ヒートガンはDIYや工作、レジン作業など様々な場面で活躍する便利な工具ですが、「急に必要になったけど持っていない」「購入する前に代用できるもので試してみたい」という方も多いでしょう。この記事では、ヒートガンの基本と使い道から、ドライヤーやバーナー、ハンダゴテ、アイロンなどの身近なアイテムを使った代用方法まで詳しく解説します。
100均で手に入る代用品や、レジン作業における効果的な代替手段も紹介していますので、用途に合わせて最適な方法を見つけてください。また、代用品を使う際の安全性についても触れていますので、安心して作業を進めることができます。
すでにヒートガンの購入を検討している方には、ホームセンター・カインズやドンキホーテで入手できる安価なモデルの情報も掲載しています。代用品と本格的なヒートガン、どちらが自分の作業に適しているか、この記事を参考に判断してみてください。
記事のポイント
- ヒートガンが300~600℃の高温を出せる工具で、塩ビパイプ曲げやレジン加工などに使われること
- ドライヤー、バーナー、ハンダゴテ、アイロンなど身近なもので代用できる方法と適した作業
- 代用品それぞれの温度特性や安全な使い方、向いている用途と向いていない用途
- ホームセンターやドンキホーテで3,000円台から購入できる本格的なヒートガンの選び方
ヒートガンとその代用品について

- ヒートガンの基本と使い道
- ヒートガンの代用を選ぶ際の注意点
- ヒートガンの代わりに使っても安全?
- ヒートガンの代用にドライヤーは使える?
- ヒートガンの代用にバーナーを使う方法
ヒートガンの基本と使い道
ヒートガンは高温の温風を出す電動工具で、DIYから工業用途まで幅広く活用されています。見た目はヘアドライヤーに似ていますが、温度が300〜600℃と非常に高温になるのが大きな特徴です。一般的なヘアドライヤーの温風が100〜140℃程度であることを考えると、その差は歴然としています。
ヒートガンの主な用途は多岐にわたります。塩ビパイプの曲げ加工では、パイプに温風を当てることで柔らかくし、思い通りの形に曲げられます。また、シールやラベルの剥がしにも効果的です。粘着テープや頑固なステッカーも、ヒートガンで温めると粘着剤が柔らかくなり、簡単に剥がせるようになります。
電気配線の作業においては、熱収縮チューブの収縮に使われることが多いです。チューブに熱風を当てることで、電線の接続部分をきれいに保護できます。この他にも、塗装の乾燥や剥離、レジン作業での気泡除去といった細かい作業にも役立ちます。
レジン作品を作る際、混ぜ合わせた樹脂に気泡が発生することがありますが、ヒートガンで表面を温めると気泡が割れて滑らかな仕上がりになります。また、瓶の蓋が開かない時に蓋を温めたり、樹脂パーツの白濁を取り除いたりする用途もあります。
ヒートガンは様々なノズルを付け替えることで、温風の当て方を調整できるのも魅力です。広範囲に温める場合はヘラ型ノズルを、ピンポイントで熱を集中させたい場合は集中熱風ノズルを使うなど、作業に応じた使い分けが可能です。
このように、ヒートガンは日曜大工や趣味のクラフトから、専門的な工業作業まで幅広く活躍する便利な工具です。ただし、高温を扱うため安全な使用方法を守り、火傷や火災に注意することが大切です。初心者でも扱いやすいモデルから、プロ仕様の高機能タイプまで様々な種類が販売されているので、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
ヒートガンの代用を選ぶ際の注意点
ヒートガンの代用品を選ぶ際には、いくつかの重要な注意点があります。まず最も重要なのは、代用品の最高温度と温度調節機能です。ヒートガンは300〜600℃という高温を扱うため、代用品が必要な作業に十分な温度を出せるかどうかをチェックしましょう。例えば、ドライヤーの最高温度は100〜140℃程度なので、塩ビパイプの曲げ加工やシールの剥離には使えても、高温を要する作業には適していません。
また、代用品の温度調節機能も大切な要素です。素材によって適切な温度は異なるため、温度を調節できるものを選ぶと便利です。熱収縮チューブなら90〜150℃、レジン作業には200〜300℃が適しています。温度調節ができない代用品を使うと、対象物を傷めてしまうリスクがあります。
代用品の形状や持ちやすさも考慮すべきポイントです。長時間使用する場合や精密な作業が必要な場合は、片手で楽に扱える軽量なものを選びましょう。特に繊細なレジン作業などでは、ペン型のような小回りが利くタイプが扱いやすいでしょう。
熱の伝わり方にも注意が必要です。ヒートガンは温風で均一に熱を伝えますが、ライターやバーナーは直接炎を当てるため、対象物が焦げたり溶けたりする可能性があります。アイロンは平面にしか熱を伝えられないなど、代用品ごとに特性が異なります。
安全性も重要な観点です。火を使うバーナーやライターは、火災のリスクが高まります。また、代用品は長時間の使用に耐えられない場合もあるため、連続使用時間にも気を付けましょう。
さらに、代用品を使う作業の場所も考慮すべきです。屋外での作業が多い場合は、バッテリー式のものが便利かもしれません。一方、室内作業が多い場合は、換気の良い場所で使うか、有害な煙や臭いが発生しにくいものを選ぶとよいでしょう。
このように、ヒートガンの代用品を選ぶ際には、作業の内容や対象物に合った温度、使いやすさ、安全性などを総合的に判断することが大切です。急場をしのぐための一時的な代用なのか、頻繁に使うものなのかによっても選び方が変わってきます。
ヒートガンの代わりに使っても安全?
ヒートガンの代わりとなる道具を使用する際の安全性については、慎重に考慮する必要があります。結論として、適切な使い方と注意点を守れば、多くの代用品は安全に使用できますが、それぞれに固有のリスクがあることを理解しておくことが大切です。
ドライヤーをヒートガンの代わりに使う場合、ヒートガンよりも温度が低いので火傷のリスクは比較的低いですが、長時間の使用でモーターに負担がかかり、発火する可能性があります。使用中は定期的に休ませることを心がけましょう。また、温度が低いため作業に時間がかかることも念頭に置いておくべきです。
バーナーやターボライターは高温の炎を出すため、対象物に直接当てると焦げや変形の原因になります。使用時は対象物との距離を十分に取り、炎が直接当たらないよう注意が必要です。特に可燃物の近くでの使用は避け、屋内では換気を徹底しましょう。炎を扱うため、使用中はその場を離れず、完全に冷めるまで見守ることが安全のポイントです。
アイロンを代用する場合、平らな面の加工には適していますが、布やクッキングシートを挟んで間接的に温めるなどの工夫が必要です。また、曲面や細かい部分の加工には不向きなため、無理に使用すると故障やけがの原因になります。
ハンダゴテは先端が非常に高温になるため、取り扱いには十分な注意が必要です。対象物に直接触れると焦げ跡がつきやすく、手元が熱くならないように気を付けましょう。電子部品などの精密な作業に向いていますが、広範囲の加熱には不向きです。
いずれの代用品を使う場合も、耐熱性のある手袋を着用し、作業場所の安全を確保することが基本です。特に子供やペットがいる環境では、高温の機器に触れないよう十分な距離を保ち、使用後は安全な場所で冷ましましょう。
また、作業対象の素材によっても安全性は変わります。プラスチックなど熱に弱い素材を扱う際は、低温から徐々に温度を上げ、様子を見ながら作業を進めるのが安全です。
このように、ヒートガンの代用品はそれぞれ特性が異なるため、用途や環境に応じた適切な選択と、安全を第一に考えた使い方が重要です。代用品の取扱説明書をよく読み、その性能と限界を理解した上で使用することで、安全にDIYや工作を楽しむことができるでしょう。
ヒートガンの代用にドライヤーは使える?
ドライヤーはヒートガンの代用品として使えるケースもありますが、大きな制限があることを理解しておく必要があります。一般的なドライヤーの最高温度は100℃〜140℃程度であり、ヒートガンの300℃〜600℃と比べると、かなり低温です。このため、全ての作業に代用できるわけではありません。
どのような場面でドライヤーが使えるのでしょうか。例えば、レジン作業での気泡除去や小型塗装の乾燥促進、低温で剥がせるタイプのステッカー除去などの軽作業であれば代用可能です。これらの作業は比較的低温でも効果があるため、ドライヤーの熱風でも十分に対応できます。
一方で、塩ビパイプの曲げ加工や熱収縮チューブの収縮、強力な接着剤の除去などの作業には、ドライヤーの温度では不十分です。こうした作業に挑戦すると、時間がかかるうえに思うような結果が得られないことが多いでしょう。
ドライヤーを使うときのコツは、対象物にできるだけ近づけて集中的に熱を当てることです。ただし、あまりに長時間使用すると、ドライヤー自体が過熱して故障する恐れがあります。多くのドライヤーは連続使用を前提に設計されていないため、10分使用したら5分休ませるなど、適度な休憩を入れることが大切です。
また、ドライヤーはヒートガンと比べて風量が多く、熱の集中度が低いという特性があります。そのため、小さな部品や繊細な作業には不向きです。風で軽い部品が飛ばされたり、作業対象以外の部分まで熱が広がったりする可能性があるので注意しましょう。
ドライヤーの利点としては、多くの家庭にすでにあるアイテムなので、急な作業で代用品が必要になった際に手軽に使える点が挙げられます。また、低温であるため初心者でも比較的安全に使えるという面もあります。
しかし、本格的なDIYや頻繁にヒートガンを使う作業をする場合は、やはり専用のヒートガンを購入することをおすすめします。入門用のヒートガンは2,000円台から販売されており、作業効率や仕上がりの質を考えると、長い目で見れば経済的な選択となるでしょう。
このように、ドライヤーはヒートガンの緊急時の代用品として、限定的な用途では使えますが、本格的な作業には向いていません。作業内容や対象物の性質を考慮し、適切な道具を選ぶことが成功への近道です。
ヒートガンの代用にバーナーを使う方法
バーナーはヒートガンの代用品として高温処理が必要な作業に使えますが、使用方法には細心の注意が必要です。ガスバーナーやターボライターから発する炎は1,700℃以上と非常に高温になるため、ヒートガンよりもはるかに強力です。この高温という特性を理解し、正しく使うことがポイントとなります。
バーナーでヒートガンの代用をする際の基本的な方法は、対象物に直接炎を当てないことです。バーナーを点火したら、対象物から数センチ離して持ち、炎の熱が間接的に伝わるようにします。これにより、素材が急激に熱せられて焦げたり、溶けたりするのを防ぐことができます。
例えば、熱収縮チューブを収縮させる場合、チューブから5〜10cm離れた位置からバーナーをかざし、ゆっくりと炎を動かしながらチューブ全体を均一に温めます。常に炎を動かし続けることで、一部分だけが過剰に熱くなるのを避けられます。
塩ビパイプを曲げる作業では、さらに注意が必要です。パイプの曲げたい部分全体に均等に熱が伝わるよう、パイプを回転させながら炎を当てると良いでしょう。この際、パイプの色が変わったり、煙が出始めたりしたら、すぐに炎を離すことが大切です。
バーナーを使う際の最大の注意点は、火災リスクです。作業場所の周辺に可燃物がないことを確認し、床や作業台が耐熱性のあるものかチェックしましょう。また、消火器や水を近くに用意しておくと安心です。
もう一つの注意点は、換気です。バーナーを使用すると、対象物から有害なガスが発生する可能性があります。特に屋内での作業では、必ず窓を開けるなど換気を十分に行いましょう。長時間の作業では、定期的に休憩を取って新鮮な空気を吸うことも大切です。
バーナーを使う最大のメリットは、高温を即座に発生させられることです。急いでいる作業や、高温処理が必要なケースでは非常に効果的です。また、電源がない場所でも使えるという利点もあります。
しかし、温度調節が難しく、熱が集中しやすいというデメリットもあります。繊細な作業や、均一な加熱が必要な場面では向いていません。また、直接炎を使うため、予期せぬ事故のリスクも高まります。
バーナーでヒートガンの代用をする場合は、事前に不要な素材で練習し、感覚をつかむことをおすすめします。また、作業中は一瞬たりとも目を離さず、使用後はバーナーが完全に冷めるまで安全な場所に置いておくようにしましょう。
このように、バーナーはヒートガンの代用として使える場面もありますが、その特性と危険性を十分に理解した上で、安全に配慮して使用することが重要です。
身近なもので代用できるヒートガン

- 100均で手に入るヒートガンの代用品
- ハンダゴテをヒートガンの代用に使う
- アイロンでヒートガンの代用をする方法
- レジン作業におけるヒートガンの代用
- ホームセンター・カインズで買える安いヒートガン
- ドンキホーテで入手できるヒートガン
100均で手に入るヒートガンの代用品
100均ショップでは本格的なヒートガン自体は販売されていませんが、ヒートガンの代用として使える便利なアイテムがいくつか見つかります。これらの代用品は高温を扱う専門工具ではないため温度は限られますが、簡易的な作業であれば十分活用できるでしょう。
ダイソーやセリアなどの100均ショップで見つかる代表的なヒートガン代用品には、ミニドライヤーがあります。これらは通常のヘアドライヤーよりもコンパクトで、工作やDIYに使いやすいサイズです。温度は一般的なドライヤーと同様に100℃前後のため、熱収縮チューブの軽い収縮やレジンの気泡除去といった低温でも効果がある作業に適しています。
また、100均で入手できるライター類もヒートガンの代用として利用できます。特に炎が長く出るタイプのライターは、小さな熱収縮チューブの収縮や粘着シールの剥がしなど、狭い範囲の加熱作業に便利です。ただし、直接炎が当たると素材が焦げる可能性があるため、炎を近づけすぎないように注意しましょう。
バーベキュー用のライターや点火用具も100均で手に入るヒートガン代用品です。これらは比較的大きな炎が出せるため、熱風の代わりとして使えます。ただ、これらを使う際は炎の当て方に十分注意し、炎と対象物の間に適切な距離を保つことが重要です。
100均ショップによっては、ミニトーチやカセットガスバーナーが販売されていることもあります。これらは本格的な作業用ではありませんが、小規模なDIYプロジェクトでは役立つことがあります。高温の炎を発生させるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
100均の調理用品コーナーに売られている小型の卓上コンロもヒートガンの代用として使える場合があります。特に金属部品の加熱など、素材を全体的に温める必要がある時に役立ちます。使用する際は耐熱性のあるトレイや台の上で行い、素材を頻繁に動かしながら均一に加熱するようにしましょう。
また、100均のハンドウォーマーや使い捨てカイロも、非常に限定的ですが代用品になりえます。これらは低温ながらも持続的な熱を発生させるため、時間をかけてもいい軽微な作業に使用できます。
100均で手に入るヒートガン代用品の最大の利点は、やはり手頃な価格です。本格的なヒートガンが必要かどうか判断する前に、まずはこうした代用品で試してみることができます。ただし、これらの代用品はあくまで一時的な解決策であり、頻繁にヒートガンを使う作業が必要なら、専用の工具を購入した方が長期的には効率的です。
どの代用品を使う場合も、火災や火傷のリスクがあることを忘れないでください。換気の良い場所で使用し、常に消火手段を近くに準備しておくことが大切です。100均アイテムは品質に個体差があることもあるため、使用前にしっかり状態を確認しましょう。
ハンダゴテをヒートガンの代用に使う
ハンダゴテはヒートガンの代用として、特定の限られた作業において有効活用できます。ハンダゴテの先端は非常に高温(約200℃〜450℃)になるため、ピンポイントで熱を加えたい場合に特に適しています。しかし、ヒートガンとは熱の伝わり方が大きく異なるため、使い方を工夫する必要があります。
ハンダゴテが最も活躍するのは、熱収縮チューブの収縮作業です。特に小さな電子部品や細い配線に使用する小径の熱収縮チューブを収縮させる場合、ヒートガンでは熱風が周囲にも広がりすぎて他の部品に影響を与えることがありますが、ハンダゴテならピンポイントで作業できます。チューブに直接触れるのではなく、5mm程度離して熱を近づけ、徐々にチューブを回転させながら均一に熱を加えると効果的です。
また、小さな接着剤のかたまりを溶かす作業にもハンダゴテは使えます。例えば、プラモデルのパーツを外したい場合や、小さな電子部品を基板から外す際に、接着部分の近くにハンダゴテを近づけて間接的に熱を伝えることで、接着剤を柔らかくできます。この時、ハンダゴテを長時間同じ場所に当て続けると素材が溶けたり焦げたりする恐れがあるため、常に動かしながら使うことが大切です。
小型のプラスチック部品の変形加工にもハンダゴテは活用できます。例えば、プラスチックの角を丸くしたい場合や、小さな突起を作りたい場合などです。ただし、プラスチックが溶けるとすぐに形が崩れてしまうため、素早く作業する必要があります。また、プラスチックの種類によっては有害なガスが発生する可能性もあるため、必ず換気の良い場所で作業しましょう。
ハンダゴテでヒートガンを代用する際の大きな制限は、熱が伝わる範囲が非常に限られていることです。ヒートガンが広い範囲に均一に熱を当てられるのに対し、ハンダゴテは一点に集中した熱しか提供できません。そのため、塩ビパイプの曲げ加工や大きなシールの剥離など、広範囲の加熱が必要な作業には向いていません。
また、素材との直接接触によって熱を伝えるハンダゴテを使う場合、素材に焦げ跡がつく可能性が高いという欠点もあります。特に見た目が重要な作品の加工には不向きでしょう。
ハンダゴテを安全に使うためには、耐熱性の高い作業台や耐熱手袋を用意することが重要です。また、使用後のハンダゴテは非常に高温のままなので、専用のスタンドに置き、完全に冷えるまで注意しましょう。電源を入れたままの状態で放置することは絶対に避けてください。
このように、ハンダゴテはヒートガンの完全な代替品にはなりませんが、その特性を理解し適切な用途に使えば、便利な代用道具となります。特に細かい電子工作やミニチュア作りなど、精密な熱加工が必要な場面では重宝するでしょう。
アイロンでヒートガンの代用をする方法
アイロンはヒートガンの代用品として、特に平らな面の加熱が必要な作業に活用できます。家庭にあるアイロンの最高温度は約200℃前後で、ヒートガンほど高温ではありませんが、特定の作業には十分な熱を提供してくれます。使い方を工夫することで、様々なDIYプロジェクトに応用できるでしょう。
アイロンでヒートガンを代用する際の基本的な方法は、クッキングシートや薄い布を介して熱を伝えることです。直接素材にアイロンを当てると、素材が焦げたり溶けたりする危険があります。保護材を間に挟むことで、熱を均一に伝え、素材へのダメージを最小限に抑えられます。
シールやラベルの剥がしは、アイロンを代用品として使える代表的な例です。例えば、ガラス瓶に貼られた頑固なラベルを剥がしたい場合、低温に設定したアイロンでラベルの上からクッキングシートを介して数秒間熱を加えるだけで、粘着剤が柔らかくなり剥がしやすくなります。この方法は木材や布地に付いた粘着テープの跡を取る際にも有効です。
熱収縮フィルムやシュリンクラップの収縮にもアイロンは便利です。特にアクセサリーなどの小さな作品を包装する際に役立ちます。フィルムで包んだ作品の上から布を敷き、低温から中温のアイロンをゆっくり動かして熱を加えると、フィルムがきれいに収縮します。急激に熱を加えるとムラができるため、徐々に温めることがポイントです。
またアイロンは、転写シートを使った布地へのプリント作業にも適しています。これはヒートガンでも行える作業ですが、アイロンの方が均一に熱を加えられるため、むしろこの用途には適しているといえます。転写シートの説明書に従い、適切な温度と時間で熱を加えましょう。
平らなプラスチック板の軽い加工にもアイロンを使えます。例えば、プラ板クラフトでは薄いプラスチック板に絵を描き、それを熱で収縮させて小さなキーホルダーなどを作ります。通常はオーブントースターで行いますが、低温に設定したアイロンとクッキングシートを使えば、より慎重に加熱できます。
ただし、アイロンの使用には明確な制限があることを理解しておくべきです。まず、曲面や立体物への加熱には基本的に不向きです。平らな面にしか当てられないため、塩ビパイプの曲げ加工や複雑な形状の熱処理には適していません。また、アイロンは短時間の加熱を前提とした家電のため、長時間の連続使用は避けるべきです。
アイロンを使う際の注意点として、必ずアイロン台や耐熱性のあるマットの上で作業し、作業後はすぐにアイロンの電源を切り、安全な場所に置いておくことが大切です。また、プラスチックなど熱に弱い素材を扱う際は、最初は最低温度から始め、様子を見ながら徐々に温度を上げていくことをおすすめします。
アイロンはヒートガンの完全な代替品にはなりませんが、その特性を理解して適切に使えば、一部のDIYや工作プロジェクトで十分役立つ道具となります。特に初心者や子どもと一緒に行う作業では、ヒートガンよりも安全に使えるという利点もあります。
レジン作業におけるヒートガンの代用
レジン作業でヒートガンが必要になるのは主に気泡除去のタイミングです。レジン液を型に流し込んだ後、表面に気泡が浮かび上がってきますが、これをそのままにすると作品の透明感や美しさが損なわれてしまいます。ヒートガンの温風を当てることで気泡が破裂しやすくなり、スムーズな表面に仕上がります。しかし、ヒートガンがない場合でも、いくつかの代用品で同様の効果を得ることができます。
まず簡単に試せるのが、ヘアドライヤーです。レジン作業では200℃〜300℃程度の温度があれば十分なことが多いため、ドライヤーの100℃〜140℃の温風でも、時間をかければある程度の効果が期待できます。ドライヤーを使う際のポイントは、レジン表面から5〜10cm程度離し、弱い風量設定で優しく熱を当てることです。強すぎる風で液体のレジンが飛び散らないよう注意しましょう。
また、アルコールスプレーもレジン作業における気泡除去の強い味方です。無水エタノールや消毒用アルコールを小さなスプレーボトルに入れ、レジン表面に軽く霧吹きするだけで気泡が割れやすくなります。アルコールはレジンを変質させない程度にすぐ蒸発するため、作品の品質に影響を与えにくいという利点があります。ただし、アルコールは引火性があるため、火気のない環境で使用することが大切です。
レジン専用のUVライトも気泡除去に役立ちます。UVレジンの場合、硬化前に短時間だけUVライトを当てると、レジンの粘度が少し上がって気泡が浮き上がりやすくなります。完全に硬化させる前に気泡を取り除き、その後本格的に硬化させるという方法が効果的です。
さらに意外かもしれませんが、ストローを使った呼気での気泡除去も古くから行われている方法です。ストローの先をレジン表面に近づけ、ゆっくりと息を吹きかけます。呼気に含まれる二酸化炭素がレジン表面の張力を変え、気泡を破裂させる効果があります。この方法は追加の道具が不要なメリットがありますが、レジンの成分を吸い込まないよう注意が必要です。
アイロンをクッキングシートなどと組み合わせて使う方法も有効です。平らな面のレジン作品であれば、クッキングシートを作品の上に置き、低温に設定したアイロンを軽く当てることで熱を伝え、気泡を除去できます。この方法は特に薄いレジンのコースターやアクセサリートレイなどの作成に適しています。
また、お湯を入れた容器の上に作品を置き、湯気で温める方法もあります。この間接的な加熱法は、レジンを過熱するリスクが低く、初心者でも安心して試せます。温度が低めなため効果は緩やかですが、焦げや変形の心配が少ないというメリットがあります。
これらの代用法はそれぞれ一長一短があり、完全にヒートガンに取って代わるものではありません。特に大きな作品や複雑な形状のものには、やはりヒートガンの均一な熱風が最適です。しかし、小型のアクセサリーや初めての試作品など、小規模なレジン作業であれば、これらの代用品でも十分に対応できるでしょう。
レジン作業での代用品選びで最も重要なのは、レジンの種類や作品の大きさに合わせて適切な方法を選ぶことです。どの方法を試す場合も、まずは小さなテストピースで効果を確認してから本番の作品に応用することをおすすめします。
ホームセンター・カインズで買える安いヒートガン
ホームセンターやカインズなどの大型DIYショップでは、様々な価格帯のヒートガンを取り扱っています。特に初心者やDIY愛好家が気軽に手に取れる低価格モデルが充実しているため、代用品にするか本物のヒートガンを購入するか迷っている方には最適な選択肢となります。
一般的に、ホームセンターで販売されている安価なヒートガンは、3,000円〜5,000円程度から購入可能です。これらのエントリーモデルでも、300℃〜500℃の温度を出すことができ、熱収縮チューブの収縮やレジン作業、簡単な塩ビパイプの加工などの基本的な作業には十分な性能を備えています。
カインズでは「EARTH MAN(アースマン)」や「PROVALUE(プロバリュー)」などのプライベートブランド商品が人気です。これらのブランドは価格を抑えながらも、一般的なDIY作業に必要な機能を備えています。例えば、2段階の温度切替や風量調整機能が付いたモデルが4,000円前後で購入できます。
もし予算が限られている場合は、「DCM」や「コーナン」などのホームセンター独自ブランドの商品も検討する価値があります。これらは3,000円台から販売されており、シンプルな機能ながらも、家庭での基本的な使用には十分対応できます。温度調整機能が限られていることもありますが、初めてのヒートガン購入にはコストパフォーマンスの高い選択肢となるでしょう。
少し予算に余裕がある場合は、「ワークス」や「藤原産業」などのブランドも人気があります。5,000円〜7,000円程度で、温度の細かい調整が可能なモデルや、冷風機能付きのモデルなど、より使い勝手の良い製品を手に入れることができます。特に、様々な作業を行う予定がある場合は、温度調整の幅が広いモデルを選ぶことをおすすめします。
ホームセンターで購入するヒートガンの大きな利点は、実際に手に取って重さや形状を確認できることです。長時間使用する予定がある場合、持ちやすさや重量感は非常に重要な選択基準になります。また、万が一不具合があった場合も、店舗に直接返品や交換ができるという安心感があります。
購入前にチェックしておきたいポイントとしては、まず最高温度と温度調整機能があります。単純な高温だけでなく、低温から高温まで調整できるモデルの方が用途が広がります。また、付属ノズルの種類も重要です。標準ノズルのほかに、集中ノズルやワイドノズルが付属していると、様々な作業に対応しやすくなります。
さらに、自立スタンド機能の有無も確認しておくと良いでしょう。ヒートガンを置いたときに自立するモデルは、作業の合間に安全に置けるだけでなく、両手を使った作業がしやすくなります。また、冷却機能がついているモデルは、使用後の片付けがスムーズになるというメリットがあります。
安価なモデルを選ぶ際の注意点としては、連続使用時間の制限がある場合が多いことです。一般的に安いモデルほど連続使用可能時間が短く設定されています。長時間の作業を計画している場合は、この点を考慮してより上位モデルを選ぶことも検討してください。
このように、ホームセンターやカインズでは、初心者から中級者まで幅広いニーズに対応した安価なヒートガンが手に入ります。用途や予算に合わせて適切なモデルを選ぶことで、ヒートガンの代用品を使うよりも効率的で満足度の高い作業が可能になるでしょう。
ドンキホーテで入手できるヒートガン
ドンキホーテは、多種多様な商品を取り扱うことで知られる総合ディスカウントストアです。DIYコーナーや工具売り場においても、価格の手頃さと一定の品質を両立した商品が揃っており、ヒートガンもその例外ではありません。ドンキホーテで販売されているヒートガンは、主に家庭用やDIY向けの入門モデルが中心となっています。
ドンキホーテで購入できるヒートガンの価格帯は、一般的に3,000円〜7,000円程度です。特に人気があるのは、自社ブランド「情熱価格」や「DO-STYLE」などの製品で、これらは4,000円前後でありながら、温度調整機能やノズル交換機能などの基本的な性能を備えています。最高温度は400℃〜500℃前後で、熱収縮チューブの収縮やレジン作業、簡単な塩ビパイプの加工など、一般的なDIY作業には十分対応できます。
また、ドンキホーテではさまざまなメーカーの製品も取り扱っています。例えば、「THREEUP」や「VERTEX」などのブランド製品も見かけることがあります。これらは若干価格が高めの5,000円〜7,000円程度ですが、温度の細かい調整や風量の切替など、より多機能な特性を持っています。特に、レジン作業や精密な電子工作を行う方には、こうした調整機能が充実したモデルがおすすめです。
ドンキホーテでヒートガンを購入する際の大きなメリットは、店舗による品揃えの違いがあることです。各店舗によって在庫状況や取り扱いブランドが異なるため、複数の店舗を訪れることで、より自分の条件に合った商品に出会える可能性があります。また、ドンキホーテは深夜まで営業している店舗が多いため、急に必要になった場合でも購入しやすいという利点もあります。
さらに、ドンキホーテでは季節や時期によって特価セールが行われることもあります。特に決算セールや大型連休前のセールなどでは、通常よりも20〜30%安く購入できることもあるため、タイミングを見計らって購入すると更にお得です。
ただし、ドンキホーテで販売されているヒートガンにも注意点があります。まず、専門工具店と比べると品揃えの幅が狭く、プロ仕様の高機能モデルはあまり見かけません。また、店舗によっては在庫が不安定で、必ずしも欲しい商品が手に入るとは限りません。重要な作業のために購入を検討している場合は、事前に電話で在庫確認をすることをおすすめします。
また、ドンキホーテの工具コーナーでは、製品の詳細な説明が不足していることがあります。例えば、温度調整の範囲や連続使用可能時間などの具体的なスペックが、パッケージや店頭POPからは分かりにくいことがあります。購入前に店員に質問するか、スマートフォンでその場で製品レビューを確認するなどして、情報を補完すると良いでしょう。
ドンキホーテのヒートガンを選ぶ際のポイントは、基本的な温度調整機能が付いているかどうかです。最低でも2段階以上の温度切替があるモデルを選ぶと、様々な素材や用途に対応しやすくなります。また、付属品としてノズルが複数付いているかも確認すると良いでしょう。ヘラ型ノズルや集中ノズルなどが付属していると、作業の幅が広がります。
全体として、ドンキホーテで購入できるヒートガンは、本格的なDIYを始めたばかりの初心者や、時々の趣味の工作に使いたい方にとって手頃な選択肢となります。専門的な用途や頻繁に使用する予定がある場合は、ホームセンターや工具専門店でより高性能なモデルを検討することも視野に入れつつ、まずは手に取りやすい価格帯のドンキホーテの商品からヒートガン使用の経験を積むという選択肢も賢明です。
ヒートガン代用品の選び方と使い方まとめ

- ヒートガンは300~600℃と高温を出せるのに対し、代用品は一般的に低温である
- ドライヤーはレジンの気泡除去や軽いステッカー剥がしに使える
- バーナーは対象物から数センチ離して間接的に熱を伝えることが重要
- 100均ショップのミニドライヤーやライターも簡易的な代用となる
- ハンダゴテは小さな熱収縮チューブの収縮に最適
- アイロンは平面の加工に適しており、布やクッキングシートを介して使用する
- レジン作業ではアルコールスプレーも気泡除去に効果的
- 熱の伝わり方は代用品ごとに異なるため適材適所で選ぶべき
- 安全性を考慮し、耐熱手袋の着用や換気に注意が必要
- ホームセンターでは3,000~5,000円程度から本格的なヒートガンが購入可能
- ドンキホーテでも4,000円前後から基本機能を備えたモデルがある
- 温度調節機能が付いているモデルの方が用途が広がる
- 作業内容に応じて適切な温度調節ができる代用品を選ぶのが重要
- 頻繁に使用する場合は代用品より専用のヒートガンを購入した方が効率的
- 代用品を使う場合は火災や火傷のリスクを常に意識すること