木工をより高度に楽しみたいDIY愛好家や、効率的な作業を求める建築業界のプロフェッショナルに注目されている「木工トリマー」。この電動工具は面取り加工や溝掘り加工、円形加工など多様な木材加工を可能にし、DIYの世界を大きく広げてくれます。しかし、マキタやリョービ、ボッシュなど多くのメーカーからさまざまな機種が発売されており、どれを選べばよいか迷ってしまいますよね。
今回は、木工トリマーでできることから選び方のポイント、初心者向けの特徴、電源方式の比較まで詳しく解説します。また、電動トリマーのおすすめトップ5やコスパ重視のモデル、トリマービットの種類と選び方など、購入の参考になる情報をご紹介。さらに、DIY教室を運営するカミヤ氏が選ぶおすすめ製品や、実際の使用者からのリアルなレビューも交えながら、木工トリマーの正しい使い方までをわかりやすくお伝えします。建築業界で人気の高性能機種も含め、あなたに最適な一台を見つけるお手伝いをします。
記事のポイント
- 木工トリマーの基本的な用途と面取り・溝掘り・円形加工などができること
- 電源方式(コード式・コードレス式)の違いとそれぞれの長所・短所
- 初心者から上級者まで、用途や予算に合わせた適切なトリマーの選び方
- 人気メーカー(マキタ・ボッシュ・高儀など)の製品特徴と実際の使用感
木工トリマーおすすめの選び方と比較

- トリマー工具でできることとは
- 木工トリマーおすすめの選び方
- 電動トリマーの電源方式による比較
- DIY初心者向けトリマーの特徴
- 建築業界で人気のトリマー機種
トリマー工具でできることとは
トリマー工具は木材加工において多様な作業を可能にする便利な電動工具です。主に面取り加工、溝掘り加工、円形加工などができ、DIYの可能性を大きく広げます。
面取り加工では、木材の角を滑らかに削ることが可能です。切断したままの木材は断面が角張っていて危険なため、安全面からも面取りは重要な作業です。トリマーを使えば市販の家具のように縁に丸みを持たせることができ、手作業でヤスリをかける手間も省けます。また、角の形状を均一に仕上げられるので、DIY作品のクオリティも向上させられます。
溝掘り加工は、その名の通り木材に溝を掘る加工です。デスクやテーブルの天板に脚部を取り付ける際や、家具を組み立てる場合に美しい仕上がりが期待できます。手作業で溝を掘るには何度も切り込みを入れる必要がありますが、トリマーを使えばスピーディに作業が完了します。
円形加工も電動トリマーの得意分野です。平行ガイドや円切り治具と呼ばれるアイテムを利用すれば、木材を円形に切り取ったり円状の溝を掘ったりすることが可能になります。
さらに、ビットを交換することで文字を彫ったり装飾的な模様をつけたりすることもできます。プロの仕上がりに近い加工が可能になるため、DIY愛好家には必須の工具と言えるでしょう。
ただし、トリマーの使い方を習得するには少し練習が必要です。始めは簡単な面取りから試し、徐々に複雑な作業に挑戦するとよいでしょう。
木工トリマーおすすめの選び方
木工トリマーを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。適切な選択をすることで、作業効率と仕上がりの質が大きく変わってきます。
まず確認すべきは、ビットの取り付け径です。日本で採用されている電動トリマーのビットは、軸径6mmのものが一般的です。この規格に合ったトリマーを選べば、市販の様々なビットを使用できるようになります。低価格モデルや海外製品の中には、取り付け径が6mmでない場合もあるため注意しましょう。
次に、ベースプレートと加工精度をチェックします。ベースプレートは木材に直接押し当てて電動トリマーを支えるパーツであり、作業の安定性に直結します。また、優れた加工精度を求めるならば、ベースプレートにトリマーガイドを取り付けられるモデルがおすすめです。曲面加工や好みの形状の加工が精度よく行えます。
回転数についても検討しましょう。回転数が高ければ木材を早く加工でき、加工面もきれいに仕上がります。中には回転数を調整できる機種もあり、木材の硬さに応じた設定が可能です。DIYの幅を広げたい場合は回転数調整機能付きのモデルが便利です。
電子制御機能も初心者には重宝します。回転数を自動で制御できるので、負荷のかかりやすい作業でも安定した動作が可能です。硬い木材を加工する場合や連続作業の際にも便利な機能です。
作業音が気になる方は静音性を備えたモデルを選びましょう。ただし、静音機能を搭載した電動トリマーはラインナップが少ないため、回転数を調整できるモデルで対応するという手もあります。
最後に、吸塵機能があると作業環境を清潔に保てます。集じん機の取り付けに対応しているモデルやダストノズルが付属しているモデルを選べば、作業後の掃除がスムーズになります。
電動トリマーの電源方式による比較
電動トリマーの電源方式は大きく分けて「コード付きタイプ」と「コードレスタイプ」の2種類があります。それぞれに長所と短所があり、用途に合わせて選ぶことが重要です。
コード付きタイプ(AC電源式)は、コンセントからの給電で動作するモデルで、最大の魅力は作業時間を気にせず使える点です。バッテリー切れの心配がなく、長時間の作業でも安定したパワーを発揮します。また、価格が比較的安価なので、初期投資を抑えたい方にも適しています。
一方で、コンセントがある環境でしか使用できないという制約があります。また、使用中は電源コードが邪魔になることもあるため、広いスペースでの作業や動き回る作業には不向きな面もあります。
これに対して、コードレスタイプ(バッテリー式)は取り回しの良さが最大の魅力です。コード付きタイプのように電源コードを気にする必要がなく、自由に動き回れます。また、コンセントのない場所でも使用できるため、屋外作業や現場での作業に適しています。
ただし、バッテリーの持続時間に制限があるという弱点があります。連続使用時間は機種によって異なりますが、長時間の作業を予定している場合は予備バッテリーの準備が必要です。加えて、バッテリー残量が少なくなるとパワーが落ちる製品もあるため、安定した出力を求める作業には不向きな場合もあります。
さらに、コードレスタイプはコード付きに比べて価格が高い傾向にあります。バッテリーと充電器が別売りの場合は、それらの追加費用も考慮しなければなりません。
結論として、定置作業や長時間の精密加工にはコード付きタイプ、移動しながらの作業や屋外作業にはコードレスタイプが向いています。自分の作業環境と用途に合った電源方式を選ぶことで、電動トリマーの利便性を最大限に活かすことができるでしょう。
DIY初心者向けトリマーの特徴
DIY初心者向けの電動トリマーには、使いやすさを重視した特徴があります。これらの特徴を知ることで、初めての方でも安心して木材加工を楽しめるでしょう。
まず重要なのは、ソフトスタート機能です。この機能があると、スイッチを入れた瞬間の急激な回転による反動を抑えられます。急な動きが少ないため、作業開始時のズレを防ぎ、安全に作業を進められます。特に細かい加工や精密な作業をする場合には大きな助けになります。
次に、透明なベースプレートも初心者に嬉しい特徴です。刃先が見えることで、どこを加工しているのか視認しやすくなります。作業しながら加工位置を確認できるため、失敗を減らせる上、安心して作業に集中できます。
重量も大切なポイントです。1.5kg以下の軽量モデルであれば、長時間使用しても腕への負担が少なく、コントロールもしやすいでしょう。重量バランスが良い機種を選べば、より扱いやすくなります。
握りやすいグリップも初心者には重要です。ゴム製のソフトグリップを採用したモデルは、滑りにくく安定して持てます。長時間作業でも疲れにくいため、集中力を保ちながら作業できます。
また、切り込み深さの調整が簡単なモデルも選ぶとよいでしょう。ダイヤルやレバー式で簡単に深さを変更できる機種は、初心者でも迷わず使いこなせます。一度に深く削らず、徐々に削っていくことで安全に作業できます。
価格の面では、1万円前後の比較的リーズナブルなモデルでも基本的な機能は備わっています。高儀やイーバリューなどのメーカーからは、コストパフォーマンスの高いモデルが発売されており、DIY初心者の入門機として最適です。
ただし、安価なモデルはパワーや耐久性で妥協している場合もあります。頻繁に使用する予定なら、少し予算を上げて中級機を検討するのも一案です。
付属品も確認しましょう。ストレートガイドやトリマーガイドが標準で付いているモデルなら、すぐに様々な加工に挑戦できます。収納ケースがあれば、使わないときの保管も便利です。
初心者向けの説明書や日本語マニュアルが充実しているかどうかも重要なポイントです。使い方が分かりやすく解説されていれば、初めての方でも安心して使い始められます。
建築業界で人気のトリマー機種
建築業界では、プロフェッショナルが日常的に使用する電動トリマーに対して、性能や耐久性に高い基準が求められます。こうした要求に応える機種が業界内で高い評価を得ています。
マキタの電動トリマーは、建築現場で特に支持を集めています。例えば「RT001G」のような40Vmaxの充電式トリマーは、コードレスでありながら従来のAC機を上回る性能を発揮します。高効率ブラシレスモーターの採用により、10,000〜31,000min-1の幅広い回転数調整が可能で、様々な硬さの木材に対応できます。
ハイコーキの「M3608DA」も建築業界で高い評価を得ています。36Vのマルチボルト蓄電池を搭載し、片手で操作できるワンハンドオペレーション機能を特徴としています。ブラシレスモーターによる高出力と静音性を両立させ、現場での長時間作業に適しています。
京セラ(旧リョービ)の「ATRE60V」は、プロ用に設計された高性能トリマーとして知られています。フィードバック回路を搭載しており、負荷がかかっても回転数が落ちにくいため、安定した加工が可能です。アルミダイカスト製のベースプレートにより精度の高い加工が実現でき、木材の面取りや溝掘りなどの精密な作業に最適です。
ボッシュの「ADTR118H」は、欧州メーカーらしい堅牢性と高い信頼性で建築業界からの評価が高いモデルです。18Vのリチウムイオンバッテリーを使用したコードレスタイプで、30,000min-1の高速回転を実現しています。人間工学に基づいたデザインで長時間の使用でも疲れにくく、現場での作業効率を高めます。
これらプロ仕様のトリマーには共通して、いくつかの特徴があります。まず、電子制御機能によって負荷に応じた回転数の自動調整が可能なこと。次に、集じん機との接続に対応していること。そして、LEDライトなど視認性を高める機能が搭載されていることです。
価格は一般的なDIY用トリマーより高めで、2万円〜3万円台が主流です。しかし、その耐久性と性能の高さから、プロの建築業界では十分な投資価値があると考えられています。
ただし、これらの高性能機種は重量が増す傾向にあります。例えばマキタのRT001GZは2.24kgあり、DIY用の軽量モデルと比べると重い部類に入ります。長時間使用する場合は、この点も考慮する必要があるでしょう。
木工トリマーおすすめ製品ランキング

- 木工トリマーの正しい使い方
- 電動トリマーおすすめトップ5
- コスパ重視の木工トリマー選び
- トリマービットの種類と選び方
- カミヤが選ぶトリマーおすすめ製品
- 木工トリマー使用者のレビュー紹介
木工トリマーの正しい使い方
木工トリマーを安全かつ効果的に使用するには、正しい手順と技術が必要です。ここでは、初心者でも理解しやすいよう基本的な使い方を説明します。
はじめに、作業に適したビットを選択・取り付けます。ビットの交換は必ず電源を切った状態で行いましょう。モーターシャフトを押さえながらコレットナットを緩め、使用したいビットを取り付けます。ビットは安定性を高めるために、最低でも1.5cmほどチャックに差し込むことが大切です。コレットナットをしっかり締め、ビットがぐらつかないことを確認します。
次に、ビットの高さ(切り込み深さ)を調整します。ベースプレートの固定を解除し、ダイヤル、ローラー、またはネジを回して高さを適切に設定します。一度に深く削ろうとするとビットを傷める恐れがあるため、3mm程度の浅い加工から始め、必要に応じて段階的に深くしていくのがコツです。
木材を加工する際、トリマーの進行方向も重要です。基本的には自分から離れる方向にトリマーを進めます。これは反対方向に進めると、ビットの回転によって工具が引っ張られて制御しにくくなるためです。
作業前には必ず加工する木材をしっかり固定しましょう。クランプなどで作業台に固定すれば、作業中の木材のずれを防ぎ、精度の高い加工が可能になります。また、木材がずれると危険なキックバックを引き起こす可能性もあります。
キックバックとは、加工中にビットが木材に強く食い込み、トリマーが急に跳ね返る現象です。これを防ぐために、ガイドを使用したり一度に削る量を控えめにしたりすることが大切です。特に硬い木材を加工する際は注意が必要です。
実際に作業を始める前に、保護メガネや防塵マスクを着用しましょう。切削中は木屑が飛び散るため、目や呼吸器を守ることが重要です。また、作業しやすい環境を整え、周囲に障害物がないことを確認します。
最初は簡単な面取り加工から始め、徐々に複雑な加工に挑戦するとよいでしょう。練習用の木材で何度か試し、感覚をつかんでから本番の作品に取り掛かることをおすすめします。
使用後はビットや本体に付着した木屑をきれいに取り除き、乾いた布で拭いて保管します。定期的にメンテナンスを行うことで、トリマーの寿命を延ばし、常に最善の状態で使用できます。
電動トリマーおすすめトップ5
多くのメーカーから様々なモデルが発売されている電動トリマー。ここでは、性能、使いやすさ、ユーザー評価などを総合的に考慮した、おすすめのトップ5をご紹介します。
1位は「マキタ M373」です。500Wのモーターを搭載し、35,000min-1という高回転数を誇るこのモデルは、精密な加工が求められる作業に最適です。ソフトグリップを採用しているため長時間の作業でも疲れにくく、透明ベースプレートにより加工部分の視認性も抜群です。集じん機に接続できる機能もあり、作業環境を清潔に保てます。価格は約1万円とコストパフォーマンスも高く、初心者からプロまで幅広いユーザーに支持されています。
2位には「高儀 EARTH MAN TR-100」が入ります。400Wのモーターで30,000min-1の回転数を実現。特筆すべきはソフトスタート機能で、始動時の振動が少なく安全に作業を始められます。クリアベースで刃先が見やすく、初めての方でも扱いやすいモデルです。さらに、トリマガイドやストレートガイドも付属しており、様々な加工に対応できます。約7,000円という手頃な価格も魅力的です。
3位は「ボッシュ PMR 500」です。500Wの強力なモーターと30,000min-1の高速回転で、硬い木材でもスムーズに加工できます。人間工学に基づいて設計されたラバーグリップで操作性が良く、切削深さ微調整ダイヤルにより精密な深さ調整が可能です。耐久性の高い金属製ボディで長期間使用できる点も高評価です。価格は約1万5千円と少し高めですが、その性能は価格に見合ったものです。
4位には「京セラ(旧リョービ)ATRE60V」が選ばれています。電子制御機能付きで回転数を16,000〜30,000min-1まで無段階調整できるため、様々な木材に対応できます。フィードバック回路により負荷がかかっても回転数が落ちにくく、安定した加工が可能です。アルミダイカスト製ベースプレートで高精度な加工を実現し、ソフトスタート機能も備えています。約2万円と高価ですが、プロレベルの仕上がりを求める方におすすめです。
5位は「マキタ 充電式トリマ RT40D」です。コードレスタイプでありながら、10,000〜28,000min-1の広範囲な回転数調整が可能です。LEDライト付きで暗い場所でも作業しやすく、ダストノズルも付属しているため作業環境を清潔に保てます。バッテリー式のため取り回しが良く、屋外や電源のない場所でも使用できる点が大きな魅力です。本体価格は約1万8千円ですが、バッテリーと充電器は別売りです。
順位 | 製品名 | モーター出力 | 回転数 | 特徴 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | マキタ M373 | 500W | 35,000min-1 | ・精密な加工に最適 ・ソフトグリップ採用 ・透明ベースプレート ・集じん機接続可能 | 約1万円 |
2位 | 高儀 EARTH MAN TR-100 | 400W | 30,000min-1 | ・ソフトスタート機能 ・クリアベースで刃先が見やすい ・トリマガイド/ストレートガイド付属 ・初心者向け | 約7,000円 |
3位 | ボッシュ PMR 500 | 500W | 30,000min-1 | ・硬い木材も加工可能 ・人間工学設計のラバーグリップ ・切削深さ微調整ダイヤル ・耐久性の高い金属製ボディ | 約1万5千円 |
4位 | 京セラ(旧リョービ)ATRE60V | 不明 | 16,000〜30,000min-1 | ・電子制御機能付き ・回転数無段階調整 ・フィードバック回路搭載 ・アルミダイカスト製ベースプレート ・ソフトスタート機能 | 約2万円 |
5位 | マキタ 充電式トリマ RT40D | バッテリー式 | 10,000〜28,000min-1 | ・コードレスタイプ ・LEDライト付き ・ダストノズル付属 ・取り回しが良い ※バッテリー・充電器別売 | 約1万8千円(本体のみ) |
これらのモデルはそれぞれ特徴が異なるため、自分の用途や予算に合わせて選ぶとよいでしょう。また、購入前には実際の口コミやレビューもチェックすることをおすすめします。
コスパ重視の木工トリマー選び
予算を抑えながらも十分な性能を持つ木工トリマーを選びたい方は多いでしょう。コストパフォーマンスの良いトリマーを選ぶポイントと、おすすめのモデルをご紹介します。
コスパの良いトリマーを選ぶ際、まず重視すべきは基本性能です。回転数が30,000min-1前後あれば、DIYレベルの作業には十分対応できます。モーター出力は350W以上あると安定した加工が可能です。これらの基本スペックを満たす機種なら、価格が1万円以下でも実用的な作業ができます。
また、付属品の充実度もチェックポイントです。ストレートガイドやトリマーガイド、収納ケースなどが標準で付属していれば、別途購入する必要がなく経済的です。イーバリューの「EWT-450N」は、450Wのパワフルなモーターに各種ガイドや収納ケースが付属し、約1万円というリーズナブルな価格が魅力です。
耐久性も重要な要素です。安価なモデルでも全銅製モーターを採用している機種は、熱に強く長持ちする傾向があります。Weytollの「電動トリマー 800W」は、全銅製モーターと効率的な放熱設計を備え、約5,400円という破格の価格ながら耐久性に優れています。
安全機能も妥協したくないポイントです。高儀の「EARTH MAN TR-100」は、ソフトスタート機能を搭載した7,000円台のモデルで、初心者でも安全に使いこなせます。また、透明ベースプレートにより作業部分の視認性も確保されています。
イチネンの「ミツトモ TRS-340」は、350Wのモーターと30,000min-1の回転数を持ち、約8,000円で購入できるコスパモデルです。シンプルな作りながらソフトスタート機能を備え、型抜き加工用のテンプレートガイドも標準装備されています。
Hovered(アブリット)の「電動トリマー」は、6,000円台という価格ながら、6段階の変速機能を備えています。これにより様々な硬さの木材に対応でき、初心者でも使いやすい設計になっています。
コスパモデルを選ぶ際の注意点として、非常に安価なモデル(5,000円以下)では耐久性や安全性に不安がある場合もあります。また、アフターサービスや部品供給の面で信頼性の低いメーカーもあるため、ある程度知名度のあるメーカーの製品を選ぶことをおすすめします。
最後に、コスパを重視するなら中古品の選択肢もあります。特にプロ用の高級機種の中古品は、新品の安価なモデルより性能が高い場合があります。ただし、中古品を購入する際は、動作確認や消耗部品の状態を十分にチェックすることが大切です。
トリマービットの種類と選び方
トリマービットは電動トリマーの性能を決定づける重要なパーツです。様々な種類があり、用途に応じて使い分けることで木材加工の幅が広がります。
面取り用ビットは、木材の角を美しく仕上げるために使用します。代表的なものに角面ビット、丸面ビット、ひょうたん面ビットなどがあります。角面ビットは45度の角度で面取りを行い、シャープな印象の仕上がりになります。丸面ビットは名前の通り丸みを帯びた面取りができ、触り心地も良くなります。ひょうたん面ビットは曲線的な装飾面を作り出せるため、デザイン性を重視する場合に適しています。
溝掘り用のストレートビットは、まっすぐな溝を掘るための基本的なビットです。幅は6mm前後のものが一般的ですが、用途に応じて様々なサイズがあります。V溝ビットは三角形の溝を掘ることができ、デコレーション効果や文字彫刻に適しています。
また、ベアリング付きのビットも便利です。先端や側面にベアリングが付いており、木材に沿って動くため安定した加工が可能です。ガイドベアリング付きストレートビットは、テンプレートに沿った加工や、既存の形状をなぞる複製作業に最適です。フラッシュビットは合板の縁を削って平らに揃える作業に使用されます。
特殊なビットとしては、キーホールビットがあります。これは壁掛け用の穴を一度の作業で加工できる便利なツールです。また、ラウンディングオーバービットは縁を丸く美しく仕上げることができます。
ビットを選ぶ際のポイントとして、まず軸径が自分のトリマーに合っているか確認することが重要です。多くの日本製トリマーは6mm軸のビットに対応していますが、機種によっては異なる場合もあります。
次に、ビットの材質もチェックしましょう。一般的なのは高炭素鋼(HCS)と超硬合金(タングステンカーバイド)です。高炭素鋼は安価ですが、超硬合金に比べると耐久性で劣ります。頻繁に使用する場合や硬い木材を加工する場合は、超硬合金製のビットがおすすめです。
また、刃の形状と研磨状態も重要です。良質なビットは刃が鋭く、バランスよく研磨されています。安価なビットでは刃の研磨が粗く、木材を焦がしたり、切削面が荒くなったりする場合があります。
初心者の方は、まずは基本的なビットセットを購入するのがよいでしょう。角面ビット、丸面ビット、ストレートビットなど基本的なビットが揃ったセットなら、多様な加工に対応できます。ビットの使い方に慣れてきたら、作りたいものに合わせて専用のビットを追加購入するとよいでしょう。
ビットのメンテナンスも大切です。使用後は木屑や樹脂をきれいに取り除き、軽く油を塗布して保管すると長持ちします。刃が鈍くなったら早めに交換するか、専門店で研磨してもらいましょう。
カミヤが選ぶトリマーおすすめ製品
DIYスクールを運営するカミヤ工房は、実際の教室での使用経験や生徒の声を基に、信頼できる電動トリマーを厳選しています。ここでは、同工房が推奨する製品を紹介します。
カミヤ工房が最も高く評価するのは「マキタ RT50DZ」です。このモデルはコードレスタイプでありながら、AC機並みのパワフルな性能を持っています。特に回転数を10,000〜30,000min-1まで調整できる点が高く評価されており、様々な木材に対応可能です。バッテリー駆動なので取り回しもよく、教室内を移動しながらの作業にも便利だとカミヤ氏は語ります。
次に推奨されるのが「ボッシュ PMR 500」です。ドイツ製の堅牢さと精度の高さが魅力で、アルミ製のベースプレートにより安定した動きを実現しています。切削深さの微調整ダイヤルが直感的に操作でき、初心者でも扱いやすい点が評価されています。また、耐久性が高く、教室での頻繁な使用にも長期間耐えられると言います。
初心者向けとしてカミヤ工房が推薦するのは「高儀 EARTH MAN TR-100」です。約7,000円という手頃な価格ながら、ソフトスタート機能や透明ベースプレートなど、初心者に嬉しい機能が充実しています。DIY教室での初心者向けクラスでも使用され、安全に作業を学べるモデルとして評価されています。
より本格的な作業を行う上級者向けには「京セラ ATRE60V」がおすすめされています。電子制御機能で回転数を自在に調整でき、負荷がかかっても回転数が落ちないフィードバック回路を搭載している点が評価されています。アルミダイカストベースでの高精度な加工は、プロ品質の作品を作る上級者クラスで活躍しているそうです。
また、コスパモデルとしてカミヤ工房が推奨するのは「イーバリュー EWT-450N」です。450Wのパワフルなモーターを搭載しながら約1万円という価格が魅力で、DIY教室の共用工具としても活用されています。ワンタッチレバー操作でベース固定・解除ができ、初心者でも扱いやすいモデルです。
カミヤ氏が特に強調するのは、電動トリマー選びでは「安全機能」と「使いやすさ」が最優先事項だという点です。どんなに高性能でも、使いにくかったり安全性に不安があるモデルは推奨していません。そのため、上記のモデルはいずれも安全機能が充実し、操作性に優れたものが選ばれています。
また、カミヤ工房ではトリマーの使い方講座も定期的に開催されており、適切な使用方法を学ぶことの重要性も強調しています。電動工具は正しく使えば非常に便利ですが、誤った使い方は危険を伴うため、初心者は基本的な使い方をしっかり学んでからトリマーを購入するよう助言しています。
木工トリマー使用者のレビュー紹介
実際に木工トリマーを使用している方々のレビューを参考にすることで、より具体的な使用感や注意点が見えてきます。ここでは、様々なユーザーの声をまとめてご紹介します。
DIY歴5年の佐藤さん(40代男性)は「マキタ M373」を使用しています。「パワフルな回転で硬い木材でもスムーズに加工できる点が気に入っています。また、透明ベースプレートで加工部分が見やすく、精密な作業がしやすいです。一方で、やや重量があるため、長時間の細かい作業では少し疲れるのが難点です」と語ります。
インテリアデザイナーの山田さん(30代女性)は「高儀 EARTH MAN TR-100」のユーザーです。「初めての電動トリマーでしたが、ソフトスタート機能のおかげで扱いやすく感じました。小さな家具の面取りや装飾的な溝掘りに重宝しています。ただ、連続使用すると少し本体が熱くなるので、休憩を挟みながら使っています」とのことです。
家具職人の田中さん(50代男性)は複数のトリマーを所有していますが、日常的に使用するのは「京セラ ATRE60V」だそうです。「回転数調整機能が細かく設定できるので、様々な木材に対応できる点が最大の魅力です。アルミダイカストベースの精度が高く、プロの仕事でも満足できる仕上がりになります。価格は高めですが、耐久性と精度を考えれば長い目で見てコスパは良いと思います」と評価しています。
DIY初心者の鈴木さん(20代男性)は「イーバリュー EWT-450N」について「価格と性能のバランスが良く、初めての電動工具としては満足しています。ケースが付属していて収納もしやすいです。最初は操作に慣れるまで時間がかかりましたが、YouTubeの使い方動画を参考にして少しずつ上達しました」と話します。
建築業を営む高橋さん(40代男性)は「マキタ 充電式トリマ RT50D」を愛用しています。「現場での作業が多いため、コードレスは必須条件でした。バッテリーの持ちも良く、1日の作業をこなせます。LEDライトで暗い場所でも作業しやすく、ダストノズルで作業環境も清潔に保てるのが気に入っています。価格は高めですが、プロ用としては必要な投資だと考えています」と語ります。
DIY教室の講師を務める小林さん(30代女性)は「ボッシュ PMR 500」について「生徒に教える際も使いやすいモデルです。握りやすいグリップと安定した動作で、初心者でも安心して使えます。様々なビットに対応できるので、教室での多様な作品づくりに重宝しています」と評価しています。
レビューからわかる共通点として、初めて電動トリマーを使う方々は操作に慣れるまで苦労する傾向があります。特に切り込み深さの調整や進行方向の理解には時間がかかるようです。また、安全面では予想以上に木屑が飛び散るため、保護メガネの着用を推奨する声が多く聞かれました。
一方で、使いこなせるようになると作業効率が大幅に向上し、DIYの可能性が広がったという意見が多数ありました。特に面取り加工の美しさや精度の高さに満足している声が目立ちます。
価格帯については、1万円前後のエントリーモデルでもDIYには十分という声がある一方、頻繁に使用する方や精度を重視する方は、2万円以上の中〜高級モデルを選ぶ傾向が見られました。
木工トリマーおすすめの総まとめポイント

- 電動トリマーは面取り・溝掘り・円形加工など多様な木材加工に対応
- 日本製トリマービットは軸径6mmが一般的で互換性が高い
- コード式は長時間作業向き、コードレス式は取り回しが良い
- ソフトスタート機能は初心者の安全性を高める
- 透明ベースプレートで作業部分の視認性が向上する
- 回転数が高いほど加工速度が速く仕上がりもきれい
- 電子制御機能は負荷時も安定した回転を維持
- 集塵機能は作業環境を清潔に保ち後片付けも容易
- マキタM373は35,000min-1の高回転で精密加工に最適
- 高儀EARTH MAN TR-100は7,000円台と初心者向け価格帯
- ボッシュPMR 500は耐久性に優れプロも使用
- 京セラATRE60Vは回転数調整機能で様々な木材に対応
- 面取り用ビットは角面・丸面・ひょうたん面などがある
- 進行方向は自分から離れる方向に進めるのが基本
- キックバック現象を防ぐためガイドの使用や適切な切削深さ設定が重要