり、定期的な交換が必要です。「切断作業時に木くずの長さが短くなってきた」「チェーンソーに体重を掛けないと切れない」といった症状が現れたら、刃の交換時期のサインです。

マキタのチェーンソーはオレゴン社製の刃を採用しています。そのため、替え刃を選ぶ際もオレゴン社の製品を選ぶことが推奨されています。オレゴン社の刃には、1〜3字のアルファベットが記載されており、それぞれの刃の特性を表しています。

例えば、マキタの36V充電式チェーンソーの青色モデル(MUC353DZ)では「91PX-52E」が使用されており、赤色モデル(MUC353DZFR)では「25AP-76E」が使用されています。型番の「-」の前半部分(91PXや25AP)がチェーンのタイプを、後半部分(52Eや76E)がチェーンの長さを表しています。

25AP型は「マイクロチゼルカッター」と呼ばれるタイプで、標準的な切れ味と耐久性を兼ね備えており、バンパードライブリンクという安全機能も装備しています。一方、91PX型は刃数が少なく、キックバックが少ない設計になっているため、初心者でも扱いやすい特徴があります。

替え刃を購入する際は、お使いのチェーンソーのモデル番号を確認し、適合する刃を選ぶことが重要です。マキタのカタログやホームページには、各モデルに対応するオレゴン社の品番が記載されているので、それを参考にするとよいでしょう。

なお、350mmガイドバーのモデルで比較すると、25AP仕様では研ぐ必要のある刃の数が38個あるのに対し、91PX仕様では26個となっています。プロの方で毎晩複数台のチェーンソーのメンテナンスをする必要がある場合は、この刃の数の違いが作業効率に大きく影響するため、選択の際の重要な判断材料となるでしょう。

いずれにせよ、適切な替え刃を使用し、定期的にメンテナンスを行うことで、チェーンソーの性能を最大限に引き出し、安全に長く使用することができます。

充電式チェーンソーのデメリットとは

充電式チェーンソーには多くの利点がありますが、いくつかのデメリットも存在します。最も大きな問題点は、連続作業時の保護機能による自動停止です。負荷がかかり過ぎるとモーターやバッテリーを保護するために自動的に停止する機能が働き、作業の中断を余儀なくされることがあります。

特に硬い木材や太い丸太を切断する際には、この保護機能が頻繁に作動するため、エンジン式のように連続して高負荷の作業を行うことが難しくなります。例えば、木目に平行方向への切断では、ソーチェンの食いつきが悪くなるため、本体を押し込む力が必要となり、その結果モーターへの負荷が大きくなって停止してしまうことがあります。

また、バッテリー駆動であるため、作業時間に制限があります。マキタの36Vチェーンソーは1充電あたり杉丸太(直径200mm)約54本を切断できますが、長時間の作業や大量の切断が必要な場合は、予備バッテリーの準備や充電の時間も考慮する必要があります。

さらに、バッテリーの互換性の問題も挙げられます。例えば、マキタの40Vmaxシリーズは40Vmaxシリーズのみにしか使用できず、36Vや18V機では使えないため、複数の電圧のマキタ製品を所有している場合、バッテリーの管理が煩雑になる可能性があります。

価格面でも、エンジン式に比べると初期投資が大きくなることがあります。特にバッテリーと充電器を含めたセットを購入する場合、コストは高くなりがちです。ただし、長期的に見れば燃料費がかからない分、トータルコストでは充電式のほうが経済的になる可能性もあります。

最後に、耐用年数の問題もあります。バッテリーは使用頻度や保管状態によって劣化していくため、定期的な交換が必要になります。また、電子部品を多く使用しているため、過酷な環境下での使用や長期間の使用による故障リスクもエンジン式よりも高い傾向にあります。

このようなデメリットはありますが、使用目的や作業環境に応じて適切なモデルを選択し、上手に使い分けることで、充電式チェーンソーの利点を最大限に活かすことができるでしょう。

マキタチェーンソー|エンジン式との違い

マキタのチェーンソーには充電式とエンジン式がありますが、両者には明確な違いがいくつか存在します。最も顕著な違いは、騒音レベルです。充電式はモーター駆動のため、エンジン式と比較して圧倒的に静かです。エンジン式は遠くからでもエンジン音が響き渡りますが、充電式は近くでなければ音がほとんど聞こえないため、住宅地での作業にも適しています。

また、始動方法も大きく異なります。エンジン式はリコイルスターターを引いて始動させる必要がありますが、充電式は電源ボタンを押すだけで即座に使用可能です。寒冷時にエンジンがかかりにくい問題もなく、急な作業にもすぐに対応できる手軽さがあります。

メンテナンス面では、充電式のほうが圧倒的に簡単です。エンジン式はキャブレター調整、点火プラグの交換、エアフィルターの清掃など定期的なメンテナンスが必要ですが、充電式はこれらの部品がなく、基本的にはガイドバーとソーチェンのメンテナンスだけで済みます。

燃料の準備と管理も大きな違いです。エンジン式は混合ガソリン(ガソリンとオイルを混合したもの)を用意する必要がありますが、充電式はバッテリーの充電だけで済みます。燃料の調達や保管の手間がなく、可燃物を扱うリスクもないため、安全面でも優れています。

パワーと持続性については、従来はエンジン式に軍配が上がっていましたが、最新の36Vや40Vmaxなどの高電圧モデルでは、30mL〜42mLクラスのエンジン式と同等のパワーを発揮できるようになっています。ただし、高負荷の連続作業ではバッテリーの保護機能が働いてモーターが停止することがあるため、この点ではエンジン式に劣ります。

重量については、バッテリー2個を搭載する36Vモデルで約5.2kg、40Vmaxモデルで約6.3kgと、同クラスのエンジン式とほぼ同等か、やや重いケースもあります。ただし、燃料タンクが空の状態と満タンの状態で重量が変わるエンジン式に対し、充電式は一定の重量を維持するため、作業中のバランスが変わりにくいという利点があります。

これらの違いを踏まえ、作業環境や使用頻度、切断する木材の種類などに応じて、最適なタイプを選択することが重要です。

マキタ36Vチェーンソー|使用レビューと評価

マキタの36Vチェーンソーを実際に使用した評価では、その切断能力の高さが多くのユーザーから支持されています。特に直径200mm程度のナラの生木を木目に対して垂直方向に切断する場合、本体の自重だけでモーターが停止することなくスムーズに切断できる性能は、一般的な家庭での使用には十分と言えるでしょう。

操作性については、エンジン式のような始動の手間がなく、電源スイッチを長押しするだけですぐに作業に取りかかれる点が高く評価されています。変速トリガースイッチの採用により、引金の引き具合でスピードを調整できるため、作業内容に応じた細かなコントロールが可能です。

安全機能も充実しており、キックバックブレーキやチェーンキャッチャーが標準装備されています。キックバックが発生した場合に瞬時にソーチェンの回転を停止させる機能は、初心者でも安心して使用できる大きなポイントです。さらに、電源を入れてから1分間操作がないと自動的に電源が切れる機能も、安全面で評価できます。

バッテリー性能に関しては、6.0Ahのバッテリー2個(計36V)使用時で、杉丸太(直径200mm)約54本または杉角材(50mm)約650本の切断が可能とされています。これは一般的な家庭での剪定作業や薪づくりには十分な容量と言えるでしょう。

ただし、木目に対して平行方向への切断など、高負荷がかかる作業では保護機能が働いてモーターが停止することがあります。これはバッテリーやモーターの故障を防ぐための機能ですが、作業の中断を余儀なくされるため、プロが連続的な高負荷作業を行う場合には注意が必要です。

チェーンオイルの給油システムも使いやすく設計されており、半透明のオイルタンクで残量が確認しやすい点や、オイル吐出量を三段階で調整できる機能は、ユーザーから高い評価を得ています。

メンテナンス性についても、工具レスでソーチェンの張り調整ができる機構や、ガイドバーの取り外しが容易な設計になっているため、日常的なメンテナンスが簡単に行えます。

総合的に見て、マキタの36Vチェーンソーは家庭用から準プロ用途まで幅広くカバーできる性能を持っており、特に静かな作業環境が求められる住宅地や、手軽に使いたいDIY愛好家には最適なチョイスと言えるでしょう。ただし、連続的な高負荷作業やプロの林業での使用には、用途に応じてエンジン式との使い分けも検討する必要があります。

マキタ36Vチェーンソーの基本と選び方まとめ

マキタ36Vチェーンソーの基本と選び方まとめ
  • 30mLクラスのエンジン式と同等のパワーを持つ高性能モデル
  • 18Vバッテリー2本で駆動し、18V製品とのバッテリー互換性がある
  • 最大チェーンスピードは20m/s(1200m/分)で高トルク設計
  • ガイドバー長さは250mm〜400mm程度で太い木材の切断が可能
  • 1充電で杉丸太約54本または杉角材約650本の切断が可能
  • 赤色ボディは25AP仕様、青色ボディは91PX仕様の刃を採用
  • 赤色(25AP)は刃数が多く滑らかな切れ味、青色(91PX)はキックバックが少ない
  • バッテリー込み重量は約5.2kg(350mmモデル)と軽量設計
  • ワンタッチ電源と変速トリガースイッチで操作が簡単
  • 連続高負荷作業では保護機能によるモーター停止に注意が必要
  • 初心者や家庭用なら青色の91PX仕様(MUC353DZ)がおすすめ
  • プロ現場用途には赤色の25AP仕様(MUC353DGFR)が適している
  • 替え刃はオレゴン社製を選び、モデルに合った適合品を使用する
  • エンジン式に比べて騒音が少なく、メンテナンスが簡単
  • モデル選択は作業内容、頻度、予算に応じて最適なものを選ぶべき
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